大塚製薬、身体の一部ではなく身体本来の力に働きかける食品を開発 酸素の少ない山岳地帯でも優れた身体能力発揮する民族に着目
大塚製薬は、身体の一部ではなく身体本来の力に働きかけるセルフコンディショニングフード(ケンフェロール含有西洋わさび葉抽出物加工食品)を開発した。 身体全体の本質的課題にアプローチするため、特保や機能性表示食品ではなく、食品として展開していく。 製品は、フレーバー付きのタブレットで舐めても噛んでも食べられるように仕立てられている。 同社は1日1粒の摂取を推奨し、日々のあらゆるシーンで全ての人が自分らしく健やかでいられるようにサポートすることを訴求していく。
2月25日、発表会に臨んだ井上眞社長は、環境に応じて変化する植物の生命力が製品開発のヒントになったことを明らかにする。 植物は、紫外線には防御機能、害虫には苦味や香り、微生物には抗菌成分といった具合に、環境の変化に応じて必要な成分を自ら作り出す。 このメカニズムに倣って、外から不足の栄養素や成分を補うという従来の視点とは異なり、もともと身体に備わっている力に働きかける「Active Inner Resource」というコンセプトのもと開発が進められた。 井上社長は「改めて我々の抱えている健康課題に置き換えると、これまで身体の一部で起きていることに対して一時的・部分的に対処していくことに重きを置き過ぎていた。それは間違いではないが、現代の健康課題はもっと複雑で本質的。これからは身体全体で捉え、長い時間軸で日々の生活の中で対処していくことが大事」と語る。 開発には基礎研究から数えて13年、原材料の特定から数えて8年の年月を要した。 開発を決断するにあたり井上社長の背中を押したのが、ひとりの研究者が発した言葉「健康は遺伝子だけは決まらない」だった。 同じ遺伝子でも過ごす環境や食習慣によって健康は大きく異なるとの認識のもと、酸素の少ない標高2000m以上の山岳地帯でも優れた身体能力を発揮する民族に着目した。 世界中の高地民族が食している341種類もの高原食材を調査した結果、共通するものとして酸素を活かす植物由来の成分・ケンフェロールを発見した。 浅見慎一ニュートラシューティカルズ事業部プロジェクトリーダーは「酸素濃度の低い地域は動物だけではなく植物にとっても過酷な環境。その植物も環境に適応するために生み出しているのがケンフェロールだと考えている」と述べる。 製品化には、ケンフェロールの量の確保が立ちはだかった。国内の素材を探索して辿り着いたのが西洋わさびの葉だった。 「西洋わさびは、北海道では山わさびとして親しまれ、通常では根っこをすりおろして食べられることが多く、葉っぱも漬物にして食べられたりする。今回、葉っぱから多くのケンフェロールが抽出できることを発見した」という。 8年前の2018年からダイヤモンド十勝の協力を得て、北海道・帯広市の畑で原材料となる西洋わさびを栽培している。 ただ、植物中に含まれるケンフェロールには配糖体と呼ばれる糖が結合した形態で存在しており、この配糖体は人の体内では吸収されにくく、日本人では約40%の人しか吸収することができないとされる。 同社は長年の研究によって糖部分を除去しアグリコン型に変換する独自技術を編み出し、全ての人がケンフェロールを吸収できる製品を開発した。