法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

高市早苗政権から虚偽で攻撃されて選挙で大敗した側を滑稽で哀れと思うとして、ならばその虚偽にどのように抵抗するかは社会の課題になるのでは?

「悪口」の有無が選挙を左右したという論評が流れていたことに対して、下記エントリのような疑問を書いた。
「リベラル」が悪口を言うから支持されないというなら、高市早苗政権でくりかえし虚偽をつかって野党を攻撃した国光文乃氏は当選できないのでは? - 法華狼の日記

 外務副大臣というそこそこ目立つ立場で、辞任したわけでもなく、国光氏の攻撃に他の自民党の政治家もしばしば同調していた。高市氏の責任も相応に問われる状況のはずだが、三ヶ月もたっていないのに忘れられてしまったのだろうか。

 ここでは国光文乃氏への批判を求めているわけではない。あくまで「悪口」が選挙を左右したという主張への疑問だった。
 国光氏の虚偽発言は忘れられても「リベラル」の「悪口」が忘れられなかったのであれば、選挙を左右したのは「悪口」の有無というより記憶や印象づけに原因があるという仮説がなりたつ。
 そもそも選挙の結果にはさまざまな要因がからむという一般論も最後に書いている。ひとつの原因が選挙を左右したという主張を疑うことは、その主張さえくつがえせば選挙結果が変えられると考えていることを意味しない。


 ここでエントリへのはてなブックマークを見ると、上記の内容を読めていないid:the_sun_also_rises氏の下記コメントが現時点で最上位に入っている。
[B! 選挙] 「リベラル」が悪口を言うから支持されないというなら、高市早苗政権でくりかえし虚偽をつかって野党を攻撃した国光文乃氏は当選できないのでは? - 法華狼の日記

the_sun_also_rises サヨクの限界が如実にわかる投稿。これだけ大敗しながら自分たちが正しいということを必死に繕おうとする姿は滑稽で哀れと思う。大事なのは国光というミクロな問題ではなく次の選挙の戦略というマクロな問題なのにね

 一読して、「サヨクの限界が如実にわかる」や「滑稽で哀れ」は「悪口」ではないのか、と思った。「悪口」だとすれば、それをおこなうことが支持を失うことに直結しない傍証になる。
 根本的に読み違えもしている。私こそが「悪口」というミクロな問題設定に疑問をぶつけた立場であって、その逆ではない。冒頭で引いたように、国光氏という一個人の話にもしていない。選挙の敗因とされるものについて検討しているのであって、どちらが正しいかを論じることは目的ではない。


 しかしthe_sun_also_rises氏が「リベラル」*1の正しさ自体は特に否定していないところも興味深い*2
 思えば最近、事実誤認を指摘されて最終的に全面的に誤りを認めたid:kotobuki_84氏が私を攻撃した時、the_sun_also_rises氏はどちらが正しいかではなく、反論の文章が長いことをもって攻撃された側が頭が悪いという主張をつづけていた*3
[B!] 根拠の薄弱な批判に根拠を出して反論するなら、反論の文字数が増えることは一般的に当然だろう - 法華狼の日記

the_sun_also_rises この投稿はタイトル42文字以上のことは本文で言っていないのだからブコメで反論できるよね。牛刀を持ち出すカッコ悪さってわからないのだろうけどね。だからこそ感性も要約力もという点で頭悪いって思うよ(笑)

 正当性への関心の薄さはthe_sun_also_rises氏だけではない。他の場所で見られた、「リベラル」が対抗勢力と違って悪口ばかりだから支持を失ったという主張は、このエントリのはてなブックマークではほとんど見られない*4
 やはり、具体性のない「悪口」と比べれば、虚偽にもとづく国光氏の攻撃は明らかに悪質で、それ自体を擁護することは難しいのだろう。
 そこから「リベラル」の支持されなさを論じるために「悪口」という表現が選ばれたのは、言説の正当性を無視するためではないかという仮説もなりたつ*5。「悪口」という表現は、批判的な言説の表層だけに注目して低評価するためのものであり、その言説内容の正当性とは独立している。


