君は「スターラックス航空」を知っているか。(インドネシア出張9回目)
普段のジャカルタ出張では、アシアナ航空かシンガポール航空を利することが多い。当然、今年一発目の出張もそのいずれかにするつもりだった。だが、Expediaでチケットを探していると、見慣れない名前が目に飛び込んできた。
「スターラックス航空」。
ジャカルタまでの所要時間は17時間37分。
19時過ぎに福岡空港を出発して、ジャカルタ着は翌11時だ。台北で10時間のトランジットを挟む。ホテルに泊まるには中途半端なスケジュールで、必然的に、桃園空港で夜を明かすことになるだろう。
……どう考えても、これは「ナシ」である。 リュックひとつで貧乏旅行をしていた学生時代ならいざ知らず、これは会社のお仕事、出張なのだ。
しかし、気が付くと僕はスターラックスのことが気になって仕方がなくなっていた。
調べてみると、LCCではなくANAやJALと同じフルサービスキャリア(FSC)だという。ちょうど先週発表された格付けサイトの「世界で最も安全な航空会社」のFSC部門では、なんと11位にランクイン(ANAは14位だ)。「台湾のエミレーツ」とも称され、それでいて価格はアシアナやSQより、だいぶ安い(偶然かもしれないが)。
誰も踏破したことのないバリエーションルートを開拓する登山家のような、妙な高揚感を覚えた。
一方で、僕の心はサラリーマンの倫理との間で揺れた。
「何より安全第一だ」
(いや、格付けはANAより上だぞ)
「遊びで行くんじゃないんだぞ」
(月曜から仕事なら、寄り道は自由だろ)
「疲れて仕事にならなかったらどうする」
(日曜午前には着く。十分休めるはずだ)
「なんとなく会社に後ろめたい」
(……まあ、それは分かる)
ええい!
・・・堂々巡りの末、気がつけば予約ボタンをポチっていた。
それは、クライマーズ・ハイと言っても良かった。
つづく


コメント