日本でも「しがみつき社員」急増か? AIの影響で増える見通し「ジョブハギング」とは何か? #エキスパートトピ
「ハグ」は本来、愛情表現だ。しかし米国で広がる「ジョブハギング(job hugging)」は、不安から今の仕事にしがみつく行為を指している。Monster社の調査では労働者の75%が「2027年まで現職に留まる」と回答。理由の48%が「経済の不確実性への恐怖」だった。
背景にはAIの急速な普及がある。日本でも求人広告の掲載件数が4カ月連続で減少。事務職は前年比約16%のマイナスだ。簡単に解雇できない日本では「しがみつき社員」が急増する恐れがある。企業はどう対応すべきか。関連記事をまとめてみた。
ココがポイント
「ジョブハギング(job hugging:現在の職にしがみつくこと)」が米国の働き手の間でトレンドになっている
出典:Forbes JAPAN 2025/11/14(金)
AIの急速な普及が「自分の仕事がなくなるのでは」という不安を生み、転職をためらう人が増えているのだ
出典:ITmedia ビジネスオンライン 2026/2/27(金)
AIの導入拡大に伴って各社が事務職の新規採用を減らしたほか、派遣社員など非正規への転換を図った
出典:Reuters Japan 2025/9/11(木)
資料の読み込みや、職員が打ち込んでいるデータ入力などの作業をAIに任せることが可能で、「事務職の仕事の多くが不要になる」
出典:読売新聞オンライン 2026/2/27(金)
エキスパートの補足・見解
「ジョブハギング」は米国だけの現象ではない。日本でも「最近、不満を口にする社員が減った」という声が現場から聞こえてくる。全求協のデータでは求人広告の掲載件数が4カ月連続で減少。とくに事務職は前年比約16%のマイナスだ。AIによる業務自動化が主因とみられる。みずほFGは全国約1万5000人の事務職員を今後10年間で最大5000人削減する方針を発表。事務センターにAIを本格導入し、書類確認やデータ入力をAIに任せるという。
日本は「しがみつき社員」が増えやすい土壌がある。米国と違い、簡単に解雇できない文化があるからだ。そのせいで容易にしがみつける。とはいえ、このような「しがみつき社員」が増えれば、組織は静かに活力を失っていくだろう。
企業が今すべきことは「リスキリング」だ。米国等に比べ、日本は「学び直し」が著しく遅れている。みずほFGは解雇せず、営業や業務支援への配置転換を進め、学び直しの支援も行うという。このような姿勢は注目に値する。単なる配置転換では、「静かな解雇」状態に追い込むことになりかねない。企業はもっと積極的に学び直しの機会を提供し、新たな価値を生み出せる人材に育てるべきだろう。