【閲覧・CP注意】ここだけ読心可能なキラアスpart8

  • 1126/01/23(金) 21:44:26
  • 2126/01/23(金) 21:48:21

    【あらすじ】
    初めて会った瞬間から共鳴空間入りした二人。無垢な触れあいを続ける内に性行為と知らず関係を持つように。
    その後のアスラン引っ越しにより離れることになるが、距離制限なく会話可能な二人の交流は続く。
    戦場で巡り会ったキラとアスランは、双方の意思に反して敵対することになってしまう。
    AAにて保護したお姉ちゃんことラクス・クラインの登場により、キラは“アスランと結婚したい”と思うように。
    そしてアスランと平和に幸せに暮らすため、戦争を終わらせる決意をしたキラ。アスランもキラを安全な所で守りたい気持ちに折り合いをつけ、二人は共に宇宙へ。
    厄介推し活に勤しむクルーゼに翻弄されつつ、二人は無事にヤキン・ドゥーエ戦にて終戦へ導き、オーブへと移住。そしてついに待ち望んだ結婚式を挙げ、夫夫となった。
    二人だけの島暮らしで幸せにいちゃいちゃと過ごしていたが、里帰りの筈だったプラントへの帰省の際、MS強奪事件に巻き込まれる。
    ユニウスセブン落下、ブレイク・ザ・ワールドを経て、二人の幸せな生活に翳りが見え始めて…


    ウズミ・シーゲル・パトリックの父親ズとクルーゼ、ニコル、トール、フレイ、アイシャが生存している。

  • 3126/01/23(金) 21:50:05

    【過去スレ】

    part1

    【閲覧・CP注意】ここだけキラアスが|あにまん掲示板dice1d4=@2 (2)@1.とても仲が悪いけど何故かずっと一緒にいる2.オルフェ・ラクスレベルで遺伝子の相性がいい3.互いのことが大大大大大好きな4.重度のヤンデレな世界※タイトル通りCPはキラ…bbs.animanch.com

    part2

    【閲覧・CP注意】ここだけ読心可能なキラアスpart2|あにまん掲示板キラとアスランがオルフェ・ラクスレベルで遺伝子の相性が良く、心で会話が出来る世界線です。CPはキラアス前スレhttps://bbs.animanch.com/board/5029422/bbs.animanch.com

    part3

    【閲覧・CP注意】ここだけ読心可能なキラアスpart3|あにまん掲示板キラとアスランがオルフェ・ラクスレベルで遺伝子の相性が良い世界線です。CPはキラアス前々スレhttps://bbs.animanch.com/board/5029422/前スレhttps://bbs.…bbs.animanch.com

    part4

    【閲覧・CP注意】ここだけ読心可能なキラアスpart4|あにまん掲示板キラとアスランがオルフェ・ラクスレベルで遺伝子の相性がいい世界線です。CPはキラアス前スレhttps://bbs.animanch.com/board/5259729/bbs.animanch.com

    part5

    【閲覧・CP注意】ここだけ読心可能なキラアスpart5|あにまん掲示板キラとアスランがオルフェ・ラクスレベルで遺伝子の相性がいい世界線です。CPはキラアス前スレhttps://bbs.animanch.com/board/5404585/bbs.animanch.com

    part6

    【閲覧・CP注意】ここだけ読心可能なキラアスpart6|あにまん掲示板キラとアスランがオルフェ・ラクスレベルで遺伝子の相性がいい世界線です。CPはキラアス前スレhttps://bbs.animanch.com/board/5579407/bbs.animanch.com

    part7

    【閲覧・CP注意】ここだけ読心可能なキラアスpart7|あにまん掲示板キラとアスランがオルフェ・ラクスレベルで遺伝子の相性がいい世界線です。CPはキラアス前スレhttps://bbs.animanch.com/board/5738500/bbs.animanch.com
  • 4126/01/23(金) 21:51:53

    【キラ・ヤマト】

    引っ越しによりアスランへの執着心が上がって以降、その感情が止まることを知らない独占欲(と依存心)も最高なスーパーコーディネイター。この上なく愛するアスランと結婚したい!と頑張り続けて、ついにめでたく入籍した。

    連合が嫌い。本編と違い、よく食べよく眠りよく動くのでとても健やか。



    【アスラン・ザラ】

    キラがとても大好き。BIGLOVE。夫夫になっても常にどうにかしてキラの気を引きたがっており、その為なら割と手段を選ばない。色々と開き直って自分を嫁と呼称する事に抵抗がなくなった模様。

    キラを守りたい気持ちが強い。キラが重量なら此方は湿度(でもどっこいどっこい)

    Destiny編ではかなり苦労しそう。

  • 5126/01/23(金) 22:00:40

    【ラクス・クライン】

    アスランのお姉さんポジション。アスランのことを弟としてとても可愛がっている。

    キラ達と共にオーブへ移住してきた。マルキオ導師の孤児院で暮らしつつ二人を見守り、頼れるお姉ちゃんとして頑張っている。



    【カガリ・ユラ・アスハ】

    将来はウズミの後を継ぐ為に政治を猛勉強中。キラとアスランのことを面倒みてやらなきゃ…と思っている。双子問題については自分の方が姉だと譲らない。

    ユウナに婚約者面されてとても迷惑している。

  • 6126/01/23(金) 22:02:25

    【シン・アスカ】

    家族全員生存しているので本編より穏やかだが、マユに後遺症が残ってしまった為にオーブへの悪感情を捨て切れていない。キラとアスランに半ば強引に夕食に招かれ、かなりの量の肉を食べさせられた。



    【イザーク・ジュール】

    アスランは負けたくないライバル兼友人…なのだがつい世話を焼いてしまう苦労人。これからはキラに前とは別の意味で振り回される予感がしている。

    今はジュール隊の隊長を務めている。

  • 7126/01/23(金) 22:03:29

    【ニコル・アマルフィ】

    アスランを慕う優しい気質の少年。キラアスの良き理解者で、何時も応援してくれている。

    イザーク、ディアッカと共にザフトで頑張っている。二年間で背が伸びたらしい。



    【ディアッカ・エルスマン】

    最年長だからかお兄ちゃん的な雰囲気がちょっとある。

    ジュール隊の中でも変わらずムードメーカーを努めてくれてる。イザークの良き副官となっている。

  • 8126/01/23(金) 22:05:32

    【ラウ・ル・クルーゼ】

    キラアス腕組み後方理解者仮面お兄さん。気ぶり度は結婚式と共にMAXになった。推し二人の愛を試す(そして気ぶる)ために裏で暗躍していた。キラアスを吸うと健康になる。

    戦後、軍を抜けてからの消息は誰も知らない。友人であるデュランダルにも悟られないよう行動している。


    【ネオ・ロアノーク】

    仮面を付けて現れた謎()のお兄さん。キラが気配を感じて一瞬ん?となった。

    記憶復活後は、恐らく渡し損ねたご祝儀を利子付きで強請られる。

  • 9126/01/23(金) 22:07:31

    8スレ目になります。Destinyに入ったのでスレ画と一部の登場人物の画も変えてみました。
    いつも保守やレス、♡やイラストなどありがとうございます。先行きがどうなるか成り行き任せですが、Destiny編もよろしくお願いします。

  • 10二次元好きの匿名さん26/01/23(金) 22:10:10

    Destiny・・・議長が本家みたいなことしたら激重湿度高め夫婦にぼこぼこにされそう
    仮面お兄さんの生きがいでもあるからあの人も怒りにきそうだしね

  • 11126/01/23(金) 23:00:45

    前スレも埋め終わりました
    今後の展開がどうなるかは、暗殺部隊が来る時のダイス結果次第です。あくまで予定ですが。
    デスティニープランとこのスレのキラアスの設定はわりと絡めやすい感じです

  • 12二次元好きの匿名さん26/01/23(金) 23:16:10

    ‘‘利子付きで強請られる‘‘

  • 13二次元好きの匿名さん26/01/24(土) 07:26:50

    高そうな利子やなあ…

    前スレも埋め乙!
    シャワーシーンも入浴シーンもいいよなあ…
    (風呂場のタイルになりたかった…)

  • 14二次元好きの匿名さん26/01/24(土) 16:32:58

    本来なら種で死んでた頼れるキャラ達が勢揃いしてる運命ってだけで色々ワクワクしてしまう
    物理的に分断しても精神的には絶対繋がっているキラアスだから安心して見れるな〜楽しみです!

  • 15126/01/24(土) 23:07:44

    これはバーベキューの時に入れようとしたけど上手く流れが纏まらず削った部分です。キラがずっとシン君呼びしてますが将来的には変わると思います。


    「シン君って普段何してるの?」

    「任務がない時は読書とか…」

    「へえ、どんな本読むの」

    「最近読んだのだと、白仮面先生の“人の業シリーズ”ですね。近未来SFもので全人類が滅んだ後、ヒューマノイドという人によって生み出された生命体が新人類として生活してるんですが、実は主人公はかつての人を目指して作られた唯一の人間なんです」

    「……へえ」

    「本物の研究者が書いてるんじゃないかってくらい、実験内容とかが生々しくて」

    「…………」

    「何より主人公と幼馴染の深い愛情描写に掛ける熱意が凄くて……あの作家さん、たまに出版社に原稿を郵送するだけで何者なのか編集者すら殆ど知らないとか…」

    「頭痛くなってきた」

    どうせのその主人公は君はヒューマノイドの夢だとか言われてるに違いない。読んでもないのに何故かそう察したキラだった。


    ※この後アスランにお肉あーんして貰ってメンタル回復した



    おまけで、キラアスシン達が好きな肉の部位は?(左から名前順になります)

    dice3d6=4 5 1 (10)

    1.カルビ

    2.ハラミ

    3.ロース

    4.ヒレ

    5.タン

    6.ホルモン(ハツなど含む内臓系)


    続きは三人での話し合い後、知らぬ間に外泊許可まで取られていたシンが吃驚するところからになります(キラ→カガリ→ミネルバの流れで連絡がしてある)

  • 16二次元好きの匿名さん26/01/24(土) 23:35:12

    好きな肉の部位のダイス結果が、それっぽいな~って感じですごいw

  • 17二次元好きの匿名さん26/01/24(土) 23:42:09

    白仮面先生www

    正体不明の謎作家ならサイン会は無理か…

  • 18二次元好きの匿名さん26/01/25(日) 07:21:00

    シンのカルビが解釈一致すぎる

    皿が空になるたびにお肉盛られるんだろうな…

  • 19二次元好きの匿名さん26/01/25(日) 16:24:33

    クルーゼエエエエエ!!!
    作家デビューしてやがるだとwwwちょっとほしいwww

    デザートに杏仁豆腐でも食べてゆっくり寝るんだぞシンちゃん
    いや焼肉あとのデザートだしアイス?うーん

  • 20二次元好きの匿名さん26/01/25(日) 18:50:03

    あのレスバ力で書く小説は普通に読みたい

  • 21126/01/25(日) 22:55:34

    「お兄ちゃん、次は僕も!」
    「私が先だよー!」
    「はいはい、順番な」
    子供達を肩車して、シンは順番待ちをしている他の子達に笑いかけた。妹を持つシンは子供の扱いが上手く、短時間ですっかり懐かれたようだ。
    「悪いわね、助かるわ」
    「あ、いえ……俺も楽しいんで」
    カリダに礼を言われ、シンは少し照れた。キラの母だというこの女性は確かに母親という雰囲気が強い。シンは自然と自分の家族の事を思い出し、こうなってから連絡も取れていないから心配しているだろうと思った。
    「ほら、貴方達はもう寝る時間よ」
    「えーやだもっと遊ぶ!」
    「それは明日ね。ちゃんと寝ないと明日遊べなくなるわよ」
    カリダに優しく諭され、子供達はシンの服をぎゅっと掴んだ。
    「お兄ちゃん明日もいる?」
    「うん。明日の朝また遊ぼうな」
    頭を撫でてやると漸く子供達は渋々、カリダに連れられて寝室へと移動していった。そう、シンは夕飯だけご馳走になって帰るのだと思っていたら、先程キラに“外泊許可ちゃんと取れたからね”と告げられ、風呂へと押し込まれた。仮にも軍人、しかも赤服でパイロットのシンの許可を何故第三者が取れるのかと疑問に思えば、オーブ行政府、ようはアスハ家から直々にミネルバへ話を通したという。
    (護衛として着いてきたのもアレだけど、キラさんって本当に何者なんだ?)
    一見して軍人なようには見えないが、オーブ軍に所属しているという。情報部とかの方かと思えば凄腕のパイロットであるし、とにかく謎めいている。手を振って子供達を見送っていると、キッチンの方からラクスが顔を出す。
    「お疲れ様ですわ。お茶を入れましたので、良ければお座りになられませんか?」
    「あ、はい…どうも」
    特にシンを困惑させたのはラクスの存在で、こんな風にお茶を淹れてもらうなんて良いんだろうかと恐縮してしまう。メイリンがラクスのファンで、たまに話を聴いていた身としては、ファンに死ぬほど羨ましがられそうな事をしている気がするのだった。

