H3ロケット打ち上げ失敗 衛星搭載の台座破損、配管損傷が原因か
昨年12月のH3ロケット8号機の打ち上げ失敗について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、衛星を搭載していた台座が飛行中に壊れたことが原因となった可能性が高いと発表した。製造済みの別の台座を調べると、部材がはがれてできた隙間(すきま)が見つかった。製造工程で生じたとみられる。原因は断定には至っておらず、引き続き失敗との因果関係の究明を進める。
これまでの調査では、打ち上げ3分45秒後、ロケット上部の衛星カバーを分離する際に大きな衝撃が加わり、その後に第2段エンジンの水素タンクの圧力が低下したことが分かっていた。
JAXAがこの前後の時間帯のデータを分析したところ、衛星の台座上部が破損したことにより、衛星が脱落していた可能性があることが分かった。その衝撃で配管が損傷し、推力を失ったとみられる。
台座は、アルミニウムの部材を強化プラスチックの板で挟んだパネル4枚を結合した構造。打ち上げ失敗後に製造済みの台座四つを調査したところ、全てでアルミとプラスチックの間に接着不良とみられる複数の剥離が見つかった。これが破壊の起点になったと考えられるという。
さらにパネル同士を結合させる添え板の接着強度にばらつきがあり、これが剥離の原因になった可能性がある。
H3ロケットの前身となるH2ロケットでは、接着剤ではなく、ボルトを使って結合していた。H3ロケットでは、軽量化と低コスト化を狙って方式を変更していた。
記者会見したJAXAの森有司・事業推進部長は「剥離が起きたのは意図通りに設計できていなかったからであり、方式自体が問題だとは考えていない」と話した。【信田真由美】
種子島宇宙センターから打ち上げられるH3ロケット8号機。第2段エンジンの燃焼が予定より早く終了し、搭載した準天頂衛星「みちびき5号機」の軌道投入に失敗した=鹿児島県南種子町で2025年12月22日午前10時51分、本社ヘリから上入来尚撮影