【師弟対談「元プロ」恩師と語る将来像】渡部海(青学大/捕手)×中谷仁(智弁和歌山高/監督) 理想の司令塔
アクシデントをきっかけに
思い出の場所の一つである智弁和歌山高グラウンドの本塁ベース付近で撮影した
【2026ドラフト特集 スカウト戦線 新年始動!!】 青学大は2023年から3年連続で、2人のドラフト1位選手を輩出。26年も不動の正捕手・渡部海と、154キロ右腕・鈴木泰成が有力候補に挙がる。2人は昨年末のオフを利用して母校に戻り、高校3年間、教えを受けた元NPB指揮官の下で原点に戻った。一つひとつの言葉がラストイヤーの肥やしとなった。 取材・構成=岡本朋祐 写真=宮原和也 青学大は昨秋、東都大学リーグで史上3校目の6連覇を遂げた。2023年春から25年秋まで勝ち続けているわけだが、この間、全日本大学選手権は23、24年に連覇、明治神宮大会は24、25年に連覇。24年は史上5校目(6度目)の年間タイトル4冠を達成した。栄光の3年間は、不動の正捕手・渡部の歩みでもある。1年春からマスクをかぶり「負けない捕手」の称号を手にした。渡部の恩師はプロで15年プレーした、元NPB捕手である。 ──3年秋を終えて、1年春から6シーズンすべてリーグ優勝の6連覇。さらには、日本一4度という戦績について、率直な感想をお伺いしたいと思います。 中谷 あり得ない、というか、すごいとしか言いようがありません(苦笑)。最終学年を残していますが、ここまでで評価すれば、100点満点。ただ、それは渡部一人の力ではなくて、青山学院大学さんのチームとしてのバランスが整い、また素晴らしいピッチャーとのご縁で、渡部も成長させてもらい、チームとして成し得た結果かと見ています。 渡部 自分が入学した2023年以降、プロに進んだ方が多く、先輩方に恵まれてここまで来られました。安藤(安藤寧則)監督、中野(中野真博、コーチ)さんはじめ、指導者からの徹底した声掛け、チーム方針、そこは自分たちの指示だけではなかなかできない部分でもあるので、いろいろな人の支えがありながら、リーグ6連覇を達成できたと思います。 ──侍ジャパン大学代表としても、日米大学選手権で日本の5戦全勝優勝に貢献しました。 中谷 キャッチャーというのは基本的に、ピッチャーの球をしっかり捕らせてもらうのが仕事。いかに投げやすい状況をつくるかを考えていかないといけない。良いピッチャーとのご縁が、こうして渡部がクローズアップされている要因です。渡部自身の努力もあるとは思いますが、常日ごろの取り組みが、良いご縁をいただく要素になっていると考えています。 ──母校に戻るのは、いつ以来ですか。 渡部 昨年6月、全日本大学選手権後です。東北福祉大との準決勝で負けた後だったので、悔しい気持ちもあったんですけど、今回は昨年11月の神宮大会で優勝し、堂々と帰ってこられて良かったです。 中谷 勝ち続けるのは、難しいことだと思います。春先は右肩のコンディションが良くないと聞いており、どう乗り切っていくか、心配をしていました。 渡部 肩を痛めたときは監督にも治療の相談に乗っていただきましたが、いろいろな方々の支えがあり、今は一番と言っていいぐらい肩の状態が良いです。 中谷 アクシデントをきっかけにして、強くなるケースがある。秋の映像を確認すると、二塁送球のボールの質が明らかに違う。相当な進歩を感じていました。10キロぐらいアップしたと思うぐらい、セカンドベースで、グラブに収まる強さが明らかに変わっていました。 渡部 これまでは正確性を求めていたんですけど、強さが出てきた感覚はあります。強いボールが投げられるので、慌てずステップできるのは大きいです。 ──中谷監督が初めて渡部捕手のプレーを見たのはいつですか。 中谷 中学2年時ですかね。ウチを志願してくれているという話を、住吉ボーイズの服部守監督さんからいただいて「では、ぜひ!」と見に行かせてもらったのが最初かなと思います。 ──第一印象は、いかがでしたか。 中谷 キャッチャーとしては結構、バタバタというか……(苦笑)。もちろん基本は練習していたんでしょうが・・・
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週刊ベースボール