  • 22126/01/25(日) 22:57:43

    気付けば、リビングには自分達以外に誰も居なかった。
    「あの、アスランさん達は?」
    「キラとアスランでしたら今はお風呂ですわ。他の方達もお部屋へ戻られたようですわね」
    「そうですか…」
    ラクスが優雅な手つきで紅茶をサーブする。仕草一つ取っても、やはり気品がある。アスランはこの女性を大切にしているようだったが、こうも簡単に会ったばかりの人間と二人きりにするのは良いのだろうか。
    「シンさんとお呼びして宜しいでしょうか」
    「は、はい、どうぞ」
    「では、シンさん。貴方はアスランに気に入られているようですわね」
    「……それ、さっきキラさんにも言われましたが、そうなんですか?」
    「ええ。夕食の際も、ちらちら貴方のことを気にしているようでしたから」
    たくさんお肉も盛られたでしょう?と言われ、確かにアスランからやたら肉をよそわれたことを思い出す。
    「ところで、お野菜の方もお食べになられましたか」
    「はい、その、美味しかったです。俺、結構好き嫌い多いんですけど…」
    それでもさっきの野菜はシンでも食べられた。まあ、自分から取ったのではなくどんどんと皿に放り込まれたので仕方なく食べたのだが。甘くて瑞々しくて、野菜を食べた時の青臭さとか苦味は感じなかったのだ。
    「あれはアスランが育てた野菜なのですよ。不思議なことに、あの島で育てた野菜は他のものより小ぶりで味が濃くて、特別なのです。妖精から貰った種だから、なんて言ってましたわ」
    「……妖精…?」
    あの真面目そうなアスランの顔で妖精を語るのか。シンはちょっと微妙な気分になった。そもそも、英雄としてアカデミーの頃から散々と武勇伝を聞いていた人物が今はのんびり畑仕事しているというのも、淡い憧れが砕かれるような、とにかく複雑な気持ちなのだ。
    「殆どは波に攫われてしまったようですが、此方へ来る時に無事なものを持ってきてくれたのです」
    「……あ…」
    そこで、シンは慰霊碑で聞いた話を思い出す。畑が駄目になってしまって、一からやり直すのだと。

  • 23126/01/25(日) 23:00:26

    「こんなことになって、私達には見せませんがきっとかなりショックでしょう。シンさんも、これからがお忙しくなるかもしれません」
    地球側の動きはかなりプラントに対して攻撃的だ。パトリックの噂も、二年前の怒りを掘り起こし、燃え広がせる格好の油となっている。
    戦争の二文字は、シンにも、そしてラクスにも身に迫って感じていた。
    「かつて自分も守る為にと戦場に出て、それだけでは平和にならないのだと知ってしまったアスランとしては、後輩にあたる貴方を心配するのも当然のことなのかもしれません」
    「……どうしてそこまで。そりゃ、あの時ちょっと助けたりは、したけど…」
    「アスランは情が深い方ですから。それと、シンさんのご家族のこともあるのでしょう。アスランもあの戦争でお母様を亡くしてますから、ご家族を傷付けられた貴方の気持ちも理解出来るのでしょうね」
    「……」
    「ちょっとお節介かもしれませんが、どうか許してあげてくださいね。分かりづらいかも知れませんが、彼はとても良い子ですから」
    まるで弟のフォローをする姉のような台詞。二人が婚約者でも恋人でもなく家族なのだ、というのはこうして見ているとよく分かった。プラントでは二人は駆け落ちしたのだとかいう噂まであったが、世間の状況もあったとはいえ、実際にアスランがなにもかもを全て捨ててでも選んだのはキラなのだという、知らなかった伝説の裏側に今日だけで幾つ触れたことだろう。
    「そろそろ二人も上がってきますわね。子供達のおやつに出したキャロットゼリーがありますがお食べになりますか?」
    「え、いいんですか?」
    「キラがお風呂上がりに食べると言うのでと幾つか多目に取ってあったものですから、お気になさらず。実のところキラは人参嫌いなのですが、アスランの作った人参だけは例外ですのよ」
    それは嫁への愛が成せることなのか、単にその人参が特別美味しいだけなのか。どちらにせよシンは人参が嫌いではなかったので、有り難く頂くことにした。

    「あー!僕のゼリー!」
    「ちゃんとキラの分はありますわ」
    「その、なんか……すみません」
    「気にするな。そもそもキラはおやつのときもちゃんと食べてるからな」

  • 24二次元好きの匿名さん26/01/26(月) 07:18:02

    お兄ちゃんやってるシンええな…

    あとシンしてんだとガチでキラがハイスペックな謎の人物すぎて笑う

  • 25二次元好きの匿名さん26/01/26(月) 17:06:22

    通りすがりに保守

  • 26126/01/26(月) 23:02:35

    >>15


    キラ→ヒレ。柔らかくて脂っこくないし、トンカツもヒレが良い派。もしかして脂身が嫌いとかあるかもしれない。

    アスラン→タン。ザクザクした食感と独特なあの味が好き。あと塩レモンでさっぱり食べられる。

    シン→カルビ。解釈一致。焼き肉といえばカルビだろ!って感じかもしれない。


    ……と結果から好みを予想してみましたが、とても納得いくダイス結果でした。

    白仮面先生は、とある目的でお金が必要なのもあって趣味と実益を兼ねた小説家業を行っているようです。新手の推しCP健康法です。


    ここから起承転結の承の部分に差し掛かってちょっとシリアス味が出てきますが、キラアスの物語へのスパイスみたいなものですので…(キラさんのメンタル強いのでそこは安心感あります)

  • 27126/01/26(月) 23:04:58

    結局、シンがミネルバに帰ってきたのは昼前だった。朝ごはんも貰い、子供達と遊んで、キラ達に見送られて漸く戻ってきたのだ。
    戻ってくるなり、ヴィーノやルナマリア、レイに出迎えられる。
    「やっと戻ってきたな!」
    「ちょっと詳しく話聞かせて欲しいわ」
    「うわっ、なんだよいきなり!?」
    ずいっと前のめりに詰め寄られ、シンは思わず一歩下がった。
    「だって、中々戻ってこないなと思ったら急に外泊になるって言うし」
    「しかもアスラン・ザラとお泊まりだって言うじゃない!」
    「語弊!!かなり語弊がある!!」
    シンの脳裏にキラの顔がフラッシュバックする。こんな変な話が広まったらどうなるかなど想像したくもない。これは本能的直感だ。ブンブンと音が鳴るほど勢いよく首を左右に振った。
    「正確には、キラさんとアスランさんが今住んでるっていう孤児院に泊めて貰ったんだよ!」
    「え?あの二人孤児院に住んでるの?」
    「いや、自分達の家が壊れて、それで一時的にらしいけど…あの孤児院自体も仮住まいらしいし…」
    「ふぅん。でも、なんで其処に泊まるなんて話になったのよ」
    「…偶々会って、流れで…?」
    どうしてそうなったかなどシンにもよく分からない。気付けばバーベキューをし、風呂に入り、泊まっていたのだから。しかし悪い時間ではなかった。子供達と遊ぶのは楽しかったし、あの夫夫との会話も嫌ではなかった。
    「何か言われたか、彼等に」
    「別に何も…」
    レイに問われるが、特別何か言われたわけではない。強いていなら、ラクスに“アスランが心配している”と伝えられたくらいだ。その件もあって、“諦めなければ一度駄目になってもなんとかなる”というあの会話の下りは、深く心に残ってはいるが。
    「そうか。ならいい」
    「なんかあったのか?」
    「いいや。ただ、良くも悪くも影響力があるからな…英雄というものは」
    「ああ、それはなんとなく分かるかも」
    キラもアスランもそれぞれ別のベクトルで人の心を惹き付けそうな節はある。特にキラの雰囲気は、気付けば警戒心を解いてしまうような感覚があった、
    「……まあ、無事に帰ってきたならいい」
    シンの様子を見て、レイは静かに呟いた。

  • 28126/01/26(月) 23:08:09

    しかし、平穏はそこまでだった。
    大西洋連邦、ユーラシアを始めとする連合国は、到底飲み込めないような要求をプラントに突き付け、それが受け入れられない場合はプラントを地球人類に対する悪質な敵勢国家と判断し、武力での排除も辞さないと声明を発した。
    二度目の、戦争の幕が上がってしまったのだ。

    「キラ、拗ねるなよ」
    「だってアスランずっとシン君のことばっかり気にしてるんだもん」
    「それはこんな状況で、父の事で彼等にも迷惑が掛かるかもしれないからだ……分かってるから、キラもシンを泊めさせたんだろう」
    「だってその方がアスランの気持ちも楽になりそうだったし」
    ぎゅうぎゅう抱き着いてくるキラを受け止め、アスランは大切にされてるなと擽ったく思いながらその頭を撫でた。ふと、カーテンの隙間から見える空が厭に明るく思えて、しゃっと音を立てて開く。
    「……キラ!」
    思わずアスランは声を上げた。夜の空を灯す幾つもの炎の色。
    二年前に見た、核の光が其処には広がっていた。

    同時刻、空を眺めるウナトとユウナ。
    「いよいよ始まってしまったな」
    「ええ。……近々、やっと“彼”にも役目がありそうです」
    以前頼んだ“パイプ役”として。そして、大西洋連邦の要求の一つである“ユニウスセブン落下のテログループ、及びその一派の逮捕と引き渡し”を遂行するとびきりの役目が。

  • 29二次元好きの匿名さん26/01/27(火) 00:42:30

    アスラン売り渡すのかこいつら
    ちょっとムラサメであいつらしばきに行ってくるわ

  • 30二次元好きの匿名さん26/01/27(火) 09:21:16

    ユニウスセブン落下で大ダメージなところに再びクリティカルヒットなダメージきたな…


    セイラン悪いこと言わんからそれはやめなされ
    確かに絶好の“パイプ役”かもしれんがやめなされ

  • 31二次元好きの匿名さん26/01/27(火) 17:08:49

    >>29

    ちょっとアストレイ借りてきてお供するぜ

    いっそミンチにしよう

  • 32126/01/27(火) 23:50:09

    そもそも、大西洋連邦は一度は“ユニウスセブン落下のテロリストは全員死亡している”という報告を了承している筈なのだ。しかし、それを蒸し返し、賠償金や政権の解体など複数の無理難題を押し付けて開戦した。しかも初手から核を使用して。
    「こんなふざけたことがあるか!」
    カガリは憤りを顕にする。隣を歩くアスランは、その肩を叩いて宥めた。
    「確かに、こんなのはもう戦争ですらない。だが、地球への被害の大きさからして、こうなるのは目に見えていたのかもしれない」
    「アスラン……おまえ、あんまり溜め込むなよ」
    「分かっている。大丈夫だ」
    「悪いな、お前たちも大変なのに、着いてきて貰って」
    「構わないさ。俺も、ミネルバが発つ前に一度来たかった」
    「てっきり二人で来ると思っていたんだが…キラは?」
    「昨日からあの別荘の地下で“作業”している」
    「……やはりプラントへ行くのか」
    「そう決まった訳じゃないんだ。ただ、何にせよすぐ動けるようにしておいたほうがいいって聞かなくてな」
    「そうだろうな……情けないが、私もその方が良いと思う。勿論、オーブは中立を守る。だが、連邦と同盟をという声が高まっているのも事実だ。……だからこそ、変な横やりがある前にミネルバを出発させるんだ」
    いま、カガリとアスランが歩いているのは軍港。ウズミの判断により、タイミングを見て何時でも発進出来るようにとミネルバの艦長であるタリアへ伝えに行った帰り道だ。

    「今回のこと、誠に申し訳なく思う」
    「いいえ、仕方ありませんわ。この情勢の中で、ここまでして頂いて感謝しています」
    「本来なら父が来るべきなのだが、どうしても行政府を抜けられなかった。娘の私で許してほしい」
    「オーブも大変な時ですものね。こうして来て頂いたご誠意は忘れませんわ」

  • 33126/01/27(火) 23:52:30

    幸いにして、タリアは聡明な艦長だった。お陰で無事に話し合いが出来た。
    「しかし、ミネルバはこれからが大変だ。オーブを出たらカーペンタリアへ行くのだろうが、そこは今包囲されている」
    「地球軍も核攻撃を躱されて、これからどうすべきか考えているようだしな」
    先行きが見えないと、二人で話をしながら歩く。送迎の車まで来ると、アスランは素早くその中へカガリを押し込んだ。
    「うわっなんだよ!」
    「悪い。だが門限までに帰らないとキラが怖いんだ」
    「ならこのまま送って…」
    「いや、カガリは忙しいだろう。このまま戻ってくれ……すみません、急ぎでカガリをアスハ邸までお願いします」
    運転手に声を掛け、アスランは扉を閉める。おいアスラン!と叫ぶカガリを乗せた車が走っていくのを見送り、アスランは後方をちらりと確認し……その場から駆け出した。
    (ミネルバの辺りからずっと監視されている……カガリが目的でないとすると、狙いは俺だな)
    角を曲がり、時に屋根の上を走り、壁を伝って縦横無尽に動き追跡を逃れる。かなり最初の方で追手は着いて来れなくなったらしいが念には念を入れて身を隠す。
    (問題はあの別荘への帰り方だな)
    タクシーを拾う訳にもいかない。仕方ない、とアスランはキラに話し掛けた。
    (キラ、迎えを頼みたいんだが)
    (勿論良いけど、どうしたの?アスランが自分からそんなことを言うなんて…)
    (……ちょっと面倒なことになってな。見張られているらしい)
    (…………いまどこ?)
    (ひとまず、街中の人混みに紛れている)
    (海の近くへ行ける?まさか海路で帰るとは思わないだろうから)
    (分かった。……一応言っておくが、フリーダムは出すなよ。海の中でも絶対バレる)
    (……ちゃんとクルーザーで行くよ。バルトフェルドさんと行く。マリューさんは家で待機してて貰う。すぐ行くから絶対無茶はしないで)
    キラの声は鋭く冷たい。相当怒っている。もしここで悪いとかすまないなんて言えば、なんでアスランが謝るのかと更に機嫌を損ねるだろう。
    嫌な予感がする。自分への監視が、単にザラを名を持つ人間への警戒だけならばまだいい。だがそれだけではない気がして、アスランは口の中が渇くのを感じた。その不安に揺れる心を感じて、キラはきつく拳を握り締めた。

