トランプ移民政策の失敗と日本が密告社会になる? ―「クルド人の犯罪率は日本人の20倍」の真っ赤なウソと日本人と道徳観を共有するムスリム
アメリカのトランプ大統領は2月24日、一般教書演説で「歴史に残る大転換を成し遂げた」と2期目1年余りの自らの政策を大いに誇った。
ところが、移民の大がかりな摘発で建設現場では働く移民が大きく減少し、住宅建設が滞り建設関連企業の業績に重大な否定的な影響が出るようになっている。高関税の影響もあってインフレは昂進し、経済政策への国民の評価は低い。トランプ政権の関税政策への不支持は64%、支持は34%と圧倒的に不支持が多い。11月の中間選挙では共和党支持層が投票に行かず、民主党が全議席改選の対象となる下院の過半数を奪還する可能性が高いと予測する専門家もいる。(NHKニュース)
CNNの世論調査でもトランプ大統領の政策優先事項が適切と回答したのはわずか32%、重要な課題に十分な注意を払っていないと回答したのは68%にも上った。一般教書演説で最も取り上げてほしい課題は経済と生活費で57%、トランプ氏が力を入れているICEなどを使った移民の取り締まりや、イランへの軍事的締め付けのような外交政策よりもはるかに高い。トランプ大統領への支持率は36%、不支持は63%、無党派層では26%と極端に低い。11月の中間選挙で敗れれば、トランプ氏は弾劾訴追される可能性が高い。
刑事裁判の起訴にあたる弾劾訴追を下院の過半数の賛成で決議すれば、上院が弾劾裁判を開いて罷免するかどうか評決を下す。上院の弾劾裁判では出席議員の3分の2以上が賛成すれば、大統領は有罪となり失職し、副大統領が大統領に昇格する。
特にトランプ大統領が危ういのは、いわゆる「エプスタイン・ファイル」の問題だ。少女買春などの罪で起訴され自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏を巡る問題について、国連人権理事会(HRC)が任命した独立専門家パネルは、「エプスタイン・ファイル」が、「世界規模の犯罪組織」の存在を示唆する述べているが、このエプスタイン氏の顧客ファイルにトランプ大統領の名前が数千回も登場すると民主党のテッド・リュウ下院は述べている。
アメリカ大統領で、弾劾訴追されたのは、1868年アンドリュー・ジョンソン(民主党:下院訴追、上院で「無罪」、1974年リチャード・ニクソン(共和党:下院の訴追直前に辞任。「ウォーターゲート事件」)、1998年ビル・クリントン(民主党:下院訴追、上院で「無罪」)、2019年、2021年ドナルド・トランプ(共和党:下院訴追、2019年、2021年ともに上院で「無罪」)となっている。1期目のトランプ政権は弾劾訴追を2度受ける米国史上初の大統領となったが、「少女買春」ともなれば1期目の際の権力乱用よりもはるかに印象が悪い。
トランプ氏の失敗する移民問題やインフレは日本の政治とも大いに関係する問題だ。衆議院選挙では自民党や参政党、日本保守党などは外国人問題を優先公約として掲げ、高市政権はインフレの克服を頻繁に口にする。外国人問題を厳格にすれば日本で労働する外国人は大いに減り、アメリカと同じように日本も労働力不足という問題に陥り、またインフレ対策に失敗すれば、高市政権の支持率は一挙に下落する。
2月18日に茨城県は令和8年度の予算案に、不法就労している外国人に関する情報を募り、県警の摘発につながった場合には情報提供者へ数万円程度の「通報報奨金」を支払う制度を発表した。あたかもナチス・ドイツのユダヤ人狩りを彷彿させる措置だ。
在日韓国人・朝鮮人の排除に代わって現在では極右勢力の排除の対象がムスリムになっている。参政党の神谷宗幣代表は、パレスチナ難民を引き受ければ、治安が悪くなるし、負担があることは間違いないと言ってのけた。2月1日投開票の川口市長選では埼玉県戸田市議の河合悠祐氏は「クルド人の犯罪率は日本人の20倍」というデマを飛ばした。下の「来日外国人犯罪の国籍・地域別検挙状況(令和2年)」を見れば明らかな通りムスリムの犯罪は極めて少ない。また、東京新聞の記事(昨年7月19日)によれば、川口市では外国人犯罪は激減した。
イスラム世界の人々の間では、日本人がイスラムの徳をよく体現していると称賛する声が多いが、インドネシア人技能実習生たちを採用している農家では、実習生たちが仕事を真摯にしているという声が「茨城中央園芸農業協同組合」が行ったアンケートでは圧倒的に多かった。日本の農業をよく覚えようと一生懸命に働き、真面目である、先輩は後輩思いで面倒をよく見ているという回答があり、中には「夏場の暑い時期にトマトの収穫を行えるのは、技能実習生ぐらいしかいないと思う」という回答もあった。それほど、日本人にはきつく応える労働を技能実習生たちが支えてくれているということだろう。
日本で労働するイスラムの人々に接していると、一生懸命地域社会にとけ込もうという姿勢が目立つし、日本人の雇用主のほうでも、強い不満は見当たらなかった。いったん帰国して日本に戻ってくるインドネシアの技能実習生もいた。世界16億の人々が信仰し、世界最大の宗教になろうとしているイスラムだが、留学、雇用、観光などの面で日本社会でも接触の機会は増えていくことだろう。イスラムに対する正しい理解とともに、そこには日本人がもつのと同様な「勤勉」「誠実」など人間の普遍的価値観があることを多くの日本人は知るべきだと思う。
※表紙の画像は茨城県が不法就労通報に報奨金
差別とヘイトを助長する
まるでナチス・ドイツのユダヤ人狩りだ
https://x.com/a9090851100/status/2024998931592278315


昔から欧米ではやってる国、ありますけどね。 悪いことですかね。 日本でも刑法犯の情報提供に報酬が出るものもあります。 不法滞在、不法就労は摘発されるべきです。