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The Works "君とともに生きてはいけない、君なしでも生きてはいけない" is tagged "腐向け" and "セタ弓".
君とともに生きてはいけない、君なしでも生きてはいけない/Novel by 妹尾アキラ

君とともに生きてはいけない、君なしでも生きてはいけない

5,550 character(s)11 mins

同タイトルと同状況で2作

同衾する大人と子ども、性行為的なものは欠片もなし、パラレル風味

セタ弓と狂王ショタ弓

1
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1.


子どもが絡みついてくる。
細い腕で私の頭を抱え込み、足で胴体を引き寄せるようにして。子どものあたたかい胸の中に、私がすっぽりと入り込むように。

寝かしつけようとしたベッドの上で、子どもに抱きしめられていた。
とはいえ目の前の華奢で小さな身体で己を覆うことができるのはせいぜい頭と上半身の一部くらいで。
ほっぽり出された身体の三分の二ほどは夜気に冷やされ熱を奪われているけれど、子どもに覆い被さられた頭のあたりは息苦しくもあたたかい。
幼子特有の高い体温と幾分早めの心音が、接した箇所から直に伝わってくるのが何となくこそばゆい感じがする。
顔を押し付けられた子どもの腹あたり。すん、と鼻から大きく空気を吸いこむと、乳児でもないのにミルクのようなどこか甘いにおいがした。体臭にしてはあまりにも幼くて拙くて、情欲ではなく感傷的な情動で胸が軋む。

そんな己の様子を知ってか知らずか、子どもはまたもぞもぞと動くと、ぬいぐるみにしては随分と大きく、抱き心地もよくない筋肉質な己の身体をぎゅうと抱きしめた。

独占欲なのか、愛着の表現なのか。
素直過ぎる子どもの行動の意味は、考えが凝り固まってしまった大人の自分にはよく理由がわからない。けれど、不器用に過ぎる己にこの少年が寄り添ってくれているという好意だけは、肌を通して存分に染み渡ってくるのだ。
柔らかい。あたたかい。
抱きしめられた至近距離で、互いに呼吸をする生命活動そのものが、尊くかけがえのないものに思えてくる。
それを与えているのは身体ごとで熱と愛情を伝えてくるこの子どもで、そのやさしさをうまく受容しきれずにいるのが子どもに抱え込まれてただ身を固くしている己なのだ。

薄い身体を抱き寄せて、そっとその背中に手を回す。
こんなに柔くて脆そうなもの、力をこめたらポキリと折れてしまいそうだ。
実際のところ、この少年はそんなにか弱い存在ではなく、ぎゅうと抱きしめたとしても壊れたりはしないと知っているのだけれど。

頭を抱える腕に、少し力が込められた。
痛くはない。けれど顔に押し付けられている子どもの腹がフルフルと震えて、どうやら彼が笑っているらしいことを知る。笑いながら、身体全体を使ってぎゅうぎゅうと己の身を拘束する。
くふふ、と。
密かな笑い声と共にまた子どもの腹が震えた。私の頭を両腕で完全に抱え込み、腹にぐりぐりと押し付ける姿はともすれば胎内回帰を思い起こさせる行為のようにも見えるかもしれない。
そう考えついて、その馬鹿らしさにこちらもくふりと口の中の空気を漏らす。
だってそうだろう? いくら半分が神とはいえ己を抱え込んでいるのはひとまわりもふたまわりも己より年若い少年で、さらに言うなら彼が精通を迎えているかすらも怪しい。
歳も、性別も、状況も。
オレが彼のナカに還るなんてことはあり得なく、だが絶対的に不可能なコトだと思えばこそ、今この状態にあるのが甘美な事象であるように思えた。
彼の裡に回帰するならばいい。
何が、何故、どうして。
己がそう感じる理由までは自分ですら言葉にすることは出来なかったが、己の一部でも全てでも、この美しい生き物に含有されるという事実が悦びでなくていったい何だと言うのか。
可能ではない。起こり得ることもない事象に陶酔したまま、子どもの柔らかい腹に己の額を擦り付ける。

あたたかい子どもはそれを喜んで、身体に絡めた脚で私の厚みを辿った。
一方的に己を許す子どもと、子どもに許される箇所だけを甘受する自分。彼に覆われ護られない下半身だけが、ただ熱を奪われて冷えていった。

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