  • 34二次元好きの匿名さん26/01/28(水) 07:12:05

    アスランの身体能力が遺憾無く発揮されてますねえ
    大抵の人はついて来れないよ…

    改めて距離制限なしの以心伝心ってすごいなあ…と思う

  • 35二次元好きの匿名さん26/01/28(水) 16:24:09

    ウズミパパがいるからセイランが牛耳るには至ってないけど、その分オーブ国内での対立みたいなのが悪化しそう…

  • 36126/01/28(水) 23:54:17

    オーブの行政府は荒れていた。
    再び国が焼かれないように大西洋連邦と同盟を結ぶべきだというセイランの主張と、オーブは中立を保たねばならないというウズミの主張がぶつかっていたのだ。
    しかし、事態は急速に変わることとなる。
    「なに!?それはどんな冗談だ!?」
    思わず、カガリはテーブルをばんと叩いて立ち上がる。睨みつけられたユウナはしかし気にした様子もない。
    「冗談ではないよ、カガリ。大西洋連邦に“アスラン・ザラ”を引き渡すんだ」
    「ふざけるな!何故そこでアスランが出てくる!?」
    「同盟を結びたくないなどとごねていれば、大西洋連邦からオーブが敵視されてしまう。だがウズミ様も君も同盟は結ばないと引かない。ならせめて誠意ってものを示しておかないと、本当にオーブはまた焼かれてしまうじゃないか」
    「だから何故アスランを引き渡すことが誠意になるというんだ!」
    「ユニウスセブン落下は首謀者死亡となっているが、本当はパトリック・ザラの仕業だと大西洋連邦は思っている。ならその息子にも嫌疑が掛かるだろう?そうでなくとも、事情聴取くらいはしたい筈だ」
    「何が思っている、だ!そういうことにしたいだけだろう大西洋連邦は!アスランは破砕作業に出て地球を救ったんだぞ!?」
    「僕に怒らないでくれ。あくまで大西洋連邦の考えを述べただけなんだから」
    「カガリ、ひとまず落ち着きなさい」
    今にも怒りが沸点を超えそうなカガリをウズミは制す。しかし、ウズミもまた鋭い眼光を覗かせた。
    「彼はオーブの国民だ。国民を売るような真似は、我等氏族が決してしてはならないことだ」
    「それは勿論ですウズミ様。しかし、中立をといいながら少々プラントへ肩入れし過ぎなのではありませんか?先日のミネルバだって、わざわざ御息女が出向かれて。しかも、アスラン・ザラと」
    「これでは裏でプラントと内通していると思われても仕方ないのでは?」
    セイラン親子は、カガリがアスランと共にミネルバへ向かう写真をテーブルに並べた。

  • 37126/01/28(水) 23:56:06

    「先日匿名で私共に届きましてね。我等に納得のいく説明をしてもらいたいものですな」
    かなり無茶苦茶な話の進め方だ。しかし、それでいい。一時的にでも自分達に優位になればその機にアスハを蹴落として実権を握るのだと、それがセイランの考えなのだった。アスハの人気を貰う為にカガリはユウナと結婚させる。そして、アスハ、ひいてはカガリの力となるだろう弟のキラ、そしてアスランを纏めて排除したいのだった。

    そんな政治の争いが起きているとはまだ知らないキラ達は、いよいよ避難の為の用意を本格的に進めていた。
    「僕のアスランを付け回す奴らがいる所になんて居られないよ」
    「しかし、カガリをこの状況で置いていくのは……いや、俺がいるほうが不味いんだろうな、恐らくは」
    「僕もカガリは心配だよ。だから一時的にだ。とにかくアスランを今すぐ此処から離したほうが良い気がする」
    なんだか胸騒ぎがするのだ。一度オーブから離れて、アスランを安全なところへ。プラントが安全かどうかは正直怪しんでいるが、そこにはシーゲルもイザーク達もいる。アスランの味方が多いのだ。
    「アスラン、自分が悪いとか迷惑をかけてるなんて思ったら怒るよ」
    「……分かっている」
    「悪いのは……こんなことを仕組むやつなんだから」
    誰かの手の上で利用されている。それも複数人の掌が折り重なった上に、だ。
    「キラ、俺は父を助けたい。噂が情報操作されたものだと分かれば、少しは沈静化するだろう」
    「そうだね……まあ、噂の出処はまず間違いなくブルーコスモスだろうから、色々と解明されたら大西洋連邦も有耶無耶にするしかないだろうし」
    「そういえば……ミネルバは、もう出港している頃か」
    無事にカーペンタリアに着けるだろうか。争いがまた始まって、ここでこうして守られているだけなどは嫌だ。プラントに行くなら、今よりは何か出来るかもしれない。キラも、側にいてくれるのだから。
    大丈夫だ、こんなことでは負けたくない。アスランはキラの手を強く握り締めた。

    その頃、ミネルバはオーブ領海の外で連合に待ち構えられていた。ウズミは“万が一ミネルバがまた領海に入っても攻撃などはしないように”とオーブ軍に指示を出した。

  • 38二次元好きの匿名さん26/01/29(木) 09:06:57

    ウズミ様いるしミネルバも本編みたいにはならないと信じたいね
    そしてキラとアスランは一旦国を出てからあのクソ野郎どもを処す方法を考えよう

  • 39二次元好きの匿名さん26/01/29(木) 17:09:06

    ユニウスセブン落下テロの犯人がザラ派信奉者なのは事実だからアスランは最適な生贄なんだよなあ…

    プラント側も心配だけど向こうもシーゲルさんが生きてるから議長達の動きが読めない…

    でも先が読めないからこそどうなるのか楽しみにしてます!

  • 40126/01/29(木) 21:08:52

    前方を大西洋連邦の艦隊に囲まれたミネルバ。

    シン、レイ、ルナマリアは戦闘準備へ。

    「どうして連邦の戦艦が……!」

    まるで自分達が出港するのが分かっていたかのようだ。シンはインパルスの操縦桿を握った。

    「海に落ちるなよ、ルナマリア。落ちても拾ってはやれない」

    「意地悪ね」

    レイとルナマリアもミネルバの上に配備し、戦闘へと入った。


    この状況にシンは…

    dice1d3=2 (2)

    1.オーブが自分達を売った……と思ってしまった

    2.ふと先日ミネルバでアスランに言われた言葉を思い出した

    3.↑+オーブの艦隊は港近くで戦闘について警告のみしていることに気付いた(ミネルバの後方を包囲していない)

  • 41126/01/29(木) 23:14:22

    「え、見張られてる!?」

    「声が大きい!」

    アスランは咄嗟に手でシンの口を塞いだ。カガリと共にアスランがタリアに会いに来た時、シンは通路で二人に遭遇した。わざわざアスハが何の用かと思ったが、現状を鑑みてミネルバに出港準備を促しに来たと聞いて驚いた。私が居ては話せないよな、とカガリが気を遣って先にタリアの元へ行ったので、シンはアスランと話すことになった。

    「見張られてるのは、たぶん俺だ」

    あまりミネルバの中でも話を広げたくなくて、辺りを確認してからアスランはシンの口から手を離した。シンはぶは、と酸素を吸い込む。窒息しかけるかと思った。

    「はぁ……でも、どうして見張りなんて」

    「さあな。だが戦争が始まって、オーブでも意見は割れている……また焼かれないようにと皆必死なんだろう」

    「!!」

    「俺みたいなのを警戒するのは…当然だろうな」

    「……なんで俺にそんな話を?」

    「お前はパイロットだろう。いざという時に戦うのはお前だ…要になるのも。無事に出港するまで気を抜くなよ」

    かつてアスラン自身が、アークエンジェルがオーブを出る時に待ち構えていただけに、万が一を考えたのだ。

    「あと、こうしてカガリが来たことだけは忘れないでやってくれ」

    「それは……」

    「国には…色々とある」

    アスランは難しいな、と呟く。そんな事言われたって、とシンは思ったが、その何処か遠い表情に別の言葉が口から出た。

    「見張られなんかして、アンタこれから一体どうするんです」

    「……プラントか、何処かへ行くことになるだろうな」

    「プラントへ行くとして……どうするんです。もう、戦わないんですか」

    言ってからシンはハッとしてアスランを見た。

    「…すみません。結婚して家庭があるのは分かってます……あの人がアンタを大切にしてるのも…」

    「いや……」

    アスランの戦闘を見ているだけに、つい余計な口が出た。俯くシンの頭に、ぽんと手が置かれた。

    「すまない」

    言い訳も怒りもせず、謝るだけなのが卑怯だと思った。


    そんな会話を思い出して、シンはぐっと奥歯を噛む。

    (別にオーブを信じた訳じゃない……でも、今俺がやるべきことはミネルバを守ることだ)

    絶対に此処を突破する。そのシンの決意が力となり、インパルスは大西洋連邦の艦隊を何隻も沈めていった。

  • 42二次元好きの匿名さん26/01/30(金) 08:05:40

    緊迫した状況だしオーブ軍の動きに気づかなくてもしゃーないけどアスランとの会話を思い出してくれて良かった

  • 43二次元好きの匿名さん26/01/30(金) 17:20:53

    ここからどう話が動くかな
    続きが待ち遠しい

  • 44126/01/30(金) 22:54:22

    アスハ家の別荘。また一つ夜を迎え、アスランは部屋で月を見ていた。
    (六隻撃沈、か。凄いものだな)
    ミネルバが無事オーブから出たのは安堵したが、まさかこんな結果になるとは。ザフトには新たなエースが育っているらしい。
    “もう戦わないんですか”と聞かれた。答えは、肯定でもあるし否定でもあった。
    父の疑いを晴らしたい、大切な人達を守りたいという気持ちはあって、その為なら戦闘へ出ることは厭わない。ただ、軍人として戦うかと言われるとそれは違う。
    アスランの中には、確かに正規の手段で成すべきことを成すのが正しいという価値観がある。
    (だが、キラが嫌がるからな)
    一緒にいることがキラの望みだ。アスランにとっても、キラが側にいない日々など死んだも同然だ。一番守りたい存在が此処に居るのに何処へ行けるだろう。左手の薬指の輪を見つめていると、リビングの方から急いた声でキラに呼ばれた。
    「アスラン!ちょっとこっち来て!!いまカガリから連絡が……」
    それは、大きく物事を動かす知らせだった。

    「俺を……大西洋連邦に…?」
    カガリから届いたメールには、現在のオーブ行政府内で起きていることが書かれていた。
    ウズミもカガリも行動を見張られており、自由に動けそうにない。とにかくアスランを連れて直ぐ其処から離れろという内容だった。
    「……僕からアスランを……しかも連合に引き渡すなんて……」
    吐き出された声は普段のキラの声音とは違う、底冷えするような低音。此処まで怒ったキラはアスランでさえ見たことがない。
    「直ぐここから出よう。マリューさん、“あの船”の準備は?」
    「終わってる。何時でも出せるわ」
    「人員は?」
    「声は掛けてあるから、後で合流しましょう」
    「分かりました!行くよアスラン!」
    確認を終えると、キラはアスランの手を掴んだ。そして駆け出そうとしたその時、アスランは気配を察知してキラを抱え込んだ。
    瞬間、窓ガラスが銃弾で割れた。
    「っもう来たのか!?」
    バルトフェルドが割れた窓ガラス横に張り付き外を見る。宵闇に紛れて幾つかの人影が蠢いている。

  • 45126/01/30(金) 22:56:38

    「いきなり発砲してくるなんて…!」

    「普通、軍が逮捕しにくると思うんだがな……これじゃまるで夜襲だ」

    行動を疑問に思いつつ、マリューとバルトフェルドが子供達、マルキオやカリダといった非戦闘員を護衛する。

    「……キラとラクスは俺が守る。皆に続いて地下へ行くんだ、俺が後方に付く」

    腰に付けていたナイフを外し、アスランは感覚を研ぎ澄ませる。二人に危害など絶対に加えさせない。

    「君が見つかったら意味がないだろ!」

    「大丈夫だ。絶対に負けない」

    「そういう問題じゃありませんわ!」

    キラとラクスの非難を受けながらも、アスランは二人の背中を押して先に進める。迫ってきていた武装した男を回し蹴りで吹っ飛ばし、ナイフを手に集団へ躊躇いなく突っ込んでいく。キラは気絶した男から銃をもぎ取り、援護のために構えた。

    「勝手なことして……後で凄い怒るからね!」

    撃つのはメンデル以来だが、あの時に成功したならなんとかなるだろうとキラは引き金を躊躇いなく引いた。アスランの背後に回った男の腕を撃ち抜く。

    (なんだか変だ……オーブ軍か地球軍の部隊なら殆どがナチュラルの筈だが……こいつらの動きはまるで……)

    アスランはナイフを持つ手をダミーとして視線を誘導させ、その隙に左手で目の前の男の顔面を殴り飛ばす。そして一通り沈静化させると一旦キラ達の元へ戻った。

    「こいつらは恐らくコーディネイターだ。訓練された暗殺部隊だろう」

    「……ザフトってこと?」

    「それは分からないが……とにかく先を急ごう」

    もしそうならモビルスーツ部隊が潜んでいるかもしれない。アスランは返り血の飛んだ頰を雑に拭い、二人を連れて走った。



    カガリからの連絡を聞いたアスランのショック度

    dice1d100=92 (92)


    暗殺部隊の狙いは……

    dice1d3=2 (2)

    1.ラクスの暗殺

    2.↑+アスランの拉致

    3.↑↑+キラなど邪魔な者の排除

  • 46二次元好きの匿名さん26/01/31(土) 00:23:42

    いかん

  • 47二次元好きの匿名さん26/01/31(土) 07:13:18

    キラァァァァァァァァ!!!
    お姉ちゃぁぁぁぁぁん!!!
    嫁と弟のメンタルやべえぞ!!

