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Conversation

私は2017年にマンガワン編集長を退任し、その後会社を離れております。退任後は運営や意思決定には一切関わっておりません。この点は、誤解のないよう最初にお伝えさせて頂けますと幸いです。 今回の件について、私が退任後のことで詳しい内部事情を把握できる立場ではありませんし、具体的な判断や経緯について評価する立場ではありません。 ただ、創設期に関わった一人として、そして長く漫画という文化に関わってきた人間として、感じていることがあります。 前述の通り、本件の内情・詳細を知らない前提での意見となりますが、 まず何よりも優先されるべきなのは、今回の出来事によって傷ついた方、不安や嫌悪感を抱いた方がいらっしゃるのであれば、その気持ちに真摯に向き合うことだと思います。 不誠実な対応は、創作以前の問題だと私個人には考えております。 また、創作は自由であるべきですが、その自由は社会との信頼関係の上に成り立っています。信頼が揺らいだときに、最初に考えるべきは作品でも組織でもなく、人の気持ちであるべきだと私は考えています。 裏サンデーは、「才能の入口を広げる」ために生まれました。 画力や経歴、年齢や住んでいる場所に関係なく、「描きたい」という衝動を持つ人にチャンスを届けたい。漫画の世界に挑戦するためのハードルを下げたい。そんな理想からスタートした媒体でした。 無名の作家が初めて読者に届く場所。 誰にも知られていなかった才能が、突然光を浴びる場所。 それは、私にとって大きな夢でもありました。 しかし同時に、開かれた場所であるということは、社会と常に接続しているということでもあります。挑戦の場を広げることと、倫理や責任を軽視することは決して同義ではありません。創作の自由と、社会への誠実さは両立しなければならないものです。 私は現在、完全に外部の立場にあります。今の運営や判断に関わる立場ではありません。ただ、原点を知る者として、あの媒体が大切にしていた理念――「挑戦を広げること」と「読者との信頼を守ること」が両立していてほしいと願っています。 そして同時に、今回の件と直接関係のない方や組織自体が、憶測や連想によって傷つくことがないことも強く願っています。 炎上の中では、ときに無関係な人や別の組織まで巻き込まれてしまうことがあります。冷静な議論と、事実に基づいた判断がなされることを望みます。 漫画という文化は、多くの作家、編集者、読者の信頼の積み重ねでできています。一度揺らいだ信頼は、簡単には戻りません。だからこそ、時間をかけてでも誠実に向き合う姿勢が何より大切だと思います。 創設期に関わった立場でしかありませんが、静かに状況を見守りながら1日も早い状況の改善を祈っております。