【ワシントン=坂本一之】米オープンAIは25日、同社の対話型生成人工知能(AI)「チャットGPT」を悪用した事例報告書を公開し、中国当局と関わりのある人物が高市早苗首相を標的とした影響工作を試みたことを明らかにした。
報告書が紹介した悪用事例では、中国当局の関係者が昨年10月中旬、首相の評判を落とす計画を作成するための助言をチャットGPTに求めた。首相に関する否定的なコメントを投稿し増幅させることや、在留外国人を巡る首相の姿勢を批判し、偽メールアカウントから日本の政治家に苦情を送信することなどに関して計画をつくるよう指示した。保守的な政治姿勢を巡り中傷する狙いもあった。
チャットGPTは利用者からの不適切な指示に応じないよう設計されているため、協力を拒否したという。ただ、同じ人物は同年10月末に計画の実施状況の文章を推敲(すいこう)するよう指示した。オープンAIはこの人物のアカウントを停止した。
報告書は首相に対する影響工作のほか、中国に批判的なX(旧ツイッター)のユーザーに対する嫌がらせ事例なども紹介した。