  • 48二次元好きの匿名さん26/01/31(土) 16:11:12

    白兵戦強強アスランはいいのう

    ただやっぱり暗殺だけじゃなくて拉致まで目的だったか…

  • 49126/01/31(土) 23:02:00

    こんな高い数値出るとは……

    暗殺部隊は生身で人を殺すことに特化した訓練が施される。それは普通の軍人とはまた違った集団だ。
    アスランは殿を務めながら、確実に一人ずつ仕留めていった。彼のナイフ術、格闘の腕はザフトでもお墨付きだ。暗殺部隊が相手でも引けを取ることはない。
    ひとり、ふたり……悪いがこの状況で手加減している余裕はなく、また向こうも命を取りに来ているのだろうから容赦なく刃を光らせる。
    そのうち、アスランはまた違和感に気付く。躊躇いなく殺しにくるアスランへの致命傷になりうる攻撃箇所は直前で避けようとするのに、アスランの後方にいるキラへ集中的に銃口が向けられるのだ。
    (いや、違う……正確にはキラが被っているラクスを狙っているんだ!)
    このコーディネイターの集団の狙いはラクスなのか。ではカガリからの連絡にあった地球軍やオーブ軍とは別の部隊は?なんにせよいま判断する時間はない。
    何故ラクスが狙われたのかは分からないが、それはこの戦争とは無関係ではないだろう。カガリやウズミにまで迷惑を掛けた。キラは争いが嫌いなのに、皆も巻き込んで避難しなければならなくなった。それにこいつらは、明らかに何らかの意図があって己への攻撃を避けている。なら、このままキラ達を先にシェルターへ逃がしつつ、自分は戦うべきだ。アスランは、半ば強迫観念を抱いていた。
    自分のせい、だからなんとかしなくては、と。

  • 50126/01/31(土) 23:04:38

    「ラクスにも……キラにも、誰にも指一本触れさせるものか」

    誰かを守るときのアスランは強い。そして、己への無茶を一切気にしなくなる。

    キラはそんなアスランの服を掴み、必要以上に戦闘へ向かわないように引っ張った。

    「アスラン!一人でそんなに無茶しなくていい!」

    地下にさえ辿り着けば、そこにはフリーダムとジャスティスがある。二人で戦えばどうとでもなる。

    先に行ったマリュー達の所へ辿り着く、どうやら向こうもかなり戦闘をしたらしい。

    「マリューさん、大丈夫ですか!?」

    「ええ……バルトフェルドもアイシャも居たからなんとかね。それより、お客さん、コーディネイターの部隊だけじゃないみたいよ」

    「……どういうことですか?」

    「外で、この暗殺部隊と交戦してる別の集団が見えたの。あっちは多分セイランの方ね」

    「最悪のバッティングをしたようだな」

    「そんな……」

    アスランの心臓は嫌な軋み方をした。

    「とにかく早く中へ入るんだ!」

    子供達からどんどんとシェルターの中へ入れて行く。そしてラクスを入れようとしたとき、天井の通気口の先に何か光るものを見つけ、アスランは誰より早く動いた。咄嗟にラクスを庇ったとき、通気口から怪しげなガスが流し込まれ……


    アスランの意識は、そこで途絶えた。



    この後はどうなる?

    dice1d2=2 (2)

    キラが目を覚ますと、アスランが居なかった。

    アスランが目を覚ますと、キラに膝枕されていた。


    ???

    dice1d2=1 (1)

  • 51二次元好きの匿名さん26/02/01(日) 07:15:59

    拉致は防げたか!
    でも突然のシークレットダイスは何なんだ…

  • 52二次元好きの匿名さん26/02/01(日) 16:38:02

    拉致が防げて本当によかった
    この宇宙一嬉しくないモテモテ()状態から早く脱出しよう!!

    突然のシークレットが心配すぎる、1は割と悪い予感がしてならない…

  • 53126/02/01(日) 23:16:10

    (鋭い…1の方が良くない選択肢ですが拉致されなかったのでまだセーフです)


    頰を撫でられる感触がして、アスランは瞼を少しだけ開いた。照明の灯りと、己を覗き込む暗い人影。時間を掛けて輪郭が鮮明になっていき、それがキラであると分かった。

    「……きら…」

    「起きた?」

    「おれ、は……」

    全身が酷く重い。指先を動かすだけでもかなりの力を使う。瞼も大きくは開けず、いつまた閉じても可笑しくなかった。どうやらキラの腿に頭を乗せられているらしいが、折角の感覚も遠い。

    「自分が何したか覚えてない?」

    「……ん……たしか、らくすを……っそうだラクスは……ぅっ」

    「駄目だよ、起き上がらないで」

    反射的に身体を起こしかけ、僅か数センチ浮いただけでまたキラの足の上にぽすんと落ちた。視界がぐにゃりと歪んで気持ち悪い。

    「私は無事ですわ、アスラン」

    キラの後ろの方から声がして、目線だけそちらに向けると少し離れたところでラクスがアスランを見ていた。その肩はカリダに支えられている。

    「君があんなことするから、ラクスずっと心配してたんだよ」

    「あんなこと……」

    「変なガスが撒かれて、僕たちはシェルターに駆け込みながら扉を閉めたんだ。君がラクスを連れて閉まる前に駆け込んでくると思ってね」

    キラはアスランの髪を頬から払い、淡々とした一定の調子で語る。

    「でも君、ラクスを抱えて僕に投げたんだよ。あのときラクスがどんな悲痛な声を上げたか分かる?」

    二人で逃げ込むのではなく、ラクスだけを扉の隙間からキラに託して自分は残ろうとした。そこにまだ追手が居たから。

    ぼんやりと、アスランはその時のことを思い出してきた。結局、すぐにキラが身を乗り出して強引にアスランを引き込んだのだ。そこで意識が途絶えた。

  • 54126/02/01(日) 23:18:30

    「可愛い弟にそんなことされて、ラクスがどう思うか分からないの」

    「でも奴らの狙いはラクス、だった……俺は……」

    「君は殺されないだろうから良いと思った?」

    「っ……それは……」

    「僕にだって分かるよ。わざわざ毒じゃなくて睡眠ガスなんか撒くんだ。君もあいつらの標的だ」

    自分を見下ろす瞳に温度はない。そんな眼差しを向けられたことがなく、アスランは息を呑んだ。キラの両手が頬を包み、真上から視線を合わせる。

    「君に何かあったら僕はどうなるの」

    「キラ…すまな、」

    「反射的に謝らないで。形だけのものならいらない」

    ぴしゃんと跳ね除けられアスランは鉛のように重い身体が緊張で強張った。

    カガリからの連絡を受けたときから始まり、キラの怒りはとうに臨界点を越えてしまった。怒り、悲しみといった感情が高まり、区別がつかない。

    「許さないから」

    冷たい声にアスランの瞳が揺らいだ。キラは顔を近づけ、反転した状態で唇を塞ぐ。暫くアスランの吐息を奪い取ってから漸く離れる。

    「君は君のものじゃない、全部僕のものでしょ。勝手なことしないでよ」

    そこで、ずっと無表情だったキラの顔が泣きそうに歪められる。今度こそ、アスランの口からごめんと言葉が飛び出た。撫でてやりたいのに手が上手く動かせないのがもどかしい。

  • 55126/02/01(日) 23:21:39

    「まともにガスを吸ったから暫くは動けないと思うよ」

    「……奴らはどうなった?」

    「さっきフリーダムで全員仕留めてきた。尋問するつもりだったのに全員自決したよ。よっぽど情報を渡したくないんだね」

    「……暗殺部隊はそういうものだ…そんな教育がほどこされると聞いたことがある」

    「気付いたらセイランの方の手先も居なくなってるし」

    深い溜息を吐いて、キラはまたアスランの頬を撫でる。乾いた血の跡を忌々しそうになぞった。

    「……全身血塗れじゃないか。一人でやりすぎだよ」

    他人の返り血なんか浴びせたくない。キラはアスランの目を掌で覆った。

    「まだ辛いでしょ、もう少し寝て。目が覚めたらまた話そう」

    キラの手の感触と体温を感じるが、アスランは違和感を覚えた。頭の奥がずきずきと痛み、とにかく重たいせいなのか、何かいつもと違うところがあるような気がするのによく分からない。

    とにかく、感覚が全て膜に包まれているかのように遠いのだ。

    こんなにキラが近くにいるのに、全然そう感じない。何故、と思いつつアスランの意識はまた眠りに誘われた。

    「大丈夫だよ。寝てる時も側に居るから」

    「……キラ…」

    「おやすみ……アスラン」

    やっと名前を呼んでもらえて、その声を夢へと連れてアスランは目を閉じた。



    「暗殺と拉致は失敗、か。アスランには色々と動いてもらう予定だったのだが…仕方ない。地球軍の引き渡し要求の件を知れただけ僥倖かな。“ラクス・クライン”の暗殺未遂、“アスラン・ザラ”の人質…そして高まり続けるプラント国内の怒り。さてどうするかな」

    議長室でデュランダルは先の展開を思案する。彼等は盤上を勝手に動き回るのが困りものだと。

    生まれながらに定められた運命を受け入れれば苦しむこともないというのに。

    「“彼等の能力”への対策で用意したものは……果たしてきちんと作用するかな」

  • 56二次元好きの匿名さん26/02/02(月) 07:25:28

    まだセーフでよかった…!!

    あと議長の暗躍が…
    え、テレパシーできること知ってる…?

  • 57二次元好きの匿名さん26/02/02(月) 15:33:56

    自己犠牲というアスランの悪い癖が出てる〜
    これはしっかりみんなからお説教されないといけませんな

  • 58126/02/02(月) 22:56:25

    無印メンデル頃の話を使うことが増えたのでその時のスレ貼っておきます。大体138辺りからメンデル編です。

    【閲覧・CP注意】ここだけ読心可能なキラアスpart5|あにまん掲示板キラとアスランがオルフェ・ラクスレベルで遺伝子の相性がいい世界線です。CPはキラアス前スレhttps://bbs.animanch.com/board/5404585/bbs.animanch.com

    ただ読み返すのは無駄に長くてちょっと大変だと思うので必要な部分だけ抜き出します。


    ・キラがメンデルで銃を撃ったというのは、銃の扱いが素人だったキラを案じてアスランが脳内会話スピードラーニングでキラに基礎を叩き込み、出生の秘密を知ってダメージを受けたキラがクルーゼの銃を撃ち落とした時の事です。


    ・ここで出てきた、クルーゼがバイブルと呼んでいたキラアスの遺伝子を調査した書類はクルーゼ曰く“遺伝子学に精通した友人”に作成してもらったもの。それによってクルーゼはキラアスの遺伝子相性が最高水準で読心行為が可能だと知りました。

    なのでこの書類を作成した“クルーゼの友人”はキラアスの能力のことをよく知っているのです。つまりそういうことです。

    ちなみにこの時受け取った種類のコピーはキラアスの家に厳重に封印されていますが、彼等がちゃんと見返すことがあれば物凄い色んな情報が乗ってます。



    あと肝心のダイスを昨日振り損ねたので

    議長はミーアをどうするのか?

    dice1d2=1 (1)

    1.やはり影武者として仕立て演説させる

    2.今は一旦保留にして様子見する


    2だったらシーゲルさんが頑張ってプラント内を沈めさせます。

  • 59126/02/02(月) 22:58:22

    本編です。


    アカツキ島、海底ドック。

    そこに秘匿された先の大戦のシンボルの一つとも言える、戦艦“アークエンジェル”は二年間此処で沈黙していた。

    再び彼等が乗り込んでくるまでは。

    「懐かしいな」

    改装されたところも多く、見慣れない設備もあるけれど、此処はキラがあの時ヘリオポリスで避難してから、戦争の終わりまで確かに搭乗していた艦だ。苦い思い出もあるのだが、それを乗り越えて今がある。通路を進んでいると、キラ、と後方から呼び止められた。振り返れば、そこには友人達の姿があった。

    「トール、ミリィ……二人とも来てくれたの?」

    「当たり前だろ。友達が大変な時にじっとしてられないさ」

    「マリューさんが声掛けてくれて良かったわ」

    「でも二人とも、婚約したばかりでしょ?」

    「ああ、だから二人一緒に来たんだ。それにさ、オーブが荒れてたら結婚どころじゃないし……ってこれじゃ前キラが言ってたのと変わらないな」

    茶化してそう言ってくれるトールに、キラは笑ってありがとうと感謝を述べた。彼等が管制についてくれるなら頼もしい。

    「ところでさっき聞いたんだけど…アスラン、大丈夫なの?」

    ずっと眠ったままなんでしょ、とミリアリアが心配そうに聞いてくる。

    「うん…昨日からずっと。今は医務室で寝かせてるんだ」

    「これからまた行くところだった?」

    「寝てる時も側に居るって約束したからね……ただ出港準備も忙しくて。フリーダムとジャスティスを格納庫に入れるのに、パイロットいま僕しか居ないからさ」

    仕方ないので一機ずつ操縦して格納庫へ入れてきたのだ。医務室へ向かうキラに二人も着いていく。彼等もまた艦内に懐かしさを感じていた。

  • 60126/02/02(月) 23:00:24

    「アスラン」
    医務室へ入り、ベッドのカーテンを開ける。白いシーツの上で眠る最愛の人からの返事はない。寝息は穏やかだが、その瞼はまだ開かない。脱水にならないよう点滴を繋いでいるため、まるで病人のようだ。
    「そんなに沢山ガスを吸い込んじゃったのか?」
    「通気口から噴出されたとき、アスランはラクスを庇って直に浴びたから…」
    「相変わらず無茶するのね」
    「自分のせいだって焦っていたんだ。目が覚めても、きっとまだ落ち込んでるよ」
    そんなに気に病む必要などない。アスラン本人に非などないのだから。そうだとしても彼の性格上気にしてしまうのだろうし、ユニウスセブン落下の頃から蓄積された精神的なストレスもあって尚更追い詰められたのだろう。
    「まずは確定しているセイランから片付ける」
    人のお嫁さんを売り飛ばそうとするのだから、きっちり罪を償って貰わなくては。キラは眠るアスランの髪を撫で、耳にそっと掛けるように流すと、ふと首筋に小さな傷があるのを見つけた。
    (なんだろう、これ。戦闘している時に付いたのかな…?)
    ひとまず消毒して絆創膏を貼っておく。アスランは生身でナイフを振るっていたため、傷くらい付いていても可笑しくはない。
    しかし、アスランの肌に傷をつけるなんて、到底許しがたいことだ。
    「とにかくカガリを助けないとね。僕、あんな弟が出来るの絶対嫌だから。その頃には目が覚めるかな」
    寂しいから早く起きてよ、とキラは眠るアスランの掌を握った。
    (ん……?アスランが深く寝てるからかな…)
    いつもより響き合う感覚が薄い。なんだか嫌で、キラは両手でしっかりと包む形に変えた。

    「ところでキラ……アークエンジェルに乗るとき目についた“アレ”ってさ…」
    「この艦は今はもう軍の戦艦じゃないからね。それはアピールしとかないと」
    「ええ……それでアレかあ…」

  • 61二次元好きの匿名さん26/02/03(火) 07:04:18

    いやこれ絶対ただの傷じゃないよね…
    そしてアレとはなんだアレとは

    それとトルミリ婚約おめ!!!!