 言説の正当性への興味関心の薄さは、他に注目コメントに入っているid:jaguarsan氏やid:kalmalogy氏や、それにはてなスターをつけた人々が具体例となるだろう。

jaguarsan 感じ悪いから悪口止めなよ?って言われたら、「敵も悪口言ってんのになんで俺だけ注意するんだ!」と激怒する高齢者。もう手が付けられない

kalmalogy 法華狼は読む価値がないので読んでいないが、タイトルからして「相手もやってるからこっちが批判されるいわれはない」感バリバリ。どっち側とかじゃなく両方批判すれば良いんだよ。

 あえて虚偽にもとづく攻撃を例示したのに、同じ重みの悪口を提示されたかのような反応や、両方を同じように批判するべきであるかのような反応をされても、言説の正当性に興味がないという告白でしかない。
 そもそも、あくまで私は選挙結果の既存の分析について懐疑しているのであって、両方批判されていないという指摘をしている私に両方批判するべきなどという話をされても意味がない。kalmalogy氏はエントリタイトルだけ読んでもわかることを理解できていない。
 ちなみにkalmalogy氏は両方に問題がある時に両方を批判するどころか、一方的な被害者*6が記者会見した時に被害者を攻撃したような人物だった。
[B! Colabo] 【記者会見】裁判進捗について記者会見を行いました。 – 一般社団法人Colabo(コラボ)

kalmalogy ”女性支援を攻撃するとお金になる、そういう社会を変えるために”こういう嘘(そんな社会はない)を平気で混ぜる性根の腐り方が生理的に受け付けない。一方的な被害者面とお気持ちで味方と金を増やしたせいだろうが


 それにしても、the_sun_also_rises氏もjaguarsan氏もkalmalogy氏も、表層的な表現にかぎっても私より他人の「悪口」を書いているように思える。
 それでも、はてなスターで一定の支持を集めて注目コメントになっているわけだから、仮に「悪口」が嫌悪されるとしても、その感覚を生みだす別の条件が隠されていることがうかがえる。
 もっとも、そもそも物事の好悪と正否は同一ではないので、正しいが嫌われる「悪口」と、正しくないが好かれる「悪口」が、それぞれあること自体に不思議はない。不思議はないが、正否で判断すべき選挙が好悪で左右されるとなると、それは制度が機能不全を起こしているということ。

*1:私自身は左派を自認しつつ「リベラル」は自認していないので、そもそも選挙結果について書いたエントリでも一定の距離感をとっている。それゆえ「自分たち」とくくられても私の自認とは齟齬があるのだが。

*2:厳密には国光氏らの正しくなさを指摘しただけで、対抗勢力の正しさを主張したわけではないが。ただ、与党の正しくなさを指摘することは自動的に野党を支持する充分な理由になるのが、現代日本の選挙制度の原則ではある。

*3:エントリタイトルに主張を要約できていると考えているのに、要約力について頭が悪いという話をされても意味がわからないが。ここは個人ブログなので、タイトルは自分自身で考えている。

*4:国光氏が自民党のなかでは珍しく接戦だったことから悪口が支持されない根拠になる、と解釈する注目コメントはある。しかしそれは国光氏が「悪口」をいったこと自体は認めているわけだし、「リベラル」と違って自民党は党内に同調者がいる外務副大臣の「悪口」が個人のものと矮小化されることが組みこまれている。

*5:選挙で言説の正当性が無視されていることを反映するために選んだのか、それとも言説の正当性を無視させようとするために選んだのか、他の理由があるのかはここでは論じないが。

*6:名誉棄損としても多額の賠償金が認められた。このエントリは地裁判決に言及したものだが、あらためて高裁でも勝訴している。 支援団体Colaboの主張がほとんど正しいと名誉棄損裁判で認められ、それなりに高額な賠償金も認められたとのこと - 法華狼の日記