「民泊の中国人依存」は実はウソだった…?運営会社大手の社長に聞いた「負のイメージでやり玉にあげられる民泊事業の真相」

中国人団体ツアー客減がもたらした「平穏」

高市総理による台湾強硬発言を受け、日中関係が急速に冷え込んだ2026年初頭。中国政府による「日本行き団体旅行の自粛通知」という経済的圧力が、日本の観光業を直撃するかと思われた。ところが、いざ蓋を開けてみると、現場からは「静かで快適になった」「スタッフに自然な笑顔が戻った」という、皮肉なまでの歓迎ムードが漂っている。

訪日客数こそ前年比で微減だが、東南アジアや欧米豪の客層がその穴を埋め、総消費額はわずかにプラス成長するという予測(JTB『2026年訪日旅行市場トレンド予測』)も出ている。マナーの悪い中国人団体客の減少は、皮肉にも日本の観光の質を見直す絶好のチャンスとなった。

だが、この平穏な空気の中で、いまだに負のキーワードとして槍玉に挙げられるのが、民家のような施設を旅行者に有料で貸し出す宿泊サービス、略して民泊である。

深夜の騒音、ゴミの不法投棄、鍵ボックスの乱立――これらの主役はたいてい「中国人」だというイメージが根強い。果たして実態はどうなのか。東京を中心に約130件の物件を運営し、年商約10億円を叩き出す株式会社AIRSTAY代表取締役・梶屋俊一氏に、民泊のリアルをぶつけた。

-AD-

現場はすでに「中国依存」を脱却している

加藤康夫(以下、Q):中国の団体客が消えて、民泊業界は壊滅的な状況だという報道があるが。

梶屋氏(以下、A): 全くそんなことはありません。現場は、これまでどおり平穏に通常運営しております。マスコミは「中国人が減り民泊は壊滅的」という定型句を使いたがりますが、弊社の運営物件における中国人ユーザーの比率は約15%に過ぎません。この数字は、日中関係が悪化する前から大きく変わっていません。

Q:15%とは意外に低い。その理由はどこにあるのか。

A:東京は韓国や台湾、東南アジアに加えて、欧、米、豪の個人旅行者で埋まっているからです。そして日本国内の利用者の割合も年々上がってきています。各施設の稼働率は85%前後で安定しています。

外国人に限ってみると、北米や欧州、東南アジアへと着実に多様化が進んでいます(観光庁『住宅宿泊事業の宿泊実績』)。「中国人が来なければ潰れる」という報道の第一報を聞いたとき、私は正直「それはないでしょう」と呆れました。もはやそんな脆弱な構造ではないと思います。

株式会社AIRSTAY代表取締役・梶屋俊一氏
イメージギャラリーで見る

Q:昨年末、著名な民泊系YouTuberが「自宅民泊がガチでオワコン。月商60万から一気にゼロ」とSNSで投稿して話題になった。これはどう見るか。

関連タグ

おすすめ記事

notification icon
現代ビジネスの最新ニュース通知を受け取りますか?