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アーチャーエミヤの憂鬱/Novel by つゆくさ あめ

アーチャーエミヤの憂鬱

3,204 character(s)6 mins

エミヤ(アーチャー)をいびり続ける藤丸立香のお話。
エミヤ×ぐだ子ですが、少しだけホムぐだも混じっているので、お気を付けて。

過去のアーチャーを知っている藤丸立香が、自分の心の中の感情に名前をつけないまま過ごす話。殴り書きなのですこしアレですが....すみません.....。
楽しんでくだされば幸いです。

いつも通りのご都合主義です。

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アーチャー、と一言呼ぶと、キッチンで食材を前に腕組みをしていた彼がふと振り返る。
「なんだね、マスター。」
相変わらずいい声しやがって....!!と心の中で叫びながら、私は1枚のカードを差し出す。
「はいこれ、今日の概念礼装。いつも通り周回に行くから、9時にシュミレータールーム集合ね!」
彼​ ─ アーチャー、つまりエミヤ ​─ は、その端正な顔を歪めて私に言った。
「マスター、いつも思うのだが、君はもしや私のことが嫌いなのかね?」

もう一つの結末。長髪の少女が、ロールケーキを手に立っている概念礼装だ。


突然だが、私は彼の全てを知っている。とはいっても、本当に全てを知っているわけではなくて、ええと、なんていうかなぁ....。
そう、元のマスター....遠坂凛。今はイシュタル、そしてエレシュキガルを依代にして現界している。
そして岸波白野。彼女が、彼にさきほど渡した概念礼装の少女だ。エミヤとは、月の裏側で共に戦ったという。

私と彼の仲はただの『サーヴァントとマスター』だ。甘い展開なんてない。
一緒に外車に乗ってハラハラドキドキのレースをしたことも無いし、シャワーを浴びたいと言われ1人妄想が突っ走って馬鹿じゃないのと連呼したことも無い。
そして、私は彼に特殊な気持ちは持っていない。と、信じている。

いつか、シャーロック・ホームズがマイルームでの会話の中で言っていた。
『これは私個人の意見ではあるがね、サーヴァントとマスターは特別な....そう、例えばお互いを想い合うなんて関係になってはならないと思うのだよ。例えば、サーヴァントがある時マスターに逆らえば?もしその時、君の左手にある令呪が一画もなければ?君はどうする?君はただの人間だ。言い方は悪いかもしれんがね。その時君は』
ここで一言切って、彼は傍らに置いていた注射器を手に、捲った自身の腕に添えて言った。
『今まで共に戦ったサーヴァントを、座に返すことが出来るのかね?』
私はしばらく黙ったままだったが、彼がご機嫌でヤクをしようとしていることに気づき、慌てて止めたのは言うまでもない。


どんちゃん騒ぎの食堂。
忙しなく動き回るエミヤとタマモキャット、マルタ姐さん。
酒盛りをしているサーヴァントもいる。
どうやら、暫く私がシュミレーションに連れていかなかったサーヴァント達が、痺れを切らせてドクターに詰め寄りシュミレーションを(無理やり)実行し、デカい猪やら竜やらを持って帰ったもんだから、テンションの上がったキッチン組が宴を催したらしい。

「くあぁ〜〜...」
私は欠伸を噛み殺しながら冷蔵庫を開けた。
「水....水....」
確か、ペットボトルの水をこのあたりに置いていたはずだ。
がさごそと冷蔵庫を漁っていると、マシュがやってきた。
「先輩、エレナさんやマルタさんが、ジャンヌリリィさんやジャックさんをお部屋に返した方が宜しいのではないかと仰っていますが....」
「お?もうそんな時間?」
ふと時計を見ると、確かにもう12時を回っている。道理で眠たいはずだ。
「ごめんね、気付かなくって....。マシュもリリィ達をお部屋に戻しがてら、戻っていいよ。」
「はい、先輩もお早めに上がられてくださいね。」
「うん、ありがとう。おやすみ」
「はい、おやすみなさい!」
今日もマシュが可愛い。
ニコニコしながら、比較的幼いサーヴァント達を抱き抱えて食堂から去っていく。
私はまだ食堂に残っているメンツを見る。
キッチン組は片付けのためか、酒盛りしている人達の中で話をしているようだ。
それから、ライダー金時や酒呑童子、青いランサーやヘクトール。作家組や新宿のアーチャーもいる。珍しく、ホームズも机の隅でニコニコとご機嫌に笑っている。

....?

