女子生徒への性加害で罰金刑を受けた漫画家をなぜ再起用? 小学館『マンガワン』炎上の背景にある問題 #エキスパートトピ
小学館の漫画アプリ『マンガワン』で連載されていた作品『常人仮面』の原作者が過去に性加害事件を起こしており、さらに担当編集者が被害者への口止めに関与していたとして、批判が殺到しています。
この事件は、私立高校の元教員が在職中に女子生徒に対して性加害を行い、卒業後も加害を続けていたというものです。被害女性がPTSDを発症し、損害賠償を求めて提訴したことで明るみに出ました。
SNSではこの元教員が漫画『堕天作戦』の作者であるという告発が行われて注目を集めていましたが、今回の報道によって裏付けられたかたちです。
ココがポイント
小学館の編集者が、担当していた漫画家が起こした性加害についての示談交渉に加わり、被害女性に口止めを強いる和解条件を提案
出典:47NEWS(よんななニュース) 2026/2/27(金)
(1)男性が示談金150万円を支払う(2)女性が連載再開の中止要求を撤回する(3)性加害について口外禁止―などを提案した
出典:NEWSjp 2026/2/27(金)
『常人仮面』(中略)単行本の出荷を停止いたしました。原作者の一路一氏は、『堕天作戦』の作者である山本章一氏と同一人物です
出典:マンガワン
一路一名義の原作で新連載『常人仮面』を開始いたしました。本来であれば原作者として起用すべきではありませんでした
出典:オリコンニュース(ORICON NEWS) 2026/2/27(金)
エキスパートの補足・見解
SNSでは和解条件として口止めを提案したことが批判の中心となっています。ただし、和解において「口外しないこと」を条件に含めること自体は珍しくありません。
実際、ニュースなどでも「両者が和解した」と報じられるのみで、和解条件の詳細が明かされないケースは多くあります。
しかし今回の件では、被害者側が「連載再開は認めてもよいが、休載理由が被告の逮捕であったことを公表すること」を条件として求めていたにもかかわらず、これを編集者が拒否していたことがSNS上の告発で明らかになっており、この点も問題視されています。
今回の事件における最大の問題は、2020年に『堕天作戦』の作者・山本氏が性加害で逮捕・略式起訴され罰金刑を受けていたにもかかわらず、2022年にマンガワン編集部が別名義(一路一)の原作で新連載『常人仮面』を開始させたことにあります。
編集者が和解条件の協議に参加したのは2021年のことです。翌2022年の時点でまだ和解が成立していないにもかかわらず連載を開始したことは、小学館側が被害者よりも連載の継続を優先したと受け取られても仕方がなく、出版社としてのコンプライアンス体制が問われる事態だと言えます。