  • 62二次元好きの匿名さん26/02/03(火) 14:41:06

    キラアスを応援する会名誉顧問の白仮面せんせええええ!!!!!!
    貴方の友人がキラアスにちょっかいかけてまああああす!!!
    ぶっ飛ばして差し上げてくださああああい!!

    絶対あれやん、襲撃のどさくさに紛れて読心に何かされたやつやん!
    何してくれてんじゃあの黒ワカメがああああ!!!(# ゚Д゚)

  • 63126/02/03(火) 22:44:28

    結婚というものに正直なところ然程興味もないという、そんなあっさりしたカガリにしてもそれなりに描く形はある。
    なにせ弟夫夫がいつまでも新婚気分、もしくは付き合いたての恋人のように新鮮な恋を出会ってから10年を越えた今でも続けているものだから、今までおよそ恋愛から離れた所にいたカガリの理想像は知らず知らずかなりの水準で形成されていっている。
    あれほどではないにしても、やはり婚姻関係を結ぶなら互いを思い合い尊重しあえるものであるべきだ。
    間違ってもコイツではない。
    アスハ邸の広大な庭の一角に敷かれた石畳、その上に設えられたガーデンセットで、深い深い溜息を吐く。
    陽光を浴びて白く光る、一点の汚れもないホワイト・ロートアイアンのセット。唐草模様が透かし彫りされた椅子に腰掛け、使用人が淹れた紅茶を口に運ぶ…ここだけ見れば完璧な昼下がりだ。目の前に座るのがユウナ・ロマ・セイランでさえなければ。
    「僕はね結婚式は早いほうがいいと思うんだ」
    「承諾した覚えはないが?」
    「まだそんな事を言うのかい。ウズミ様への追及が続く以上、僕と結婚しておいた方が良いと思うけどなあ」
    「そんなことをしなくてもお父様もアスハの名もこれくらいのことで落ちはしない」
    「逃げたアスラン・ザラ、ひいてはその夫である君の弟君への疑いだってあるんだ」
    「それについてはむしろ私がお前を問い正したいところだな。手を回して地球軍をオーブに入れただろう」
    「まさか。あそこでは武装したコーディネイターの死体とモビルスーツの残骸があっただけじゃないか」
    「きちんと調べればすぐ分かることだぞ。大体結婚を急いでしようとする辺りお前達にも余裕がないんじゃないか?」
    ふん、とカガリはユウナから顔を反らした。オーブ国内の不安を逆手に取ったセイランに勢いがあるのは確かだ。そのせいでカガリはいちいちユウナに監視されて殆どアスハ邸の敷地から出れていない。

  • 64126/02/03(火) 22:46:29

    何故コーディネイターの部隊がキラ達を襲ったのかを調べたいのだが、これではどうしようもない。このまま戦争の状況によっては、ウズミを押しのけて大西洋連邦との同盟が承認されてしまいかねない。あの夜アスランが捕まって連邦に差し出されていたら事実上の同盟となってしまっていただろう。

    (決定的な証拠さえあればセイランを追及出来るんだが…)

    絶対にユウナと結婚したくないカガリは、三杯目の紅茶を飲み干した。折角貴重な茶葉を使っているのに台無しだ。これがラクスなら喜んでくれただろうし、紅茶の良し悪しに鈍そうなキラやアスランでも楽しい茶会にはなるのに、とカガリは心底うんざりしていた。

    少し離れたところで控えているオーブの軍人達も、これが職務でなければこんな歪んだ結婚があるかと口に出していただろう。

    「大体、戦後の慌ただしい中で同性婚を認めたことについても僕はどうかと思って……」

    ユウナが余計な事を言いかけたその時、上空高くから落下するような勢いでアスハ邸の庭に巨大な影が舞い降りてくる。気付いたところで生身の人間がどうにか出来るはずもなく、突風を巻き起こしながら一機のモビルスーツが庭に降り立った。

    『迎えに来たよ。今はとにかく乗って!』

    「キラ!?……いや、よし分かった!」

    呆気に取られたカガリだが、ユウナが隠れるように背中に張り付いてくるのが鬱陶しいので近くに居た軍人にぶん投げた。このままここで軟禁されるよりずっと自由に動けると、カガリはフリーダムの掌に飛び乗った。

    「な、なにしてるんだ!早くカガリを取り返すんだ!あれはフリーダムだろ!?」

    ユウナは狼狽えながら指示を出すが、オーブ軍人達は動かず。一部セイラン派の者も居るのだが、それよりアスハ派の者の方が先手を打った。

  • 65126/02/03(火) 22:48:43

    「いえ、違いますユウナ様。ほら、モビルスーツの両肩の辺りにのぼり旗が立ってます」

    「なんだあれ?!?」

    「あれは温泉のマークですなあ」

    「そういえば、たった今近くで大きな移動する温泉施設が目撃されたと連絡が」

    「戦艦級の温泉施設とは流石ですな。カガリ様もプラントに行かれて以来ご多忙でしたし、一度ゆっくりお疲れを取ることも必要でしょう」

    「あのモビルスーツは送迎リムジン代わりなんでしょうな〜」

    「お、おまえら……連絡なんてとっくに来てたのに僕に知らせなかったんだな!?」

    ぎゃあぎゃあ喚くユウナを危ないですからと外へ追い出し…避難させて、オーブ軍人らは去っていくフリーダムに敬礼をした。


    「移動式温泉施設“天使湯”の若旦那だよ、なんてね」

    「じゃあアスランは若女将か……なんか似合うな」

    「名物はきつねうどんだよ。砂漠の虎が太鼓判を押す一品。甘辛いお揚げを鰐みたいにがぶっといくのが良いんだって。あ、でも熱いから猫舌の人は気を付けてね」

    「動物が渋滞してるな。ていうまさか艦も温泉マーク付いてるんじゃないだろうな」

    カガリはフリーダムの手の上からコックピットへ移動し、天使湯改めアークエンジェルへと向かうのだった。

  • 66二次元好きの匿名さん26/02/04(水) 08:09:28

    戸惑いつつもちゃんと若女将をやってくれそうなアスランw

  • 67二次元好きの匿名さん26/02/04(水) 16:49:52

    温泉www
    いや確かにAAには温泉あるけどさあ!!

    あと動物が渋滞してるのも吹き出してしまったww
    スレ主上手いなあ…

  • 68126/02/04(水) 23:10:31

    虎がきつね(うどん)食べてる…っていうネタは何かしらで使いたかったので笑って貰えて良かったです。

    眠るアスランの横について、ラクスはキラ達の帰りを待った。自分を庇ったまま目が覚めないアスラン。
    「……起きたらお説教ですわ」
    自分が殺されそうになったその理由はまだ分からないが、何か良くないことが起きているのは分かる。ターミナルを経由してシーゲルへは事の次第を連絡する手筈だが、それで事態は好転するだろうか。
    『フリーダム、着艦します』
    「あら、旦那様のお戻りのようですわね」
    ミリアリアの艦内放送を聞いて、ラクスはアスランの手を握った。こうして放送してくれるのは、眠っているアスランにも聞かせてやる為だろう。
    「……ん…」
    「!まあ、アスラン…!」
    ずっと閉じたままだったアスランの瞼が僅かに震える。それから数秒掛けてゆっくり開く。まだ虚ろな緑色の瞳がラクスを見つめた。
    「大丈夫ですか?私のことが分かりますか?」
    「……ラクス…」
    「良かった……心配したのですよ」
    まだぼんやりしているがちゃんと意識が戻ったようだ。早くキラを連れてこなければと思ったとき、アスランが目を大きく見開いた。
    「……!?これ、は……」
    「アスラン…?どうなさったのですか」
    「ッキラ……キラは!?」
    強引に身体を起こそうとして、ぐらりと不安定に倒れ込む。しかしそれでもアスランはベッドから起き上がろうともがいた。
    「駄目ですわ!いきなり起き上がっては…」
    「キラ…ッ!キラの声、が……キラは!?ラクス、キラは……!!」
    「落ち着いてくださいな!キラならすぐに参りますわ!」
    アスランの上半身をラクスは懸命に押さえ込む。丸二日も寝ていた人間がいきなりこんなに暴れてはまた倒れてしまう。ラクスは人を呼ぼうとモニターの通信ボタンをなんとか押そうとした。

  • 69126/02/04(水) 23:12:14

    「キラッ!!」
    どう見ても普通の状態ではない。いきなりどうしてしまったのだろう。幾ら押さえようとしてもラクスがアスランの力に勝てるはずもなく、いよいよアスランがベッドから飛び出そうとする。
    そこで、医務室の扉が抉じ開けるように開かれた。
    「アスラン!!」
    僅かに息を乱し、どうやら格納庫からここまでずっと走ってきたらしいキラが、部屋に飛び込んでくる。
    「……キラ……!」
    その姿を見て、漸くアスランの動きが止まる。しかし、その表情は強張ったままだ。キラもアスランを見て、ぐっと何かを堪えるような顔をして、手を伸ばした。
    アスランが恐る恐るその手を取った瞬間、二人は泣き出しそうな顔をして、その場で沈黙した。
    いま分かるのは、互いの手の感触と体温。
    それだけだ。

    何も伝わってこない。

    キラは血の気のないアスランの身体を抱き締め、唇を強く噛んだ。

    ◇◇◇

    読心が使えなくなったとキラは言った。
    再び横にならせたアスランと固く手を繋ぎ、ラクス達に何があったのかを教えてくれた。
    「アークエンジェルに着いて、カガリとコックピットから降りたとき、アスランとの繋がりが突然途切れたんだ」
    「それでいきなり血相を変えて走っていったのか」
    キラの後を追ってきたカガリが、今はラクスの隣に椅子を持ってきて座りながら話を聞いていた。
    「では、アスランもそれを感じたのですね」
    「ああ……目が覚めて、そしたらキラの存在を感じられなくて……こんなこと一度もなかった。会話をしてなくたって、仮にキラが心を閉ざしていても、自分がキラと繋がっているという感覚は意識の端に常にあるものだったんだ」
    それが全く感じ取れず、キラが死んでしまったのかと思ってあれほど取り乱した。世界から色が失われるようだった。

  • 70126/02/04(水) 23:14:02

    「悪かった……暴れて。怪我はしてないか」
    「私は大丈夫ですわ。それより貧血を起こしたアスランの方がよほど重症です」
    「二日寝たきりでいたのに起きてすぐ暴れたらそりゃ貧血も起こすよな」
    「……本当にすまない」
    キラの無事を確認してアスランは少し落ち着いたようで、申し訳無そうにしている。
    「気になさらないでください。ですが、どうしていきなりお二人の能力が消えてしまったのでしょうか」
    「……まあ、無関係じゃないよね。あの襲撃と」
    アスランの首筋の傷を指でなぞり、キラの喉はぞっとするほど静かな声を発する。
    「アスランを拉致するつもりみたいだったし、でも僕らなら連れ去られたとしても居場所なんてすぐ伝えられる……本来なら。それが嫌だったのかも」
    「それだと、まるでおまえらの能力を知っていたみたいじゃないか」
    「……心当たりが無いわけじゃないけど」
    あの神出鬼没な仮面とコンタクトが取れれば、何か知っているかもしれない。実のところ、キラはミネルバでレイという子を見たときに一瞬だけ感じるものがあった。何処からどう見ても別人だったのでその時は気の所為だと流したが、こうなっては少しの手掛かりも惜しい。
    「…でも、ミネルバと接触するにしてもまだ情報が足りなさすぎるか」
    「ひとまず父と連絡をつけましょう」
    それまではキラも少し休んでくださいと告げ、ラクスはカガリと席を外してくれた。
    「……キラ」
    握ったキラの手を顔の近くに寄せ、アスランは心を宥めるように息を吸い込んだ。
    心で呼んでも届かない。触れ合った瞬間の煌めきもない。こんなに近くにいるのに、どこまでも遠く感じてしまう。
    「落ち着かないね…」
    二人は医務室の小さなベッドで少しでも寂しさが埋まるようにくっついた。

