先日、Xで以下のようなポストを見かけた。
画像元はThreadsの投稿だと思われる。
元の投稿には2つの疑問点がある。
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1点目は、「古酒・熟成酒」vs.「吟醸酒」という対立構造だ。
古酒は、古いお酒のことを指す。一説では、前年度までに造られたお酒のことをいう。つまり、年度おわり(6月)に造られたお酒は、7月になればもう古酒と呼ぶのだ(そもそも年度はじめが7月という分かりにくさ😇)。
また、熟成酒は長い間貯蔵したお酒を指す。明確な定義はないが、1-3年以上を基準にすることが多い。
これらはいずれも、「時間軸」の話だ。
一方、「吟醸」とは「造り」の話である。
X上のポストにもあるように、吟醸の定義は曖昧だ。
国税庁のHPでは、「吟醸造りとは、吟味して醸造することをいい、伝統的に、よりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、かすの割合を高くして、特有な芳香(吟香)を有するように醸造することをいいます」と説明されている。
「吟香」というのはフルーティーな香りと読みかえてもそこまで問題はないので、吟醸とは「フルーティーな香りを出すための造り」のことだといえる。
長時間保管することと、フルーティーな香りをつくり出すかの話を対立して考えているのは、やはりおかしいことだろう。
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2点目は、「正統」の幅である。
元の投稿は、吟醸は歴史が浅いのでまだまだ「本物の日本酒ではない」と主張しているようだ。
しかし、フルーティーな香りを出すか否かが「本物の日本酒」の基準になるというのは、本筋からずれていると思う。
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私が考える日本酒の特徴は、
・米こうじを用いることで、デンプンやタンパク質を分解し、「アルコール発酵」「味のバランス調整」を実現する
・並行複発酵を用いることで、「高いアルコール分」を実現する
あたりである。
この点をブラしてしまうー例えば、原料を増やしたり、こうじ歩合を低くしすぎたりするー場合は「正統とは何か」を考える必要があるだろう。
「フルーティーな香り」は、以上の造りの点を踏襲した上で実現されるものなので、日本酒の根本を考えるテーマにはなりえないというのが、私の考えである。
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そもそも、「45年程度の期間しかない」と時間軸で「正統」を判断するのであれば、造りに「電気」を使っている時点で正統な日本酒ではないともいえよう。
スレッズ、ジゴク。
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