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2026.02.27

がん研究論文の10%が不正論文!? 医療研究を脅かす「ペーパーミル」

不正な論文を大量に作成し、著者名義や論文そのものを業績の水増しを狙う研究者などに販売する「ペーパーミル(論文工場)」が、がん研究分野に大きな影響を及ぼしている可能性があるようです。フランスとオーストラリアの研究チームが、1999〜2024年に発表された264万本を超えるがん研究論文を解析した結果を医学誌BMJに発表しました。

  • 不正な論文を大量に作成し、著者名義や論文そのものを業績の水増しを狙う研究者などに販売する「ペーパーミル(論文工場)」が、がん研究分野に大きな影響を及ぼしている可能性があるようです。フランスとオーストラリアの研究チームが、1999〜2024年に発表された264万本を超えるがん研究論文を解析した結果を医学誌BMJに発表しました。

    ペーパーミルは、再利用した文章、不自然な表現、捏造(ねつぞう)データや画像を頻繁に使用することが知られています。研究チームは、ペーパーミルが作る論文に特徴的な言語表現を識別するよう、BERTと呼ばれる言語モデルAIを訓練しました。検証済みの論文で試験したところ、91%の精度で疑わしい論文を検出できました。

    このツールを用いて264万7471本のがん研究論文を解析した結果、26万1245 本(9.87%)がペーパーミル製に類似した論文として特定されました。

    疑わしい論文の割合は、2000年代初頭には1% 程度でしたが、22年には16%を超えました。影響は数千の学術誌に及び、特にがんの分子生物学や初期段階の基礎研究で多く見られました。また、がんの種類では胃がん、肝臓がん、骨がん、肺がんで特に高率でした。

    研究チームは「捏造された研究が科学的根拠に紛れ込むと、科学者の判断を誤らせ、最終的には医療の進歩を遅らせる可能性がある」と警鐘を鳴らしています。すでに三つの学術誌が、編集段階でのスクリーニングにこのツールを試験導入しているとのことです。