解体予定のアパートで消防訓練 本番に近く、効果的 群馬・伊勢崎
解体予定の2階建てアパート4棟を使った消防の訓練が3日、群馬県伊勢崎市今泉町1丁目であった。実際に人が生活していた建物を活用することで、効果的な訓練ができる。地域住民が参加した訓練も行われた。 【写真】水消火器を噴射する住民ら=2026年2月3日午前10時28分、群馬県伊勢崎市今泉町1丁目、小幡淳一撮影 賃貸住宅建設大手の大東建託(東京都港区)が全国で解体予定の物件を地域の消防に訓練場所として提供する活動を進めており、県内では初めて実施した。 今回活用した建物のオーナーの女性は「父が約40年前に建てた思い出の物件。壊してしまうだけなので、少しでも役に立つならばと、提案を受けた。危険がない世の中になって欲しい」と話した。 火災や地震などで消火や救助をする際、消防隊員は建物の構造や間取り、電気設備の状況などを短時間で把握し、火の回り方や立ち入る際の経路などを考慮して活動に当たる。 しかし、訓練は消防の施設で行っており、何度も使って様子もわかっている。解体予定の建物は初めて足を踏み入れるため、通報を受けて駆けつけるのと同様、より本番に近い訓練ができる。 この日、消防隊員は火災を想定し、煙を充満させた屋内に入って中の様子を確認。屋内から階段を使って負傷者役の人を搬送したり、窓から救出したりした。また、配電盤を見て、電気設備を把握する訓練も行った。 地域の住民ら約20人も集まり、煙が充満した部屋では見通しがきかないことを体験。自動体外式除細動器(AED)や消火器の使い方を学んだ。 市消防本部は「普段の訓練施設とは違い、隊員にとっては、とても役に立つ貴重な現場」と訓練に臨んだ。大東建託前橋支店の加藤理恵子さんは「これからも地域の防災力や意識の向上に貢献できるように取り組んでいきたい」と話していた。(小幡淳一)
朝日新聞社