作業環境にこだわる(下)キーボード沼から脱出できそうな話
こんにちは。朝日新聞社CTO室の岩崎です。
普段はエンジニア組織の横断的なマネジメントと情報セキュリティーなどを担当しています。
前回は、朝日新聞社のエンジニアの作業環境と制度のお話をしました。
今回は一変して、個人的なこだわりであり、一度足を踏み入れると抜け出せない「キーボード」の話をさせてください。
美容師さんにとっての「ハサミ」、医師であれば「聴診器」、料理人なら「包丁」と、この職業と言えばこの道具といった象徴的な道具があると思います。え? 私は整形外科だから聴診器は使わない? 確かにおっしゃる通りですね。え? 私はケーキ職人だから包丁は使わない? うん、おっしゃる通りです。全国の子どもたちがクリスマスケーキを楽しみに待っています。メリークリスマス。
ITエンジニアにとって、武士の「刀」のように、毎日何千、何万回と指先で触れる道具ですから、ここにこだわらずして何にこだわるのか。……などと自分に言い訳をしているうちに、私はすっかり「キーボード沼」の住人になってしまいました。え? 武士の刀は振り回さないで欲しい。ごもっともです。平和が一番です。
高級キーボードという名の深淵
正直に告白しますと、これまでいわゆる「高級キーボード」と言われる製品を何台も渡り歩いてきました。外国製のキーボードにトライして15秒で諦めたこともあります。
新しいキーボードを考えるときに、エンジニア永遠の課題に直面します。
テンキーは必要か、不要か
構造はどれか(メンブレン式、パンタグラフ式、メカニカル式、静電容量無接点方式)
慣れ親しんだJIS配列か、憧れのUS配列か
これらの組み合わせを試し続け、キーボードだらけになる日々……。
しかし、多額の投資を費やし、妻の視線に耐える精神力を養った結果、私の中でいくつかの「真理」に到達しました。
私がたどり着いた「結論」
これまでの散財……いえ、朝日新聞社の研究開発精神から導き出された結論は以下の通りです。
1. 打鍵感は「静電容量無接点方式」が最高
いろいろなスイッチを試しましたが、長時間打っても指が疲れず、スコスコとした心地よい打鍵感が得られる「静電容量無接点方式」一択です。ここは譲れません。
2. キー配列に究極にこだわるか、汎用性をとるか
エンジニアでキー配列に徹底的にこだわるなら、トライしてみて欲しい製品があります。同社のホームページには以下のような一節があります。
「いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。」
う~ん。物語ですね。これに惹かれてこのキーボードも試しました。
しかし、独特のキー配列やファンクション(F1~F12)キーが無いことなど、結構使う人を選びます。
昔からLinuxを使っている人であれば、抵抗感がないですが、私は独立した矢印キーが欲しいのでちょっとハードルが高めです。
私は一般的なWindowsやMacの同じキー配列であることを優先しました。
(上:英語配列、下:日本語配列)
2. 一般的なエンジニアには「テンキーレス」
数字を大量に入力する経理業務やデータ入力担当であれば、テンキー付きが圧倒的に便利です。
私も40代の時は、100億円規模のプロジェクトのマネジメントを担当しており、予算管理、プロジェクト管理など、各種の資料作成には、数字が頻出、テンキーは必須でした。テンキーを使いながら左手では電卓をたたくこともやっていました(あっ そういえば多数の電卓にも散財してきたことに気づきました。これはまた別の機会に)
しかし、プログラムコードを書く場合や文書中心に利用する場合は、テンキーがあるとキーボードの横幅が広くなり、マウスとの距離が遠くなります(あっ マウスにも散々散財してきました。これもまた別の機会に)。キーボードとマウスの往復運動は、腕が痛くなる原因にもなります。基本はテンキーレスが使いやすいと感じています。
3. JIS配列 vs US配列 は「業務」による
「エンジニアならUS配列!」という風潮もありますが、やはり業務内容によります。記号を多用するコーディングがメインならUS配列は確かに合理的です。記号の並び、エンターキーやBackSpaceキーの近さ、ショートカットキー利用時の合理性。それとなんと言ってもスタバでUSキーボードのMacを使う自己満足感は格別です。ただし、やはり日本での流通量や標準設置されているキーボードはJIS配列です。ドキュメント作成や日本語でのやり取りが多い場合は、おとなしくJIS配列が無難かなと思います。
Macの場合は、「Karabiner-Elements」という優秀なキーカスタマイズのツールがあります。私も個人利用のMacBookはUS配列にKarabinerを入れて使っています。
4. 「キーマップ変更」は必須機能
自分好みにキー配置をカスタマイズできる機能(ハードウェア側でのリマップ機能など)がある機種がオススメです。Aのキーの左はCapsLockではなく、Ctrlであってほしい、といった個人のこだわりを吸収してくれるからです。ところで「CapsLock」キー君、そろそろその良い場所は他の人に譲ってあげないかい?
最近のキーボードは、ハードウェアレベルでキー配列を自由にカスタマイズできる機能が備わっています。
私は、テンキーレスキーボードを使っていますが、CapsLockキーを押しながら、JKLUIOと打つと数字の123456と入力できるような、テンキーもどきにカスタマイズしたりしています。これは便利です。
沼の底から、愛を込めて
これらをまとめた、私なりの「キーボード選びのフローチャート」を作ってみました。迷っている方は参考にしてみてください。
上記の結論に基づき、「これぞ私のゴール、あがりの1台だ!」と確信したキーボードはこれです。
実際に会社使っているキーボードを紹介します。
テンキーレス、有線・無線ハイブリッド、無接点、日本語、キー加重30g、静音
これに、キーキャップは、カナキー無し昇華印刷のものにカスタマイズして、一般の打鍵キーと、制御キーの色合いも変えています。追加散財約1万円。
同様に、在宅勤務の時に使っているキーボードも紹介します。
コンパクト、有線・無線ハイブリッド、無接点、日本語、キー加重30g、静音
キーキャップは、同様にカナ無しキーにカスタマイズして色分け。こちらも約1万円追加散財。
今思ったけど、ディスプレーにもこだわっていますね、こちらはキーボード以上に値が張ります。
沼から脱出できたのか
確信したキーボードに出会い、ついに沼から脱出できた……と思っていました。
しかし、恐ろしいことにメーカーは新しい製品を出し続けるのです。
「更なる磨きをかけたキーボード」が出たと聞けば、試さないわけにはいきません。
現在、私は「あがりの1台」と決めたはずのキーボードの横で、届いたばかりの新製品をトライ中です。
この記事が妻の目に触れないことを祈るばかりです。
これから沼に挑むあなたへ
もし、これからこだわりのキーボードを探そうとしている方がいれば、1つアドバイスがあります。
「まずはレンタルしてみませんか?」
最近はガジェットのレンタルサービスが充実しています。「数万円出して買ったけど合わなかった」という悲劇と家庭内の不和を避けるためにも、まずは借りて、自分の指と相談してみるのが賢い方法です。
朝日新聞社のエンジニア組織には、私のように道具にこだわるメンバーがたくさんいるかもしれません。
自分の最高のパフォーマンスを出せる環境を追求したい方、ぜひ一緒に働きませんか?
(社内Slackでキーボード談義ができる日を楽しみにしています!)
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