静岡県の川勝平太知事(75)は3日、県庁で会見し、1日の県新人職員への訓示で職業差別と受け取れる発言をしたことを受け、6月に辞職する考えを正式に表明した。「不十分な言葉遣いで人を傷つけた」と謝罪したが、発言は撤回せず「不十分な表現が針小棒大のような形で批判に結び付いた面もある」と、恨み節のような言葉も口にした。

川勝氏は訓示で「県庁はシンクタンク。毎日野菜を売ったり、牛の世話をしたり、ものをつくったり、とかいうことと違って、基本的にみなさま方は頭脳、知性の高い方たち」などと発言。「第1次産業は、最も大事にしてきた産業。心を傷つけたとしたら誠に申し訳ない」とした上で「どうか自分の仕事に誇りと使命を持って続けてください。私も陰に陽に力になっていきたい」と、いまさらながらに口にした。

「(発言の)意図は違う。説明すれば分かるくらいのつもりだった。不適切と思っていなかった」と主張したが「一部を取れば差別発言ととられかねないところがあるのは、確かにそう」と認めざるを得ず「(当事者を)傷つけたことについては、私の心も傷ついている」とも口にした。

JR東海がリニア中央新幹線の2027年開業を断念したことも「大きな区切り」と強調。発言問題だけが辞職理由ではないとこだわった。辞意表明は急転直下。周囲にも相談しなかった。結果的に4期目途中での「投げ出し」となる。

度重なる問題発言で県政を混乱させ議会との対立も続いたが、歯に衣(きぬ)着せぬ発言には支持もあった。ただ今回ばかりは「辞めることが県民のためになる。(残り任期)1年、ヒートアップして選挙がらみの県議会になるのはよろしくない」と自ら口にした。後継指名はせず「政党を超えた形で、分断を解消していただける知事さんになってほしい」。混乱続きだった川勝県政は、後味の悪い終幕を迎えることになる。