  • 71二次元好きの匿名さん26/02/05(木) 07:17:23

    なるほど能力封じか〜
    当たり前にそこにあったものがいきなりなくなるのは怖いよね…

  • 72二次元好きの匿名さん26/02/05(木) 17:02:59

    ほしゅ

  • 73126/02/05(木) 23:03:20

    【生まれいづる全てのことに】
    二年間の間にあったラクス誕生日の話です。

    夕陽が海へ沈む頃、深い橙が一番美しい時間に彼等はやってきた。
    「ハッピーバースデー、ラクス」
    ラクスの可愛い弟夫夫達は孤児院から出てきたラクスへ揃ってそう言うと、抱えていた大きな花束を手渡した。
    「ありがとうございます。綺麗なお花ちゃんですわね」
    花の香りを吸い込み、ラクスは顔を綻ばせる。ラクスは一度孤児院の中へと入り、花束をひとまず花瓶に生けると再び彼等の元へ戻った。
    これから、彼等の邸宅で行われる誕生日パーティーに招かれているのだ。
    「じゃあ、行こうか」
    「今日はラクスが主役の日だからね」
    二人は、ラクスへ向かって手を差し出す。まあ、と少し驚いて、それから破顔して両手をそれぞれの手に乗せた。
    「素敵な殿方二人にエスコートして頂けるなんて、お姫様になったみたいですわね」
    少し照れたように、ラクスははにかんだ。

    「カガリは先に着いて家で準備してくれてるよ」
    「なんかやたら張り切ってたな」
    海を渡る道中、そんな話をしながら進んだ。忙しいだろうにカガリが自分の為に来てくれることを嬉しく思った。
    島に上陸すると、ぴょんぴょんと跳ねて沢山のハロがやってくる。
    「まあハロちゃん達、お元気ですか?」
    『ゼッコウチョウデアール!』
    「よかったですわ〜」
    胸元に跳ねてきたネイビーの子を捕まえる。この島にいるハロの何体かは、ラクスがアスランから貰った子達だ。クライン邸が襲撃された際にピンクちゃん以外は置き去りになっていたが、その後シーゲルが再建した時にハロを見付けラクスの元へ送ってくれたのだ。しかし孤児院暮らしで大量のハロを遊ばせておくには少々場所が無かった為に、一時的にこの島へ預けているのだ。
    修理がてらにかなり中身は改造されて今では立派な監視役になっているが、ラクスの友達であることに変わりはない。

  • 74126/02/05(木) 23:05:51

    ぞろぞろとハロを連れて家の方へと向かうと、騒ぎを聞きつけたのかカガリが玄関から出てきた。
    「相変わらずラクスが来るとハロは皆着いてきちゃうんだな。久しぶり、ラクス」
    「お久しぶりですわ。今日は私の為にありがとうございます」
    「忙しさを理由に友達の誕生日を祝えないのは御免だからな」
    くすくす笑い合って、皆で家の中へ。玄関には生活のスタイルが出るものだが、この家はかなりシンプルだ。靴箱の上に小さな鉢植えがある程度で整頓されている。恐らくアスランが掃除をしているのだろう。
    「カガリ留守番ありがとう。飾り付け終わった?」
    「ちゃーんとやっておいたぞ」
    リビングの扉を開くと、そこには誕生日会らしく天井にはガーランドが飾られ、壁にはハッピーバースデーの文字。白とピンクで構成された可愛らしいバルーンまである。
    そしてテーブルには、沢山のご馳走。
    「僕も手伝ったけど、殆どはアスランが頑張って作ったんだよ。お姉ちゃんに食べて欲しいんだよねー?」
    「うるさい」
    「いたいっ」
    ぺしんとキラの後頭部をアスランが叩く。それから落ち着かなそうに視線を彷徨わせ、最後に窺うようにラクスを見た。
    「その……キラに手伝って貰ったから、ちゃんと美味しいと思う。安心してくれ」
    「ふふ、そんな心配はしていません。ありがとうございます、二人とも」
    「さ、座って乾杯しよう!ケーキもあるからね!」
    それぞれグラスを持ち、ラクスの誕生日に乾杯!と高らかに誕生日会の始まりを宣言した。

    「へえ、じゃあプラントでは大規模なパーティーをやってたのか」
    「私はシーゲル・クラインの娘であり歌手でしたから、色んな方とご挨拶をしなくてはなりませんでしたの。政界の方から芸能関係の方まで。でもそれはカガリさんの方が大変そうですわね」
    「まあなあ、政治家も氏族も軍人も山程来るし…。でもラクスみたいに芸能人が大量に来たりはしないぞ。スキャンダルとかも大変そうだな…」
    「その辺りはアスランが居ましたから。エリート街道を突き進むザラの御子息を出し抜いてまでどうこうという胆力のある方はいらっしゃいませんでしたわね」
    「歩くお守りみたいだな…」
    「もっと他に言い方無かったか?」
    ちょっと不満げなアスランの視線を悪い悪いとカガリは軽く躱す。でも実際、アスランは此の世で最も頼もしいボディーガードだろうと思う。

  • 75126/02/05(木) 23:07:02

    「むう…僕の知らないアスランの話…」

    「パーティーに出たことあるとは言っただろ」

    「でも僕はアスランと踊ったことないし」

    不貞腐れたキラは、社交界で舞うアスランを想像して唇を尖らせる。絶対キラの頭の中でかなり美化されてるなとアスランは呆れた。

    「なら今からダンスパーティーでもしてみるか?」

    その様子を見ていたカガリはそう思い付き、席を立つとラクスへ向かって綺麗な所作で頭を下げ、右手を差し出した。

    「私と一曲、踊って頂けませんか?」

    「喜んで」

    当然断るはずもなく、ラクスは微笑んでその手を取った。


    その後、少女二人の華やかなダンスを観たかと思えば、経験者三人によってキラへのスパルタ指導が始まり、気付けば夜も更けていた。

    「…どう考えたって上級者にも程がある三人から初心者が受けていい指導じゃなかったよ…」

    「でも流石に運動神経がいいだけあって、最後の方はだいぶ良かったぞ」

    「だってもし次があればアスランのパートナーとして出るのは絶対僕がいいんだもん…」

    アスランはぐったりしたキラの頭をよしよしと撫でる。正直そんな機会は早々ないだろうが、アスランの隣を渡してなるものかとムキになるキラの姿は嬉しく思う。

    「今日はとても楽しかったですわ」

    こうして皆で集まれること、仲のいい弟夫夫を見れること、歳を重ねたことを祝えること。その全てが今日という日のプレゼントボックスのようなもので、ラクスはその蓋を開けては芽吹き溢れてくるものへ感謝を込める。

    「あらためて、おめでとう、ラクス」

    アスランからシャンパンの入ったグラスを差し出され、ラクスはとびきりの笑顔で己のグラスをぶつけた。


  • 76126/02/05(木) 23:09:20

    ラクスお誕生日おめでとう!
    ちょっとシリアスが続きそうでほのぼのしたのも書きたくなったので、折角の誕生日だし祝わせて貰います。
    SEEDの女の子達は皆可愛くて大好きなんです。アスランのお姉ちゃん概念のラクスも好きなのでこのスレでは遺憾無く頼りになるお姉ちゃんして貰ってます。

    さて本編ですが、シークレットダイスは能力が封じられるかどうかのダイスでした。敵対サイドからすると制限なしの読心能力ってチート過ぎて厄介だと思うので議長も頭を悩ませたんじゃないでしょうか。
    “遺伝子が全て”と提示されるデスティニープランに置いて、最高の遺伝子相性を持ち、そして奪われたキラアスはどうするのか?という答えの見えきった話にはなりますが、一度読心がない状態の二人も扱ってみたかったのでスレ主は楽しみです。
    あとショック度が92というかなりの限界値なので、アスランからキラへの依存とキラの旦那さんムーブがたっぷり出てくるんじゃないかと思います。

    それと、続きが楽しみと言ってくださってありがとうございます!途中シリアスや曇らせだったり、ダイス運次第な所もありますがキラアスのハッピーエンドだけはお約束します。

  • 77二次元好きの匿名さん26/02/06(金) 07:47:57

    ラクス誕生日おめでとう!
    お姉ちゃん概念良いですよね!

    だからお姉ちゃんを悲しませるようなことはしたらあかんで、アスラン君…

  • 78二次元好きの匿名さん26/02/06(金) 16:59:53

    このレスは削除されています

  • 79二次元好きの匿名さん26/02/06(金) 17:01:00

    「「移動式温泉施設“天使湯”へようこそお越しくださいました」」

  • 80126/02/06(金) 22:55:17

    >>79

    若旦那&若女将…!

    こんな素敵な二人がいる温泉施設なら幾ら高くても絶対に行きますね…。

    キラの若旦那もアスランの若女将も似合うと思ってましたが、こうしてみると本当に良いですね…アスランのお団子が可愛いです。ありがとうございます!

  • 81126/02/06(金) 22:59:17

    休んだことで身体は回復したアスランは、キラと手を繋いでアークエンジェルの中を歩いていた。何せずっと寝ていたので、気付いたらアークエンジェルに居たという状況なのだ。
    「……しかしまさか温泉施設にするとは思わなかったぞ」
    「どうしたって戦艦だからね、僕達には戦闘の意思はないよってのを分かりやすくしないといけなかったからさ」
    「本当に客が来たらどうするんだ」
    「今は一応オーブ軍服着てるけど、ちゃんと従業員用の作務衣とか着物とか積んでるよ。勿論アスランの若女将の着物もね!いざとなったらそれ着て接客だよ」
    「……お前のそういう準備の良さには眼を見張るよ」
    アークエンジェルの準備を整えると共にちゃっかり衣装まで調達とは。結婚式以降、自分の中の基準が明らかに緩んでいる自覚のあるアスランは今更若女将の衣装を着ろと言われたくらいで動揺はしないが呆れはする。
    「大体オーブ軍服だって、僕以外の人はオーブ軍に籍がないんだから実質コスプレじゃないか」
    「…………その辺りはカガリが居るからなんとかなるだろ。オーブ内部がどうなるかで俺達の動きはかなり変わるぞ」
    キラとアスランの会話には癖がある。それは声に出す会話と、心の中でする会話が混ざることだ。傍目には急に話し出したり黙ったりしているように見える。だからアスランはいま、癖で心の中で話そうとして、それが出来ないのだと気付いて口頭に切り替えた。
    「僕達の部屋は前に使っていた所と同じだよ」
    「分かった」
    「君の身体にどんな薬が使われたか分からないんだ。朝と夜で必ず医務室で検査して貰って」
    どう考えたって非合法の薬品だ。恐らくアスランの首筋の傷から体内へ。自分達の能力を失わせるというものが身体に優しいとも思えない。
    歩いていると、ラクスが前方からやってくる。
    「アスラン、もう起き上がってよろしいのですか」
    「問題ない。色々と気を揉ませて悪かった」
    「お説教しようと思ってましたが、今は止めておきますわね」
    「……ああ」
    にっこりしたラクスの笑顔で、充分無茶を咎めている気持ちは伝わった。弟というのは姉に勝てない生き物である。

  • 82126/02/06(金) 23:00:38

    「そういえばキラ、マードックさんがフリーダムのことで探されていましたわ」
    「そうなの?ありがとう、じゃあ行かないとだね」
    「……!」
    反射的に、繋いだ手に力を込められた。ぎゅうと痛いくらいに握られる。無意識の仕草だろう。キラは優しく笑い掛けた。
    「アスランも一緒に行くでしょ?」
    「ああ、俺もジャスティスの整備が気になる」
    「じゃあ行こう。ラクス、また後でね」
    「ええ」
    二人の去る背中を見ながら、ラクスは胸の辺りで両手を組んだ。いまアスランはキラが離れることを恐れた。出会ってから今まで持っていたものを失くして、キラの存在が分からないと不安なのかもしれない。
    (無理もありませんわ…こればかりはキラにお任せするしかないですわね)

    漸くシーゲルと通信で会話が繋がり、キラ達は色んな情勢の流れを知った。
    『開戦前は、パトリックを嫌疑から守る為に保護していたが、今は少し事情が変わってしまった』
    シーゲルの言う所によると、こうだ。
    噂が一人歩きしてパトリックが捕まらないように保護している間に核攻撃により開戦されてしまった。プラント国内には当然怒りが満ち、報復を訴える声が爆発的に高まった。すると今度は“やはりパトリックのようにナチュラルは殲滅すべきでないのか”という主張が世間を覆い、本来ならパトリック本人によって噂を否定させる予定が潰れてしまった。いまこの状況でパトリックが戦争をすべきでないといえば、尚の事国民は何故戦わないのかと反感を強く抱いてしまうからだ。
    『私はザフト本部を囲うデモ隊の沈静などに明け暮れていたのだが、その時に彼女がいきなり現れたんだ』
    キラ達にも分かるよう、モニターに映像が映し出される。そこにいるのは“ラクス・クライン”。どうか落ち着いてくださいと国民に訴える声も、ラクスの声だ。

  • 83126/02/06(金) 23:02:02

    『私はすぐアプリリウスへ戻ってデュランダルを問い詰めた。私が自分の娘を間違えるはずがない。どういうつもりなのかと怒鳴り込んだ』
    デュランダルは言い訳をしなかった。本当に申し訳ないと、殊勝に頭を下げまでした。
    これはラクスを守る為でもあるのだと。デュランダルは旧ザラ派がオーブにラクス、そしてアスランが居ることを突き止め、先の大戦の平和のシンボルであるラクスの暗殺と、自分達の神輿としてアスランを拉致する計画を立てた情報を掴み、あえて影武者を立てることで混乱させその身を守ろうとしたのだと言う。
    しかし確かに国民を宥める為にラクスの名声を利用したことは否定しない、終戦さえしたら自分は責任を取って議長の座を降りてもいいと。
    『ラクス達からの連絡が来るまでは嘘を並び立てたのかと思っていたが、まさか暗殺部隊が本当に来ていたとはな…』
    「はい、お父様。私とアスランが狙いだったことも間違いはありません」
    『無事で良かった…という訳でもないな。アスランから能力を奪うとは……』
    プラントで起きていることと、此方で起きたことの情報の交換が一通り終わった所で、キラがシーゲルに問い掛ける。
    「シーゲルさんはどう考えているんですか?」
    『幾ら説明されたところではいそうですかと納得するはずもない。彼女の登用は今後はしないようにと釘を差しはしたが…』
    「素直に聞く保証もない、ですね」
    『その通りだ。何を考えているのか分からない男だ…戦争の拡大を避けたい、平和にしたいという考えは嘘ではないと思いたいがな…』
    「……あの暗殺部隊が旧ザラ派、か」
    確かにザフトのザラ派が動いた、という主張に筋自体は通っているが、あまりに都合の良い話だと思った。
    これからどう動くべきなのか、一同は頭を悩ませるのだった。

  • 84二次元好きの匿名さん26/02/07(土) 08:22:42

    シゲパパ頑張れ
    議長慎重にことを運んでる分厄介さが増してるような…

  • 85二次元好きの匿名さん26/02/07(土) 16:26:41

    白仮面先生が議長をぶん殴ってくれたらよいのだけどな、どこにいるんだあの人…
    シーゲルさん、もっと言ってやって!

