参政党の神谷宗幣代表は6日の参院本会議で、高市早苗首相の所信表明演説に対する代表質問に臨んだ。本会議での質問は初といい、外国人問題については「政府が明確な方針を定めないまま受け入れを拡大した結果、国民の不安と不満が広がっている」と述べ、受け入れ数を抑えることなどを訴えた。
神谷氏は冒頭、「党を代表して本会議場で質問に立つ初めての機会」と述べ、参政の理念を説明した。「国益を守り、世界に大調和を創る。国益とは、国民の暮らしと誇りを守ることであり、国民には今を生きるわれわれだけでなく、先人とこれから生まれる子供たちも含まれる」と語った。
今年の参院選での躍進につながった党のスローガン「日本人ファースト」については、「行き過ぎたグローバリズムに歯止めをかけ、反グローバリズムの政策を進めるという思いを込めた」と述べた。
「欧州では『移民で経済は良くなる』と言う人はほとんどいない」
神谷氏は外国人政策について、「来日する外国人には高度人材や技能実習生、観光客など多様な属性がある。政府が明確な方針を定めないまま受け入れを拡大した結果、国民の不安と不満が広がっている」と指摘。自民党と日本維新の会の連立政権合意に盛り込まれた国会議員定数削減に反発する立場から、「国民が削減すべきと感じているのは議員の定数ではなく、外国人の受け入れ数だ」と強調した。
さらに「外国人受け入れで最も大切なのは、経済合理性やポリコレ(=ポリティカル・コレクトネス、政治的正しさ)ではなく、国民の生活向上につながり、わが国の文化、慣習、治安が維持されることだ」と主張。「受け入れ数を適正に抑え、厳格なルールの下で社会に統合していける環境をつくる必要がある」と提案した。
欧州の事例にも言及した。「かつて欧州でも『移民で経済が回る』とされたが、大量受け入れによってGDP(国内総生産)は上昇したものの、社会保障や教育、治安維持の負担が増し、結果として国民の生活は向上しなかったというデータがある」と指摘。「その経験を踏まえ、欧州ではいまや『移民で経済は良くなる』と言う人はほとんどいなくなったそうだ」と述べ、警鐘を鳴らした。
政府は「移民政策は採らない」と説明してきたが、神谷氏は「実質的に無制限の受け入れが可能なのが現状だ」と批判。首相に「今後も拡大を続けるのか、それとも抑制的に運用するのか」と見解を求めた。
神谷氏は参政が提出した国旗損壊罪の新設を盛り込んだ刑法改正案への協力を呼びかけたほか、国家情報局の創設、スパイ防止法制定、皇室典範改正などを挙げ、「方向性は共通している。政府と協力し、建設的に議論を進めたい」と述べた。
一方、憲法改正を巡っては、緊急事態条項の創設を項目とすることに「反対だ」と明言した。パンデミックに際して「人為的に国民の権利を制限することが可能となる。国民の権利の制約は、最小限でなければならない」と理由を語った。
首相「人手不足の分野で」
首相は外国人受け入れに関し、「人口減少に伴う人手不足の状況において、外国人材を必要とする分野があることは事実だ」と答弁。「育成就労制度や特定技能制度は、人手不足の分野に関して外国人に適切に活躍してもらうための制度であり、受け入れ上限を設定するなどして適切に運用していく」と述べた。「今後の外国人受け入れの基本的な在り方に関する基礎的な調査、検討を進めていく」とも語った。
緊急事態条項に関しては、「緊急事態に際して国民の命と暮らしを守りぬくために重要な項目だ」と述べた。