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イラク戦争と同様のウソを繰り返す愚劣なアメリカの「イラン攻撃」 ―だから集団的自衛権はやめたほうがいい

「最近はテロリストという言葉の響きが変わってきまして、政治目的を達成するためには罪もない人を巻き添えにするということがテロリズムの定義とするならば、欧米諸国の軍以上のテロリズムはないんじゃないかと私は思います。」(中村哲医師)

 アメリカのトランプ大統領は「イランは開発を再開していていまだその悪の野心を捨てていない。我々と交渉して取引を望んでいるが、『もう核兵器を作らない』という大事な言葉が出てこない。外交で解決したいが、世界最悪のテロ支援国家に核兵器を持たせるわけにはいなかい」と24日の一般教書演説で語った。イランは2015年7月に成立したイラン核合意で「もう核兵器を作らない」と世界に向けて公約したが、その核合意から一方的に離脱したのはトランプ大統領で、彼の理屈はたとえて言えばヤクザの言いがかりのようなもので、暴力でイランを脅しているとしか見えない。

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画像は日経新聞よりhttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN250330V20C26A2000000/ 

 バンス副大統領は「イランは核兵器を保有してはならない。核開発をすれば問題であり、実際その証拠がある。」と語った。いったい何の証拠があるというのか。イランが核兵器開発しているとはとうてい思えない。アメリカがイランの核を問題にしたかったら、国連安保理に諮るのが筋だ。アメリカにはイスラエルの核兵器保有については一向に問題にする姿勢がなく、「世界最悪のテロ支援国家」とは7万人以上のガザの人々を殺害したイスラエルの大規模テロに武器・弾薬を供給し続けるアメリカのように思える。

 イランは2015年の核合意で核兵器開発からはるかに遠のいた。その核合意は国連安保理決議2231号でも追認されたが、アメリカがイランの核エネルギー開発を問題にする背景には1990年代からイランが核兵器開発をしていると訴え続けるイスラエルのネタニヤフ政権の意向がある。

 イラク戦争直前、2002年暮れにネタニヤフ首相は「ウォールストリート・ジャーナル」に寄稿し、「イスラエルの政治指導部はサダム・フセイン政権が核兵器を数カ月以内に保有するだろうという認識で一致している」と述べ、虚偽の主張を行った。ネタニヤフ首相は、昨年6月にガザでは飢餓などまったくないと平気でウソをつく人物で、彼の言うことを鵜呑みにすることはとてもできない。

「イラン核合意」の内容は、「イランは、兵器に転用できる高濃縮ウランや兵器級プルトニウムを15年間は生産せず、(ウランの濃縮度は15年間にわたって平和利用に限られる3.67%までに抑えることが義務づけられた)10トンあった貯蔵濃縮ウランを300キロに削減する。また1万9000基あった遠心分離機を10年間は6104基に限定する。かりにイランが核開発を再開しても、核爆弾一発分の原料の生産に最低一年はかかるレベルに能力を制限する。」というものだった。これでイランは核兵器製造からはるかに遠のいたが、トランプ大統領はこの合意を台無しにして、イランに核兵器製造の意図があると言い張り続けている。

 このイラン核合意ではイランに対する経済制裁が解かれるはずだったが、トランプ政権はイランへの制裁をかえって強化し、現在イランでは主にドルの外貨不足に陥り、物資の輸入が困難な「経済・金融危機」に直面し、インフレが昂進するようになった。経済制裁はイラン政府よりもイラン国民に重大な困難を与えている。

 ルビオ国務長官は「イランには核兵器以外にアメリカ国民を攻撃するためにだけ開発された通常兵器も保有しています。アメリカ本土に届く兵器の開発を進めていてヨーロッパの大部分を射程にした兵器をすでに保有しています。」と語った。アメリカ国民に届く兵器をもっているのはアメリカと敵対したり、軍事力で競合したりするロシアや北朝鮮、中国などだ。ルビオ国務長官には、なぜイランだけが危険なのかその説明がないし、イランはアメリカ本土に届くミサイルを保有しそうにない。アメリカ議会図書館(Library of Congress)の情報でもイランの中距離弾道ミサイルの射程距離は1000から3000キロメートルで到底アメリカ本土を射程に置くものではない。

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アメリカ政府はウソつきだ。イランの弾道ミサイルの射程では西ヨーロッパにも届かない。 https://www.congress.gov/crs-product/IF13035

 スイス・ジュネーブで行われるイランとアメリカの協議でイランはウラン濃縮度を3.6%程度にまで落とす譲歩を行うとも見られているが、この濃縮度は2015年の核合意に戻ったことになり、トランプ政権によるイラン核合意からの離脱は何のためだったかとあらためて問わざるを得ないことになる。

 アメリカには地上兵力を派遣する意図が見られないが、トランプ政権は2020年に中東地域に護衛艦の派遣を要請したことがあった。集団的自衛権ともなれば、今回のイラン攻撃の姿勢に見られるようなアメリカの不合理な戦争に再現なく付き合わされることになる。アメリカがイランを攻撃すれば、イランも中東における米軍基地を報復することになり、イランと同盟関係にある中東の武装集団もアメリカやイスラエルを攻撃し、中東全体の不安定化にもなりかねない。日本にはイランの親日感情や日米同盟を背景にイラン・アメリカ間の緊張についてできることがあるはずで、アメリカの戦争に協力するよりは、平和のための仲介を行ったほうが、中東、あるいは国際社会の日本に対する評価も上がることは言うまでもない。

 

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田中角栄氏 https://books.bunshun.jp/articles/-/6031

 平和こそが 戦争犯罪人を膝まずかせ

 自白するように 余儀なくさせる

 そして犠牲者たちとともに 叫ぶのだ

 戦争をやめろ   ―ルイ・アラゴン


アメリカ政府高官たちの発言は26日放送のテレビ朝日「報道ステーション」より

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