おうちで中華 - 白切蹄髈(豚すね肉の冷菜)
お手軽な料理は日常を支えてくれるけれど、ゆっくり時間をかけて作る料理もたまにはいいものだ。横浜橋の肉屋を覗いたら骨付きの豚すね肉を売っていたので、白切蹄髈(豚すね肉の冷菜)を作ることにした。これは、大人気メニュー・白切鶏の豚すね肉版である。
「白切」とは、茹でた食材を切って供する料理のことだ。「白」には「何もせずに」といった意味合いがある。下味も付けずに茹でるだけなので、調理自体は至って簡単だが、時間はかかる。僕は、在宅勤務の合間に作った。
白切蹄髈
báiqiē típǎng
蹄髈(豚すね肉)を骨ごとコトコト茹でて、冷ましてから骨を外して切り分ける。お店だと骨を外したあと布や紐で巻いて縛ってロール型に成型し、ハムみたいに円形の薄切りにするんだけど、ま、家庭料理だし、このままでも味は変わらないので、そのまま切った。
驚くほど柔らかく茹で上がった肉はしっとりとしていて、すっきり透き通った脂は軽やかな旨味に化けている。むっちりした皮は味も食感も豊かにしてくれるし、コリコリの髄も最高だ。カタマリ肉の良さは、色々な部位を楽しめるところだ。
多彩な味わいを生唐辛子の辛味を効かせた黒酢醤油ダレが引き立てる。こういうタレに決まった作り方はないが、今回のは大正解だと思う。
こういう冷菜は、冷めるのを気にせず、ダラダラ食べられるところもいい。昼から紹興酒を傍らに置いて、むほむほと肉を喰らった。
そして、肉を茹でる系の料理は、スープという副産物が出来るのが嬉しい。白切鶏より更に旨味豊かなワイルドなスープになるので、決して捨ててはいけない。そのスープを使った料理も、近日中にご紹介しよう。
因みに、蹄髈は江南地方の呼び方で、北方では肘子とか肘花という。そして、前足と後ろ足でそれぞれ前蹄・后蹄、前肘・后肘と呼び分ける。さて、これはどっちだったのだろう。ちっちゃめだったから前蹄かな。
尚、蹄髈を蹄膀と書いてある例も多く、辞書にすら蹄膀の方が載っていることもあるが、正しくは「髈」だそうだ。髈(pǎng)と膀(bǎng)では発音も異なり、会話ではみんな蹄髈(típǎng)と発音しているから、僕は蹄髈が正しい説を信じる。
用料(材料)
・骨付き豚すね肉…1本(1000-1500g)
・白葱(葉の部分)…1本分
・生姜…小1個(40-50g)
・香菜(飾り。なくても可)…少量
黒酢タレ(作りやすい量):
醤油…大さじ1
黒酢…大さじ1
胡麻油…大さじ1
水…大さじ2
塩…適量(ひとつまみ~お好みで)
大蒜…1~2片
小葱…1本
生唐辛子…お好みで
做法(手順)
1)肉を下茹でする
・鍋にたっぷりの水(分量外)と肉を入れ、強火にかける。
・沸騰したら中火にしてアクを取る。アクがおさまるまで数分煮る。
・肉をざるに上げ、流水でアクや汚れを流す。
2)肉を茹でる
・煮込み鍋に排骨・生姜・かぶるくらいの水を入れる。
・蓋をして強火にかけ、沸騰したら極弱火にし、90分煮込む。
3)タレを作る
・生唐辛子と小葱は小口切りにし、大蒜はみじん切りにする。
・小皿に醤油・黒酢・胡麻油・水・塩を入れてよく混ぜ、生唐辛子・小葱・大蒜を加える。
4)仕上げる
・肉にすっと箸が通るほど柔らかくなったら、肉を取り出して冷水(分量外)に浸し、完全に冷めたら、水気を拭きとる。
・骨から肉を外し、薄切りにして皿に盛る。
・タレの小皿を添えて、香菜を散らす。
温馨提示(アドバイス)
抑えるべきポイントは、以下の通りだ。
・前広に作る
下茹でして、茹でて、冷ますので時間はかかる。余裕を持って作ろう。
・グラグラ茹でない
静かに茹でれば、しっとりと仕上がる。
・骨を外す時は、包丁と手で
骨に沿って包丁で切れ目を入れたあと、手で肉をはがすようにして骨を外す。むちゃむちゃ綺麗に取ろうと思わず、気軽にやろう。ただ、骨周りの髄はなるべくしっかり外したい。旨いので。
・茹で汁は絶対に捨てない!
茹で汁の表面に浮いた白い脂をすくい取り、再沸騰させ、アクと表面に浮いた油をすくい取って弱火で軽く煮詰めると、「豚ダシ」として使える。決して捨てないようにしよう。
大功告成(できあがり)!
こういう肉で酒を飲んでいると、中華っていいなと思う。
<2024年12月>
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