    キラアスはもう四六時中手を繋いで生活しても誰も文句言わないよ!むしろもっとやれ

  • 86126/02/07(土) 22:45:43

    ギルバート・デュランダル。アーモリーワンで会った時から、何処か掴みどころのない人物のようには思っていたが、果たして彼がどんな人間なのかを語れる者はこの場には存在しなかった。
    『とにかく私の方で色々と調べてみようと思うが……君たちはこれからどうするんだ』
    「ひとまず、オーブの方からなんとかしようと思います」
    『そうか……ウズミ代表が居るからこそまだ大西洋連邦と同盟を避けられているのだろうな。内部の敵ほど厄介なものはない』
    いつだって政争に置いて大変なのは同胞と足並みを揃えることだ。十人十色と言うように、人それぞれに想いがあり価値観がある。
    『君達が狙われているのは確かだ。無理だけはしないようにしてくれ』
    「分かっていますわ。お父様も、ご無理なさらずに…」
    一度シーゲルとの通信を終え、ブリッジには沈黙が降りた。まさかラクスの偽物が出てくるなど、誰も想像すらしていなかった。
    「ラクス、大丈夫か。あまり良い気分になるものではないだろう」
    「少し驚きましたが…大丈夫ですわ。ありがとうカガリさん」
    「そんな手段を取らなければならないほど、プラントは荒れていたのか…」
    核攻撃による開戦なのだから無理もないことだろうが、あれほどの犠牲を払ってもまだ争いを望んでしまうというのは悲しいことだ。
    「ところでキラ、オーブからどうにかすると言っていたが…何か考えがあるのか?」
    「あー…うん…あるっていうか…」
    カガリから話を振られ、キラは不自然に視線を反らした。その隣に立つアスランはどうしたのかというように首を傾げる。
    「要は、セイランが地球軍と繋がってる証拠があればあいつらについてはなんとかなるでしょ?」
    「そうだな…キラ達が見たように、地球軍の部隊がアスランを連れ去ろうとしたのは間違いがないんだ。ザフトの部隊と鉢合わせて即撤退したようだがな…」
    「一応あの家の監視カメラデータは抜いてきたんだ。どうせすぐ証拠隠滅されちゃうだろうと思って」
    眠るアスランを連れてアークエンジェルへ移動する前になんとかデータは持ち出した。だが、それだけではセイランと地球軍の繋がりは見えてこない。
    「それで……もっと確実なデータが残ってないかなと思って……ちょっとハッキングを…」
    「は?」
    決してカガリの方を向こうとしないキラに、なんだかとっても嫌な予感がした。

  • 87126/02/07(土) 22:47:51

    「ハッキング?何処をだ?」
    「……オーブ行政府」
    「はあ!?」
    「と、セイラン家と、軍港付近の監視システム……」
    「はぁああ!?一体いつそんな時間があったんだよ!」
    「元はただ趣味で作って遊んでた自動プログラムなんだけど……これ今使えるかもって。走らせてからそろそろ経つから直に終わると思う……わっ!」
    「キィ〜〜ラァ〜〜!!!」
    襟首とガシッと掴み、カガリは容赦なく揺さぶった。国のセキュリティを突破されるなど思ってもみなかったが、よく考えればキラは、モルゲンレーテが技術力を注いで作ったものより優秀なOSをあっさり作ってくる男なのだった(アスランへの愛で本編より76%性能が良くなった例のナチュラル用OS)
    「そんなもの遊びで作るな!!」
    「だって島暮らししてると、凝ったプログラム作る時間もたっぷりあるし最高の相談相手もいるし…!」
    「アスラン!!」
    「い、いやまさかキラがそんな代物を製作してるとは俺も知らなかったんだ…!てっきりモルゲンレーテからの依頼だとばかり…」
    「そのおかげでなんとかなりそうなんだから許して!」
    「分かってはいるけどそれとこれとは別だ!!ちゃんとバレずに元に戻せるんだろうな!?」
    「それは大丈夫、調べ終われば跡形もなく綺麗さっぱり消えるようにしてあるから」
    「……そうか…」
    がっくりとカガリは床に項垂れた。オーブのセキュリティ向上を早急に行わなければならないが、もうそれもキラに頼んだほうが良いのだろうか。いや、どんなバックドアを仕掛けられるか分からないから駄目だ。コイツはアスランの為なら法の一つや二つや三つは平気で破る。しかしそれで国が救われそうだという事実が複雑な感情をカガリに抱かせた。
    「キラ君…やりすぎよ」
    「いや、砂漠の時から思ってたけど怒らせたら本当に怖い男だなあ君は」
    ついにマリューやバルトフェルドからも呆れの声が上げられてしまった。
    「人のお嫁さんで人身売買するような奴らに遠慮が要りますか?」
    「セイランには要らないけれどこれはカガリさんにも大ダメージみたいだわ…」
    「カガリごめんね…こんな非常時じゃなきゃ絶対にしないから」
    といつつ、これがオーブ国内だからなんとかなっただけで、流石に此処からプラントの機密を漁るのは難易度とリスクがあり過ぎて断念せざるを得ないことを内心で残念に思っているキラだった。

  • 88126/02/07(土) 22:49:24

    手に入れたデータは?

    dice1d4=3 (3)

    1.ユウナの黒歴史や恥ずかしい秘密

    2.↑+セイランが連邦にアスランの情報を伝えたメール

    3.↑↑+連邦の部隊の侵入経路の指示

    4.上記三つ+繋がってる相手がジブリール(ブルコス盟主)ということ


    1だった場合、セイランへの追求が間に合わずオーブは同盟を結んでしまうか?

    dice1d2=1 (1)

    1.ウズミを拘束して無理やり同盟を結ぶ

    2.内部の分裂がありまだ結ばないで済んでいる


    ウズミが生存している時点で連邦と同盟結ぶとは考えにくいので確率は大分下げてます。

  • 89二次元好きの匿名さん26/02/08(日) 08:36:03

    保守

  • 90二次元好きの匿名さん26/02/08(日) 09:00:16

    カガリの怒涛のツッコミ!
    まあまあお姉ちゃん、そのおかげてかなりの情報を手に入れれたので…
    (・ω・)つ【胃薬】

  • 91二次元好きの匿名さん26/02/08(日) 16:53:08

    無理矢理同盟結ばれるところだったから1じゃなくて良かったわ

    ジブリールまでは辿り着けなかったけどかなり有利に進められそうで一安心かな

  • 92126/02/08(日) 23:14:08

    ごっそりセイランの証拠を押さえたことで、それを全てウズミへ送ることが出来たカガリ。
    「……複雑な気分だ……」
    その顔は晴れやかとは言えなかったが、まあオーブが助かってユウナと結婚せずに済むならそれでいいかと自分を納得させた。
    「ていうか、これなら直ぐにでも解決したんじゃないか?」
    「これだってアークエンジェルで脱出するまでに結構準備しておいたから出来たんだよ。元は誰がアスランを監視してるのかとその目的が知りたくて、作ってたプログラムを改良し始めたんだし…もし襲撃がもっと早かったら無理だったと思うよ」
    「私には専門的な事はよく分からないが…まあキラがそういうならそうなんだろうな」
    但し次はないぞ、と念押しだけはしておく。キラの腕があってもかなりの準備がいるというなら、ほいほい機密が覗かれることはないのだろうが。
    「しかしこれからどうする?オーブへ戻るか?」
    「それが出来たら良いんだけど、多分暫くは無理じゃないかな」
    「……そうだな。大西洋連邦はどうしてもアスランを手に入れたいらしい」
    いまアークエンジェルは海底に潜伏している。だが、セイランが最後の悪あがきとしてしてアークエンジェルにアスランが居る情報を漏らしでもしたのか、どうやら捜索されているようだ。
    “アスラン・ザラ”を捕まえ、ユニウスセブン落下はパトリック主導でありコーディネイターの総意であるとかなんとか自白したとでもすれば、同盟や協力を渋る地域にも更に強く出れるとか、その辺りだろう。
    「向こうも人手をそんなに避けないだろうしかなり小規模な隊で探して見つかればいいな〜ぐらいだろうけどね」
    「だが、それでもオーブに戻れば攻める口実になってしまうだろう。折角、セイランの件で藪蛇をつつかれないよう今は静観しているというのに」
    「アスランは自分のせいだとか気にしちゃ駄目だよ」
    どこか自分を責めるような素振りのあるアスランは、椅子に座らされ後ろからキラにむぎゅっと抱き締められている。旦那さんセラピーである。
    「カガリは帰れなくて心配だろうけど、ウズミさんならあれだけの証拠があればきっと大丈夫だよ」
    「ああ…とりあえず、お前のお陰で助かった。でもこの後どうするんだ?」
    「お父様のツテで、スカンジナビア王国へ行くという手もありますわ。彼処も例の条約に加盟させられてはおりますが…きっと匿ってくださいます」

  • 93126/02/08(日) 23:17:44

    皆の会話を聞いていたアスランが、ふと呟く。
    「……そういえば、ミネルバはどうしているんだろうか」
    「ミネルバかあ。カーペンタリアに着いたとは思うんだけど、その後はどうするんだろうね。気になるの?」
    「俺達が現状プラント側の内情を探れそうなのは、そこくらいだろう」
    「んー…やっぱりそうだよね。でもザフト基地に近付くのはそれもリスクあるし…ただあのレイって子は僕も気になるんだよなあ…」
    本当に一瞬ラウ・ル・クルーゼかと思ったのだ。でも全然別人だったし、気の所為だと思っていたが、宇宙ではムウに似た感覚を感じたこともあって妙に引っ掛かる。もしかして向こうも同じものを感じていたのではないか。
    「……。普通に考えれば、彼等は宇宙へ戻る筈だ。ミネルバは宇宙用戦闘艦だからな」
    「だとしたら、最後のチャンスでもあるのか……シン君なら、僕らの話も聞いてくれるかもしれないし」
    悩み抜いた末、アークエンジェルはカーペンタリア近くまで行くだけ行ってみることにするのだった。

    休息の為に部屋へ戻り、ベッドに座ってごそごそと荷物の準備をするキラの背中にアスランがぽすんと頭を乗せてきた。
    「どうしたの?」
    「……ずるい」
    アスランはぐりぐりと額を背中へ押し付け、キラの服を皺が出来るほど強く掴む。布越しにアスランの吐息を感じる。
    「俺はいまキラの事がわからないのに、キラは他の奴と繋がっているのか」
    浮気者、と小さな文句。そしてアスランは体重を掛けてキラを押し倒した。その上に乗り上げるアスランの顔は淋しげだ。
    「キラは俺のなのに、ずるいだろう」
    俺だけの特権の筈だと、キラの左手の薬指をなぞる。こんなに近くで触れ合ってもなにもないという焦燥。キラはアスランの頭を自分の胸へ引き寄せ、いつもアスランがしてくれるように撫でた。
    「僕は君のだよ。あれはなんか、直感みたいなものだし。そうでなきゃメンデル関連の呪い?」
    「……それを言われたら責められない」
    今度はキラの胸の上でぐりぐりと八つ当たりのように擦りついて、拗ねた声がする。
    「もう、どうしてそんなに可愛いの…ずっと君にメロメロだから他の人なんて見えないよ」
    くるんと体勢を入れ替え、顔中にキスの雨を降らす。目尻に薄っすらと滲んでいた涙も吸い取った。
    共鳴がなくても、互いの肌や体温が恋しいのは変わらない。今はただ不安を溶かすように、深く求め合って眠るのだった。

  • 94二次元好きの匿名さん26/02/09(月) 07:04:28

    メンデルの呪いはなあ…種自由まで追いかけてくるんだもんなあ…

  • 95二次元好きの匿名さん26/02/09(月) 16:09:38

    よしよしアスランの嫉妬だな
    いいぞもっとやれ

    白仮面先生の代わりに自分が二人のあれこれを観察するぜ!

