出生数過去最少の70万人 推計より17年早い少子化 25年速報値
厚生労働省は26日、人口動態統計の速報値を公表した。2025年の出生数は70万5809人で、統計を取り始めた1899年以降、速報値ベースでは10年連続で過去最少を更新した。24年の72万988人から1万5179人(2・1%)減となった。国立社会保障・人口問題研究所が23年に公表した将来推計人口(中位推計)では、出生数が約70万人になるのは42年で、およそ17年早いペースで少子化が進んでいることになる。
速報値は在日外国人や在外日本人を含むため、6月ごろに公表される国内の日本人に限った概数では、24年(68万6061人)と同様、60万人台となる公算が大きい。25年の概数は、9月までの累計で49万6112人(前年同期比2・9%減)で、通年でも過去最少を更新する可能性がある。
死者数は前年比1万3030人(0・8%)減の160万5654人で、5年ぶりに減少した。出生数から死者数を引いた「自然増減数」は89万9845人減。18年連続の減少で、減少数は過去最大となった。
婚姻件数は前年から5657組(1・1%)増え、50万5656組だった。23年に戦後初めて50万組を割り、戦後最少の48万9281組となっていたが、その後は2年連続で増加となった。離婚件数は18万2969組で前年比3・7%減となった。
出生数の前年からの減少幅は、24年の5%から2・1%と緩やかになっており、厚労省の担当者は「婚姻数の増加が影響した可能性がある」と指摘している。
また、都道府県別に見ると、45道府県が前年から減少した。増加したのは、東京都の8万8518人(前年比1142人増)と石川県の6515人(同128人増)。24年は全都道府県で減少していた。
厚労省の担当者は「東京は人口流入も増え、国や自治体の少子化対策の効果があったのではないか。石川は能登半島地震で大幅に減少した反動の可能性が大きい」と分析している。
尾崎正直官房副長官は26日の記者会見で、「少子化に歯止めがかかっていない。若い世代の所得を向上させ雇用の安定を図ることで、希望する誰もが子どもを持ち、安心して子育てができる社会の実現に向け、さまざまな施策を総合的に推進していく」と述べた。【近森歌音】
出生数の推移