放課後デイサービスに入れない――。障害の重い子が排除される矛盾 現場で起きていること #こどもをまもる
障害や発達に特性がある子どもが、放課後や長期休暇中に通う「放課後等デイサービス」。2012年に制度化され、事業者・利用者ともに増えてきた。しかし今、本来支援を最も必要とする障害の重い子どもたちが事実上排除され、放デイ難民化する事態が起きている。矛盾の背景を取材した。(取材・文:石臥薫子/撮影:伊藤菜々子/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
「もう死ぬしかない」放デイ難民の悲痛な声
8月半ば。昼下がりの住宅街で、そこだけはオアシスのようだった。日よけの下でビニールプールの水面を揺らしているのは、小学校低学年とおぼしき男の子。車いすの女の子は、足に水をかけてもらい、気持ちよさそうだ。水風船のキャッチボールが始まり、歓声があがる中、黄色い水着の女の子は、鏡に向かって一心不乱に踊っている。 放デイ「第3こぴあクラブ」(東京・江東区)では、こうした外遊びが人気だ。冬でも天気さえ良ければ公園に出かける。てんかん発作を起こすことのある子も、注意欠如多動症(ADHD)で道路に飛び出したりする危険のある子もみな一緒。子ども10人に対し、常に5〜6人のスタッフが見守る。
放デイは、2012年の改正児童福祉法で位置づけられた通所型の福祉サービスだ。その数は全国に2万4000カ所以上、利用者は40万人を超える(2025年9月時点)。ところが、保護者の一部からは、こんな声が聞こえてくる。 「そもそも『放活』って、『入れない』前提で始まるんです」 そう話すのは、江東区で子育て中の母親Hさんだ。長男は、特別支援学校の小学部に通う5年生。知的障害を伴う自閉スペクトラム症と診断されている。Hさんは就学前年の秋、近隣の放デイの説明会で厳しい現実を思い知った。 「保護者の間で評判がいい事業所は、『若干名募集』と書かれていても、実際には枠がないことがほとんど。(利用者の病欠などで急に枠が空いたときだけ入れる)スポット契約で入って、誰かがやめるのを待つしかない状況でした」 放デイは6歳から最長18歳まで利用できるため、新年度に空きが出るとは限らない。2、 3年待ちも珍しくない。