武器の輸出ルール どう変わる?【#みんなのギモン】
提言では2点、あげています。ひとつは「同盟国、同志国との防衛協力拡大」の必要性。中国が海洋進出を強めるなど安全保障環境が厳しさを増す中で、日本の同志国などに装備品を輸出することで抑止力を強化することが必要だとしています。
もうひとつは「防衛産業の強化」の必要性です。ウクライナ侵攻の教訓を生かし、日本も有事で長期戦となった場合に備え、防衛産業の強化をすることが不可欠としています。
──際限のない輸出とならないか、そういった懸念はないのでしょうか?
はい。提言でも、輸出の歯止め策を提示しています。
まず、戦闘機や護衛艦、潜水艦など殺傷能力や破壊力のある「武器」と、防弾チョッキなどの「非武器」に分類します。これは審査の基準を設けるためです。
「武器」については、輸出先を防衛装備品や技術の移転に関する協定を結んでいる国に限定し、首相や閣僚などが出席する国家安全保障会議で審査するとしました
一方「非武器」については、国家安全保障会議の事務方レベルの会議で審査するとしました。
つまり殺傷能力が高い武器は、より厳しく審査するということです。
──協定を結んでいる国というのは、例えばどこでしょうか
アメリカ、イギリス、フランス、アジアだとフィリピン、ベトナムなど全部で17か国です。日本と友好関係が結ばれた国となっています。
──輸出していい武器なのかどうか、その都度、政府内で審査するということでしょうか?
そういうことになります。適切な判断が望める一方で、政府内の機関であるため、チェック機能が十分に働くか、心配の声もあります。また提言では、国会や国民に説明を充実させる方法の検討も政府に求めました。
──日本の武器を輸出することで、紛争に加担する恐れはないのでしょうか?
はい、提言では現に戦闘が行われている国への輸出は「原則不可」と歯止めをつけた一方、「我が国の安全保障上の必要性を考慮して特段の事情がある場合」は例外としました。
──例外となる「特段の事情」とは、どういうものでしょうか?
自民党の小野寺安全保障調査会長の説明です。
自民党・安保調査会 小野寺会長
「同志国が仮に侵略を受けて紛争当事国になりました。その時に当事国だからということで部品や弾薬等を提供しなくていいのか、そういうような事態においては、政府として一定の検討すべきではないかと」
同志国が侵略された時に、武器を提供する余地を残すということです。
──いま戦闘が行われている国への輸出は原則不可、さらには協定が結ばれている地域以外で戦闘がおきているところに輸出することは実際には考えられないととらえていいのでしょうか?
自民党の説明によると「協定締約国に限る」としています。
──本当にこの案の通り、見直されることになるのでしょうか?
自民党は3月上旬にも連立を組む日本維新の会とともに、提言を政府に提出するとしています。
政府は提言を踏まえ、春にも「5類型」を撤廃し、殺傷能力のある完成品の武器の輸出が原則可能となる見通しですが、この見直しは法改正の必要はないため、国会での審議はありません。政府内の手続きで行われます。
輸出の歯止めがどのように定められるのか、実効性は担保されるのかなど、引き続きみていく必要があります。
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