一方、インフレを鎮静化するためにFRBが早期に利下げに動くことは考えづらい。
資金繰りを確保するために米銀の融資態度は硬化すると予想される。
それに伴い、米国の個人消費を支えてきた労働市場の改善ペースは追加的に鈍化する。
米国の債務上限を巡る不透明感も個人消費を抑圧するだろう。
中国経済の高度成長が限界を迎えた中で米国の個人消費の減少が鮮明となれば、世界的に景気後退の懸念は追加的に高まらざるを得ない。
それは、外需依存度の高い韓国経済にとって大きな負の材料だ。
状況によっては、半導体市況がさらに悪化してサムスン電子などの業績悪化懸念が高まり、海外に流出する資金が一段と増える展開も想定される。
そうしたリスクに対応するために、尹政権はわが国との関係修復を急いでいる面はあるのだろう。
韓国半導体産業が、次世代ロジック半導体の生産体制を確立するため、わが国の超高純度の半導体部材や製造装置の輸入促進は欠かせない。
また、わが国との通貨スワップ協定は韓国経済がリーマンショックなどの厳しい状況を乗り切るために重要な役割を果たした。
今後も尹政権は経済の下方リスクを抑えるために、対日関係の改善に取り組むだろう。