テレビ朝日系アニメ「ドラえもん」のドラえもん役などで知られる、俳優・声優の大山のぶ代(おおやま・のぶよ)さん(本名・山下羨代=やました・のぶよ)が、9月29日午後4時23分、老衰のため都内の病院で死去した。90歳だった。

11日に所属事務所が公表した。13年に認知症を発症し、1人で介護していた夫の俳優砂川啓介さん(17年に80歳で死去)が15年に公表後は、老人介護施設に入所。近年は老衰による体調不良で入退院を繰り返していたという。親族のみで密葬を執り行った。

   ◇   ◇   ◇

子どもから大人まで、誰もが1度は聞いたことがある「ぼく、ドラえもん」。この日本アニメ史に、さん然と輝く名ぜりふをアドリブで生み出し、愛らしいハスキーボイスで日本の子どもたちに夢を与え続けた大山さんが静かに旅立った。

関係者によると、大山さんは砂川さんが自らのがん治療に専念しなければならなくなり、老人介護施設に入所した。当初は簡単な受け答えはでき、ピアノの先生が懐かしい楽曲を弾けば「思い出して大きな声で歌った」(同関係者)という。簡単な問いかけにうなずくなど、言っていることは理解しながら、晩年は会話が難しくなっていたという。熱が出たり、貧血などで入退院を繰り返した中、9月19日が最後の入院となった。

大山さんは、母の死をきっかけに都立三田高在学中に俳優を志し、俳優座養成所の6期生になった。56年に、同期の冨士真奈美とともに出演したNHKドラマ「この瞳」でデビュー。翌年に卒業後は、テレビドラマに出演した。