1
white
horizontal
アーチャーが、その通りを歩く様になったのは極最近だ。
新しいクライアント先に、担当営業としてSEを伴い
打ち合わせの為、繰り返し訪問する為に。
車で行ってもいいのだが、同じエリア内に他にも回る場所があるので、
車は駅近の有料駐車場へ停め、クライアントからクライアントへ移動する時は歩きにしている。
その目的地へ行くには、十字路を曲がる。
真っ直ぐ進むと、どん詰まり。
曲がって突き当たりが目的のクライアント先だった。
元々の街の雰囲気も有るが竹林等もあり、
古い、何方かというと古過ぎて風情というより
怖いという印象を受けかねない寺社仏閣も有るエリアだ。
その日、もう少しで十字路に差し掛かろうという時、
前方から来た日傘を差した女性とすれ違った。
白いレースに、やはり薄青い薔薇の意匠をあしらった優雅なデザインだ。
下手にピンクの薔薇の刺繍よりも、爽やかで良いと思った。
見る人が見れば、それは海外のデッドストックのアンティークレース、(勿論手編み)と刺繍なのだが、アーチャーには、残念ながら高そうだな位にしか思えない。
女性は、ウェーブ掛かった長い髪を右肩の前に流し
シフォンのロングスカートがストンと似合っている。
それだけ細身なのだろう。
華奢な肩、細い柳腰。
男なら、守ってやりたいと思わせる雰囲気の有る女性だった。
くるりと日傘を回す様すら、稚さを大人の可愛らしさと思わせる。
日傘に隠れているのに、目が合った様な気がして
ちょっとイイな等と、下らない事を思いつつ会釈をすると、
日傘の君も、楚々とした仕草で会釈を返した。
Comments
- あいMarch 14, 2021