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The Works "モンスターペアレント発生中" includes tags such as "エミヤ(アサシン)", "槍弓" and more.
モンスターペアレント発生中/Novel by 凍護@コメント嬉しい

モンスターペアレント発生中

7,443 character(s)14 mins

カルデアでのアサシンエミヤさんとアーチャーのエミヤのお話、じりじりする2人がお茶をして少し仲が良くなるまで、最後に槍弓/切弓っておいしいですよね(意味深)/以前上げたモンペシリーズに続きを望んでいただけたので喜びのあまり書いてしまいましたw時系列的には用心と警報の間くらいです/天の衣のアサエミの呼び方は最終章でフードさんだとわかりましたが、自分カルデアでは本人がいないところではキリツグと呼んでいてもいいかなと…その後公認になればエミヤも二人いるので名前呼びになるといいなとか/ブクマ、タグ、スタンプ本当にありがとうございます!!

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エネミー狩りもひとまず終わり、開けた場所でバラバラと休憩に入ったサーヴァントたちを見渡していたマスターは、ぱちっと目が止まった赤い外套の弓兵の疲れた様子にへらっと笑った。
「エミヤったらアサシンのエミヤさんがいる時はすごい張り切るよね」
エミヤと名前を呼んで反応するのは2人のサーヴァント、口ぶりから弓兵の方だと理解して顔をそらすアサシンに、一瞬無意識に視線を送ったエミヤはきょとんと目を丸くして首を傾げた。
「私が?何を根拠に」
「根拠も何も敵陣に突っ込んで切って切って切りまくって、MVPかっさらうのがこれで何回目だよお前。俺らのこと置いて走るからどんだけサポートが大変だと思ってやがる」
マスターの声を聞いて、同じくはりきるエミヤに気づいていたキャスターのクーフーリンが肩を抱く。アサシンのエミヤがいる時にはほとんど決まってマスターの采配違反ギリギリのラインまで働きまくり、他のメンバーの仕事を取っていくアーチャーはキャスターから明確に言われてもこてんと首を傾げるばかりで、まるでピンときていない様子にマスターと2人で驚いた。
「おいおい、本当に自覚なしかよ」
「私が、そんなことをしていたとは…」
きょろきょろと被害者の会の2人へ視線を向けてみれば、これまでの戦いを脳裏に思い出して深くうんうんと頷くマスターとキャスターに追い打ちをかけられて呆然とつぶやく。
心から驚いているアーチャーへ肩をすくめたキャスターは、少し離れたところで倒木に腰掛けているもう一つの赤い後ろ姿に話題を降った。
「あんたも薄々気づいてるんじゃねぇか?こいつのあんたがいる時だけ、見てください!って言わんばかりにいじらしくはしゃぎまくるのをよ」
「キャスター!?」
からかい混じりに笑うキャスターへ、無自覚にしていたことを言われたアーチャーは小さく飛び上がる。
突然そんなことを言われて不快に思わないだろうかという懸念と、ほんの少しだけ胸の奥に見え隠れするアサシンの反応への期待にエミヤは瞳が揺らめく。
しかし聞かれたアサシンはというと小さく顔を上げたきり、表情のない目を細めて素っ気なく首を振った。
「別に、仕事が早く終わることに異論はない。それに偶然の一致というものがあるからね、彼も否定しているからそう結論づけるのは軽率だ」
「…そうだな。流石の冷静さだ。っアサシン」
冷たい返答に一瞬芽生えてしまったあらぬ期待に恥じ入り、エミヤはしゅんと肩を落とすと呼び方を刹那ためらったが、結局クラス名に落ち着いた。
アーチャーが喉まで出かかって急停止をかける呼び方に眉を上げたアサシンはすっと立ち上がると、アーチャーの前に立って腕組みをする。
「ずっと言おうと思っていたが、僕は君の親族ではない。もしもそんな世界があったとして、僕の与り知るところではないし、僕も知らないものと重ねられるのは気分のいいものじゃない」
「…申し訳ないことをした。アサシン」
向けられる視線に、たまに詰まる呼び声に対してアサシンは無情にアーチャーを突き放す。
痛烈な一言に思わずぐっと詰まったアーチャーだが、たしかにその通りだと言う頭の冷静な部分から声に従って深く頭を下げた。
重苦しい空気にキャスターとマスターが動向を伺っていると、視線を斜め下に向けて心底申し訳なさそうなアーチャーへ、おもむろに自分よりも背の高くたくましい体を何気なくペタペタとさわる。
「しかし、君はいい体をしているな。ハリがあってしなやか、背丈もある」
「そっそうだろうか!」
「ああ、戦士として模範的なものだ」
アサシンの評価にピクンと体を跳ねさせて、アーチャーが犬ならばブンブンと尻尾を振るような勢いで顔を輝かせる。
しかしそれも、アサシンのあくまでもただの同じパーティとして一般的な評価に過ぎないのだと思い知らせる言葉で次の瞬間陰り、ありがとう…と小さく呟いて消えてしまった。

