背水の陣で変貌に指揮官が驚き 覚醒予感させる「元巨人のスラッガー」は
長続きしなかった好調
リーグ3連覇、2年連続日本一を狙うソフトバンク。投打でハイレベルなチーム内競争が繰り広げられている中で、小久保裕紀監督の評価を高めているのが秋広優人だ。 【選手データ】秋広優人 プロフィール・通算成績 第1クール2日目の2月2日に行われた特打で、25本のサク越えを披露。すり足から右足を上げる打撃フォームに変わり、右に左にアーチを連発した。報道によると、ケージ裏で見守った指揮官が「打撃が全然変わっていた。一番変わっているのは秋広。懐が大きくなって、打球速度と飛距離が伸びている」と驚きを隠さず、「『ちょっと、もったいないな…』って印象だった打撃スタイルが、今は『あの(大きな)体を生かしているよね』っていうスタイル。もったいなさが消えている」とうなったという。 昨年5月に大江竜聖とともに、リチャードとの交換トレードで巨人からソフトバンクに移籍。即一軍で起用されると、交流戦のDeNA戦(みずほPayPay)で3試合連続お立ち台に。6月13日の初戦で4回二死二、三塁の好機に左腕のアンソニー・ケイのツーシームに食らいつくと、左前に抜ける先制の2点適時打。移籍後初適時打が決勝打になった。翌2戦は2回二死で大貫晋一のスライダーを振り抜き、右翼テラス席へ先制弾。23年7月23日のDeNA戦以来692日ぶりの一発が決勝弾に。15日の第3戦は1点差を追いかける8回無死二、三塁でフルカウントからローワン・ウィックの直球を中前にはじき返す同点適時打を放ち、逆転勝利の呼び水となった。 だが、この好調を維持できなかった。7月上旬にファーム降格すると一軍再昇格を果たせず。移籍後は22試合出場で打率.208、1本塁打、4打点に終わり、「トレードがあって混乱するシーズンだったけど悔しい成績だった。リーグ優勝、日本一のチームに貢献できなくて歯がゆい」と悔しさをにじませた。
定位置をつかむため打撃スタイル変更
巨人時代の23年に121試合出場し、打率.273、10本塁打、41打点をマークした際はスター候補生として注目された。身長2メートルという恵まれた体格から繰り出される打球はチーム屈指の飛距離だったが、秋広はコンタクト能力に自信を持ち、中距離打者であることを自認していた。 ただ、自身の存在価値を考えたときに、長打力を生かさなければソフトバンクで定位置をつかみ取れないと感じたのだろう。外野陣は柳田悠岐、近藤健介と球界を代表する強打者のほか、3年連続4度目の盗塁王に輝いた周東佑京、最高出塁率(.384)のタイトルを獲得した柳町達、パンチ力が魅力の正木智也のほか、首位打者を獲得した牧原大成も内外野を守れる。タレントがそろっている中、秋広が存在価値を高めるにはなにをするべきか。たどり着いたのは打撃スタイルの変更だった。