鷹のエースが帰ってきた。ソフトバンク千賀滉大投手(28)が、東京オリンピック(五輪)からのチーム復帰後初先発で6回無失点の好投。4月以来の今季2勝目を挙げ、チームを後半戦負けなしの3連勝に導いた。さらに、チームは4試合連続無失点、42イニング連続無失点のダブル球団新記録を達成。千賀の完全復活で、逆転Vへ一気に勢いづく。

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千賀が頼もしい姿を見せた。初回先頭、小深田への初球は158キロのストレート。初球打ちの打球は伸びず、中飛になった。3回までは無安打投球。4回2死三塁のピンチをしのぐと、拳を握ってほえた。

ヒヤリとする場面もあった。6回2死、浅村への3球目を投げたところで左足を滑らせてバランスを崩した。治療のためにベンチへ戻ったが「ちょっと滑っただけです。全然問題ない」。すぐにマウンドに戻り続投。浅村に四球の後、代打ディクソンを打ち取り6回無失点で役目を終えた。「久々にいい投球ができた。自分の中で気持ちを入れていけたかなと思います。チームに勝ちを持ってこられて良かった」。4月以来の今季2勝目に、安心したような笑顔を見せた。

4月6日日本ハム戦で左足をひねり負傷離脱。リハビリは想像を絶した。左足首の靱帯(じんたい)損傷と球団発表されたが、靱帯を3本も切る重傷だった。「何するにも片足って想像できないと思いますけど、立って服を着れないし、トイレも全部座って。立ち上がる時も片足で。移動はけんけんだったり松葉づえだったり。想像をはるかに超える大変さ。どのケガよりもしんどいレベル」。野球どころか、私生活もままならなかった。

ただ、千賀はくじけなかった。まだ歩けない状態で、座ったままボールを投げるなど、できることを模索しながらもがいた。そこから3カ月で1軍に復帰し、東京五輪にも出場。金メダルを引っさげ、ソフトバンクのエースとして帰ってきた。

エースの快投で、チームは4試合連続無失点と42イニング連続無失点のダブル球団新をマーク。後半戦無傷の3連勝に工藤監督も「すばらしい、すばらしいですね」と感心しきりだった。【山本大地】