「ホームズ!!!!!!!」
私はズカズカとホームズに詰め寄る。
「なんだね、ミス・立香。」
この呼び方。どう考えたって、彼はやっている。
私は彼の腕を掴んで服の裾をぐっとたくし上げる。腕に、注射器の跡が増えて....いない。

「え?」
「なんだね、立香。君はまた僕がキメているのだと思ったのかね?」
「えっ、じゃないとこんなご機嫌じゃない...と思ったんだけど....」
「僕だって酒で酔う事はあるのだよ。」
「あっ....そう....」
「それよりも。」
彼は酒盛りしている人達を指さして言った。
「彼女を止めた方がいいのではないかね?」
酒盛りしている人達の真ん中で、酒呑童子がエミヤにお酌をしていた。
自身の瓢箪から注いだ酒を。

あれ?酒呑童子の酒って、自身の欲望に素直になるってやつじゃ.....?

「エミヤ!」
遅かった。彼は注がれた酒を几帳面にも飲み干した後だった。
「マスター?」
こちらを見上げたエミヤの目は、うっとりとしている。
「あの....大丈夫?」
彼は私をじっ...と見つめた後、急に立ち上がった。
「え、エミヤ?」
反射的に1歩、2歩...と下がる。彼は私に合わせて1歩、2歩...と詰め寄ってくる。
と、彼は私を抱き抱えた。
「え、ちょ、ねぇ、アーチャー!!!!」
俗に言う俵担ぎの要領で抱えられているので、私に彼の表情はわからない。
ごゆっくり〜なんて叫ぶ連中の顔を見ながら、私は食堂から退散した。


「アーチャー!!!アーチャーってば!!!ねぇ!!!?」
ずかずかとマイルームに入り、ベッドの上にドサッと投げられる。
「ねぇ、アーチャーってば!!!アーチャー!!!?」
彼はとろーんとした目のまま、私に覆いかぶさり、私の頬に手を伸ばす。
令呪!と思い構えたものの、令呪はもう無い。なんてこったい!
「君は」
不意にアーチャーが口を開いた。
「君は、私のことが嫌いなのか?」
「へ?」
「ほかの連中は名前呼びなのに、私のことは一向にクラス名でしか呼ばない。渡してくる概念礼装は偶然とは思えないほどのチョイスだ。マイルームにも最近はめっきり呼んでくれない。探偵とイチャつくばかりか、マシュには、私のことをキッチンの番人とか言っているらしいじゃないか!」
怒涛の如く叫ばれて、私の頭はパニックだ。
「あの、ねぇ、アーチャー?」
「エミヤだ。」
「はい?」
「エミヤ。」
「へ?」
「エミヤと呼んでくれ。」
「え....エミヤ。」
「ああ。」
「エミヤ....?」
「もっとだ。」
「エミヤ....」
鼻と鼻がくっつきそうな距離で、とろんとした顔のエミヤを見ながら、私は彼の名前を呼び続ける。
「ねぇ、エミヤ、」
「少し、黙っていてくれ」
彼の顔がアップになったと思ったら、唇を柔らかいもので塞がれる。
と、スカートの中に彼の大きな手がするりと入ってくる。
えみや、えみや!と叫んでも、口が塞がれているので声にならない。
舌が入ってきて、もう思考がぐずぐずに溶けてしまいそうだ。
呼吸が苦しくなり、どんどんと彼の胸を叩く。
ぷは、と彼が唇を離す。銀色の糸が私の口から彼の口に繋がっていて、その光景にお腹のあたりがキュンとした。
「ねぇ、エミヤ、」
「立香....」
彼の大きな手が、私の頭をよしよしと優しく撫でる。
「エミヤ、その、」
「立香。俺は、君のことが、」

彼はの口がゆっくりと言葉を紡ごうと息を吸う。
と、その瞬間に傾く彼の体。私の視界の端に映る白い髪。
耳にかかるゆったりとした呼吸音。
もしかして、こいつ....
「え、エミヤあああぁああああ!?!?」

その後、彼の吐息や寝言に一々反応してしまい全く眠れなかった私は、ホームズに散々にからかわれる事になる。
無論、エミヤとの距離は更に遠くなり、嫌がらせのように凛さんのペンダントやもう一つの結末、コードキャストなどを渡し続けたのは言うまでもない。


続く....?

Comments

  • ミーシア
    March 7, 2018
  • 踊るチェシャ猫
    March 2, 2018
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