《“中国製劣悪EVバス”で相次ぐ車両トラブル》販売するEVモーターズ・ジャパンの社長が引責辞任も「新ポスト」での会社残留に関係者から疑問の声 「返り咲きを狙っているのでは」
週刊ポストで追及してきた、車両トラブル続出のEV(電気自動車)バス問題は新たな局面を迎えた。“国産EVバス”として中国からの輸入車を販売するEVモーターズ・ジャパン(以下EVMJ)が経営体制の刷新を発表。佐藤裕之社長(69)が引責辞任することになった。 【写真】EVモーターズ・ジャパンの社長を引責辞任した佐藤裕之氏
同社のリリースには理由がこう書かれている。 「この度発生いたしました一連の車両不具合と、お客様ならびに社会の皆さまに多大なるご心配をおかけした経営責任を重く受け止め、経営体制の刷新および代表取締役の交代を実施いたします」 相次ぐトラブルを受けて国交省も昨年10月に同社へ立ち入り検査を実施していたが、佐藤氏の責任は大きいだろう。 部品の安全認証が十分に取れていない状態で車両を販売し続けることを批判した社員に対し、佐藤氏が「売りたくないんだったら売らなくていいです」と言い放ったのは3年前のことだ。筆者は関係者から当時の音声データを入手している。 そうした社員からの批判がありながら、佐藤氏は「九州の優秀起業家」と持ち上げられ、年間1600台の生産を目指す計画などを喧伝していた。
今回の引責辞任にも関係者から疑問の声があがる。 「佐藤氏は退任すると言いながらも『技術顧問』として会社に残留します。技術的な不具合やトラブルを見過ごしてきた責任は感じていないのでしょう。いったん身を潜めて世論の風当たりが収まるのを待って社長への返り咲きを狙っているのではないかという見方もされています」 EVMJに問うと、3月1日付で技術顧問に就任することを認め、具体的な役割については期限までに回答がなかった。 一方、“国産EVバス量産”はまだ諦めていないようだ。今回のリリースでも「国内生産への展望」として、「現行の並行輸入スキームから、国内一部製造、そして完全な国内生産へと段階的に移行する計画を具体化」させると強調している。 しかし、相次ぐ車両トラブルを受け、新規納車は続々とキャンセル。いくら経営トップが変わっても、安全体制が確保されない限り新たな買い手は見つからないだろう。 取材・文/加藤久美子(自動車生活ジャーナリスト) ※週刊ポスト2026年3月13日号