裏金議員たちの復権と日本政治の闇 ―米国は裏金議員たちの活動の源流をつくったA級戦犯たちを利用し日本の民主主義運動を封じようとした
自民党は19日、選挙対策委員長に西村康稔元経済産業相、組織運動本部長に松野博一元官房長官を充てることを明らかにした。旧安倍派幹部だった萩生田光一氏も幹事長代行にあり、裏金議員たちが早くも続々と復権を果たすようになっている。旧安倍派5人衆の一人で、裏金問題で離党勧告を受けた世耕弘成氏についても復党を容認する声が強まり、また裏金とともに旧統一教会との関係が深い下村博文氏も今月の総選挙で当選した。
日本が無責任社会になったのは、安倍元首相の祖父の岸信介がA級戦犯でありながらも復権し、首相にまで上り詰めたことに原因があるという主張を聞いたことがある。裏金、統一教会議員のあまりに早い復権を観ると、日本が「無責任社会」と呼べる状態になっていることは事実だろう。
米国は冷戦構造が顕著になる中で、日本の民主主義運動に対抗させるために、右翼勢力を利用するようになった。岸信介は、笹川良一、児玉誉士夫という他のA級戦犯たちともに、米国が駒として利用するために巣鴨プリズンから釈放された。この3人は、1968年に設立された「国際勝共連合」の設立発起人として、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と自民党の連携を進め、戦後の保守政治の裏側で暗躍した。また、彼らは自民党の清和政策研究会(旧安倍派の源流)とも深い関わりを持ち、日本の右派・保守勢力の結集にも力を注いだが、裏金議員たちはこの日本政治の闇の系譜から生まれた政治家たちだ。
日米安保は1960年に岸信介内閣の下で改定されたが、冷戦という国際環境下にあって、米ソの核戦争にも日本が巻き込まれかねないと激しい反対があった。
安保反対運動の盛り上がりに対して、60年6月19日から22日に来日が予定されていたアイゼンハワー大統領の安全の確保のために、岸首相と親しかった児玉誉士夫は、18,000人のヤクザ、10、000人のテキ屋、また、10,000人の旧軍人や右翼宗教団体の信者に動員をかけるように、暴力団幹部などに声をかけた。(Far Eastern Economic Review、Koji Nakamura氏の記事:B. Lintner, Blood Brothers: The Criminal Underworld of Asia 〔Palgrave Macmillan; 2003〕)
このNakamura氏の記事には、児玉誉士夫の計画には岸政権から8億円の資金とともに、ヘリコプターやトラックなども提供されることになっていたとある。
「ニューヨーク・タイムズ」(1994年10月9日)には「C.I.A. Spent Millions to Support Japanese Right in 50's and 60's」という記事が掲載され、この記事には、CIAは、日本に関する情報を集め、日本をアジアの共産主義の防塁にし、日本の左翼の弱体化を図るために、1950年代と60年代に自民党に多額の数百万ドルの金を渡していたとある。この記事の中でも児玉誉士夫は登場し、日本の旧軍関係者から米国の兵器製造に必要なタングステンを調達し、国防総省に売却して巨額の利益を得ていた。また同記事には1958年7月29日、マッカーサー(ダグラス・マッカーサー2世)駐日大使が本国の国務省に宛てた書簡の中で、佐藤栄作蔵相(当時)が米国大使館に資金の提供を要請したことが書かれている。
旧統一教会は冷戦という環境の中で、日本や韓国という東アジア地域に反共の拠点をつくりたかった米国の特に共和党を中心に構想されて活動を開始した。教祖の文鮮明はウォーターゲート事件でも世界の共産化を防ぐためにリチャード・ニクソンを必要と考え、その免罪を訴える意見広告を1973年11月に「ニューヨーク・タイムズ」に出したことがある。
米国はイランでも、イランの石油産業を国有化したモサッデグ首相が共産党の活動を容認し過ぎていると懸念して、その政権の打倒を、CIAを使って考えた。1953年8月19日、親米的な国王の復権をもたらしたクーデターを米国は、超保守派の政治家たち、大地主、ヤクザ集団など民主主義とはおよそ縁のない勢力を使って成立させた。CIAは第二次世界大戦で親ナチス・ドイツの姿勢をとり、1941年に英ソ連合軍が進駐すると、連合軍によって逮捕された軍人のファズロッラー・ザーヘディー将軍を首班とする内閣をモサッデグ政権崩壊後につくり上げた。連合軍によって逮捕された経験があるザーヘディーの個人的背景も岸を彷彿させるもので、反共ならばその個人的な過去は問わないで、政治のトップに据えようとする米国の姿勢は、日本、イランで等しく見られた。
旧安倍派は戦後から続く日本政治の闇の部分を担い、自民党にはこうした「闇」の不健全な部分があることに国民は厳しい目を向けなければならない。高市首相も属したことがある旧安倍派は、岸信介が国際勝共連合を創設したことにも見られるように、超保守的な傾向をもち、自主憲法制定や強固な防衛力や対米関係を重視し、他方、保守本流を自任する宏池会や田中角栄らはハト派的で軽武装・経済重視の穏健路線を主張してきた。パレスチナ人の民族自決権を認めるなどパレスチナ問題に理解を示してきたのは後者の勢力のほうだった。ガザの人道外交議連にも旧安倍派からの参加はほとんど見られない。戦後政治の闇を引きずる高市政権には、本来的に米国の意向を忠実に代弁する性格が備わっていることに国民は特に留意しなければならない。
※表紙の画像はヤクザとつるんでいた児玉誉士夫
https://x.com/rrevv2021/status/1664216120814096386


そんな日本なのですが、イスラエルよりも軽視されていますね。米国は、イスラエルの利益を米国の利益と沿うような形で最大限尊重してます。イラン問題はそもそもイスラエルの利益を保障するために米国が火をつけたのですから。一方、日本はというと、多極化してしまった現代においては、米国にとっては…