すっかりへこんでしまったエミヤがそこから立ち去った後、あの弓兵のそうそうお目にかかれない切ない感情の急降下を見たキャスターとマスターの咎めるような視線に、アサシンは口元を隠す包帯の下でバツの悪そうな顔をした。
言わんとしていることはわかっている。しかしアサシンとしても、アーチャーのエミヤとの距離は未だ図りかねているのだ。
なんとなく頭に漂う記憶のような何かに従えば良いのだろうが、元々そんな明るい性格をしていないアサシンのエミヤはどうにも躊躇いが先行してしまう。
おかしいのはただ見知った者と姿形が似ているというだけで懐いてくるアーチャーの方だ、僕は誰でもない抑止力の代表者に過ぎないのだからと、冷めきった頭で落とし所を作ろうとしているアサシンへ可憐な声が飛び込んだ。
「もう!エミヤ、そこは大きくなったね?って言うところよ!」
「何故僕が彼にそんな評価を与えなければいけない、叩かないでくれ」
むすっと頬をふくらませてポカポカと叩いてくる天の衣にアサシンは顔を背ける。
彼女も何やら自分とアーチャーとの関係を深めることに何やら力を注いでいるが、アサシンとしては正直勘弁してもらいたいところ。警戒している動物を無理に近づけたら喧嘩に発展する基本的なことを知らないのか、げんなりした顔で背中を叩く天の衣へやれやれと頭を振る。
互いにじりじりと距離を図りかねて、アサシンの方に至っては悪気なくアーチャーのガラスの心に傷を刻んでしまっている現状にマスターは深いため息をついた。


カルデアに戻った一行は夕食の準備にスタスタと食堂に向かうアーチャーと、特に用事もないアサシンとの距離はみるみる離れていってしまう。
レイシフト前と後ではさらに溝を深くさせた2人に、周りがどうしたものかと声に出さずにざわついていると、やはりこの問題における最高の薬がアサシンの元へ近づく。
「エミヤくんとちょっとお話してみたら?お茶請けは何がいいかしら、リクエストにお答えするわ」
「…アインツベルンの錬成でできた食物なんて危なくないかい?」
「ちゃんとブーディカちゃんにお手伝いしてもらうわよ」
ふわっと羽のように微笑む優しい天の衣の顔に毒気を抜かれ、アーチャーのへこんだ顔が頭から離れないアサシンは、その提案に異を唱えなかった。
それが十分な肯定であるというように、さらに微笑んだ天の衣は不器用者へ銀細工のように繊細で美しい髪を揺らしてリクエストを待つ。
「そうか…じゃあ」
アーチャーが好きなものなどアサシンにはわからない、しかしわからないなりに彼の生きた時代背景や、たまに見かけたことのある食事風景を思い浮かべてアサシン・エミヤなりのリクエストを出した。

Comments

  • さかなかな

    はじめまして。 まさに、文字どおり( ・∀・)

    March 16, 2018
  • のんこる。
    December 6, 2017
  • ぷよん
    January 9, 2017
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