  • 96126/02/09(月) 22:57:52

    僕のお嫁さんは可愛い。
    それはキラが常日頃口にも態度にも出していることだが、当然こんな状況下でもその想いに変わりはない。能力を失くしてから、ずっとキラの側を離れようとしないでくっついてくるのも可愛い。
    でも、それが傷付いているから取る行動だと分かるから、怒りと共に悲しくなる。
    (アスランには笑ってて欲しいのに)
    その為に二年前は頑張って戦争を終わらせたのに、また戦場に来てしまった。こんなことを企んだのが誰かはまだ分からない。物凄く怪しい奴は一人居るのだが、残念なことに証拠がない。
    とにかく、カーペンタリアに行くまでに、キラは一つアスランへ贈り物をすることにした。
    「……キラ、さっきからずっと何をしてるんだ?」
    「ちょっと改造?こういうのはアスランの方が得意なんだけどね…」
    でも、贈り物なので自分がやらなくては意味がない。中の部品をちょっと弄った後はPCと繋げて特製アプリをダウンロード。
    「出来た。アスランにこれあげる」
    「……時計?」
    「うん、りんごウォッチ…の改良版」
    備品の中からこれを見つけたのだが、恐らく長期間に渡って作戦行動に出た際のクルーの健康状態を図る為のものか何かだろう。それをカスタムしたものをアスランの手首に巻き付けて、起動させる。そして同じものを自分の手首にも付けた。
    「こういうスマートウォッチってさ、ヘルスケアとして心拍、血圧、体温、睡眠状態…とにかくあらゆる物を測れるでしょ?そしてそれを共有させることが出来る」
    アスランの手首の画面には、今現在のキラの身体的数値が表示されている。
    「本当はアスランに図面引いてもらって僕がプログラミングして一から作った方がもっと性能が良いもの出来るけど、今は時間も材料もないし、既製品の改造で許して」
    繋がりがあるときは、相手の鼓動さえ感じれるのだ。それを失くして不安になるのは当たり前だし、キラだってかなり堪えている。今はアスランの方が態度に出してくれるから、まだ我慢出来ているだけなのだ。

  • 97126/02/09(月) 22:59:33

    「これがあれば、ちょっとは気も楽かなって思って……どうかな」

    「……キラ」

    漸くモニターから目を離したアスランは、がばっとキラに抱き着いてきた。思わず椅子から転げ落ちそうになったが、アスランの腕が身体をしっかり抱きしめていたのでなんとか椅子の上に留まった。

    「えっと、喜んでくれたみたい?」

    「……いつまでも落ち込んでいてすまなかった」

    「そんなこと気にしなくていいんだよ」

    「大切にする。ずっと付けていることにする」

    「……防水ではあるけど一応シャワーの時とかは外してね」

    まあ壊れても部品さえあればアスランなら直せるだろうが。ちなみに、GPSも当然付いている。メール機能もあるがそれは地球の通信状況に依存してしまいそうだ。やっぱり、出来ることなら自作が一番良い。

    まあ、こんなに喜んでくれたなら、いいか。こうやってぎゅっと抱き着いてきてくれて嬉しいし、可愛いし。アスランのウォッチには、キラのちょっと高い心拍数が表示されていた。


    カーペンタリア基地。

    そこに停泊中のミネルバで、シンは空を見上げていた。

    (無事に着いたのは良いけど、俺達これからどうなるんだろう。修理は直に終わるみたいだけど…)

    未だに何の指令もなく、艦長もプラントからの指示を持っている状態なのかもしれない。

    (……あの人達、今頃何してるんだろう)

    最後に会った時、アスランは自分は見張られていると言っていた。ならやっぱり、オーブではなくプラントに避難した方が良いと思うが、どうなったのかは分からない。

    「そういえば、そろそろ白仮面先生の新作が出る頃だよな。プラントに戻ったら買わないと…」

    『トリィ!』

    「……ん?」

    顔を上げると、小さな影がシンの頭上をくるくると旋回し、基地の外へ飛んでいった。

    「今の、って……まさか!」

    つい先日も、“あの人”の肩の上でよく見たあの鳥だ。シンはその小鳥のロボットを追い掛けて、走り出した。

  • 98二次元好きの匿名さん26/02/10(火) 08:30:29

    ほしゅ

  • 99二次元好きの匿名さん26/02/10(火) 11:54:11

    トリィ有能すぎ問題

    あと白仮面先生の今度の新作はどんな話ですか?
    1冊予約お願いしやす

  • 100二次元好きの匿名さん26/02/10(火) 19:23:47

    運命編になってからまだ一度も登場してないのに存在感ありすぎだろクルーゼ…

  • 101126/02/10(火) 23:12:32

    皆大好き(?)キラアス腕組み後方理解者白仮面お兄さん先生の出番はもうちょっと後です。

    トリィを追い掛けて、基地から離れていくシン。
    (何処まで行くんだ……結構遠くまできちゃったけど)
    海岸から丘を越え、基地が見えなくなる。トリィは、着いてこいというように時折シンの方を振り返るようにしながら飛び続けた。
    『トリィ!』
    そしてやってきた大きな岩の辺りで止まり、囀った。長い事走って息を切らしたシンが追い付くと、岩陰から人が出てくる。キラとアスランだ。
    「……悪いな、シン」
    「ッ…やっぱり……はぁっ……ちょっと走らせすぎですよ!」
    「ごめんね、でもあんまり基地には近づけなくて」
    トリィの時点で分かってはいたが、まさかこんな所で彼等と再会するとは思わなかった。深呼吸をして息を落ち着け、二人の方へと歩いていく。
    「……それで、どうしてこんな所にいるんです!?」
    「話せば長くなるんだが…俺達はいま、地球軍からもプラントからも狙われているんだ」
    「はあ!?なにやらかしたんですか!」
    「何もしてない!」
    「ていうかオーブは!?あれから何がどうなってそんなことに…」
    「ちゃんと説明するよ。僕達、そのことでシン君に会いに来たんだから」
    ひとまず、シンも岩陰に引き込んで、万が一にでも人目につかないように三人で座り込んだ。
    「……まず、地球軍の方だけどね。彼奴等はアスランを捕まえたいんだ」
    「捕まえる?」
    「……地球軍は、開戦前に“ユニウスセブン落下のテログループ、及びその一派の逮捕と引き渡し”を要求していただろう」
    「アスランを捕まえて、全部パトリックお義父さんのせいにして、コーディネイターへの非難を集めたいんだ……これだから昔から嫌いなんだよなあ、連合…ブルーコスモスって」
    今回のことで連合嫌いに拍車が掛かってしまい、キラは刺々しい口調になった。俺達ザフトより連合のこと嫌いなんじゃないかとシンは思ったが、まあキラの言い分は分かる。

  • 102126/02/10(火) 23:14:32

    「やっぱり、パトリック・ザラが主犯っていう噂も、地球軍が流したってことなんですか」

    「そうだろうね。オーブにもセイランっていう大西洋連邦の手先が居るから、彼奴等が積極的に国内で噂流してたのもある」

    「……セイラン……」

    「まあ、セイランの方は片付いたから良いけど…ウズミさんの頑張りもあって同盟組まずに済んだしね」

    「……そうですか」

    少しだけ、シンがほっとしたような顔をしたのを二人は見逃さなかった。複雑な胸中だろうが、やはり彼にとってオーブは故郷なのだ。

    ちなみに、片付いたといっても、カガリは少なくとも一発はユウナを殴りたいらしい。その時は絶対にキラも立ち会う予定だ。

    「それで、プラントからも狙われているっていうのはなんなんですか?俺達はそんな話、何も知らないですけど…」

    少なくとも、ミネルバやカーペンタリアでそんな動きはないし、何の指示も出ていない。

    「……ラクスを暗殺しようと、ザフトの暗殺部隊がやってきた」

    「ッ!?それ、本当にザフトなんですか!?」

    「ロールアウトしたばかりのザフトの新型モビルスーツだったから間違いないよ。それにあいつらは、ラクスだけじゃなくてアスランを拉致しようともした」

    「ま、待ってください…!地球軍はともかく、なんでザフトが……それに、俺も気になってたんです、“ラクス・クライン”のこと!カーペンタリアで映像を見て…でもオーブにあの人は居たはずで……誰にも言うなって言われたから、俺ずっと一人で考えてたんですよ!」

    頭の中がこんがらがって、シンは思わず叫んだ。地球軍、プラント、オーブの色んな話が一度にきて何が何だか分からない。

    「いきなりこんな話してごめん。分からないことや質問があれば、ちゃんと答えるから」

    改めて、今まで自分達に起きたことやどうしてカーペンタリアにまで来たのかを、順を追って説明し直す。そして、一番の核心に触れた。

    「僕らは、ギルバート・デュランダル議長を疑っているんだ」


    話を聞いたシンの反応は?

    100ほど全面的にキラアスを信じる、1ほど流石にまだ議長のせいだと言い切れないのでは?と思う。

    ※既にキラアスと交流があるので二人を疑いはしません

    dice1d100=30 (30)

  • 103二次元好きの匿名さん26/02/11(水) 01:19:31

    ふむ、疑いきれるほどじゃないけど怪しさは感じてるレベルかな?
    後一押しがキラアス腕組み後方理解者白仮面お兄さんになりそう

  • 104二次元好きの匿名さん26/02/11(水) 08:48:50

    まあ二人が嘘をいうとは思えないけど、あの議長がそんなことするとは思えないって思うよね…
    これはしゃーなし…

  • 105二次元好きの匿名さん26/02/11(水) 17:08:42

    トップを疑えってのは中々最初は信じられないからねえ、30あるだけマシだと思おう
    狙われてる事実を話しておけば後々芽が出る

    白仮面先生がどのタイミングで出てくるか楽しみだな〜

  • 106126/02/11(水) 23:47:23

    今日はお休みで、明日続き上げます。
    シンに議長への疑問が芽生えただけ本編よりずっと良さそうです。白仮面先生の新作は噂によると吸血鬼と狼男のダークファンタジーものらしいです。

     
    ↓これはいつか形にするかもとメモしてた小ネタです。

    「カガリから紹介して貰った宝石店が凄い良かったから、今度の結婚記念日にまたお願いしたいんだよね」
    「お、いいじゃないか。私からもまた声を掛けておくぞ。今度は何を買うんだ?」
    「ペンダントがいいかなって」
    「そういえば、このハウメア石は律儀に返しに来たな。別にあのままアスランにやっても良かったんだか」
    「サムシングボロードは“借りたもの”だからね。貰っちゃうと変わっちゃうし」
    「まあ、それもそうだな」
    「あとやっぱり僕が贈ったものがいいっていうか……カガリの気持ちは凄く嬉しいんだけど、これは独占欲の問題なんだ」
    「あー、分かってる、分かってる。気にするな。いっそ首輪にでもしとけ」
    「勿論チョーカーの選択肢も考えてるよ?」
    「あの店なら何でもオーダー受けてくれるからな。ロケットペンダントにでもして写真を入れることも出来るぞ」
    「僕としては魅力的なんだけど、アスランが嫌がるかなって。ずっと身につけて眺めてたら、たぶん写真の自分にヤキモチ妬くから」
    「……写真の自分にか。彼奴も大概だな」
    「凄く可愛いよね」
    「漏れ鍋に綴じ蓋ってお前らの為にある言葉なのかもしれないな」

  • 107二次元好きの匿名さん26/02/12(木) 07:09:30

    首輪か…監き…ゲフンゲフン、なんでもありません。

    ペンダントいいと思います!

  • 108二次元好きの匿名さん26/02/12(木) 15:22:06

    いいですなあ~お互いの目の色の宝石が埋め込まれたペンダントを揃いで買うとしたら独占欲丸出し感たまらないことになりそうですわ~
    現在嫁が狙われまくってますからね、自分のものアピールは盛大にしてもバチは当たりませんむしろもっとやってくれとお願いしたい

  • 109二次元好きの匿名さん26/02/12(木) 22:53:33

    保守

  • 110126/02/12(木) 23:30:46

    また宝石店再訪の回も何処か隙を見てやりたいですね。

    キラとアスランの話を聞き、シンは絶句した。それから暫く黙り込んだあと、ゆっくり口を開いた。
    「……話は分かりました。でも、流石に、信じられないっていうか……議長が犯人っていうのはまだ言い切れないんじゃないですか」
    「シン君…」
    「俺も……ラクスさんのことは正直、どうかと思いますけど。勝手に姿や名前を借りるのは良くないです。だからお二人が怪しむのは、分かるんですけど…」
    デュランダルは良い指導者として広く認識されている。この戦争の中でも、あくまで目的は対話による終戦、争いは積極的自衛権の行使という範疇に留めている。それをいきなり疑えというのは無理な話だろう。
    「……すぐ信じられないのは仕方がない。実際俺達にもまだ何も分かっていない。だから、知りたいんだ」
    アスランは、シンを真っ直ぐに見た。翡翠色がシンの真紅の眼に映り込む。
    「このままでは俺達は……俺の大切な人達は何処にも行けない。何処に行くことも、帰ることも出来ないんだ」
    確かに、議長でないにしてもプラント側から刺客が送られたことも、地球軍がアスランを利用しようとしているのも事実なのだ。このままでは彼等はアスランの言う通り何処に行けばいいのか分からないだろう。
    「……その、俺は…」
    シンが何か言わなくてはと思ったとき、遠くから微かに声がした。
    「シーンー?何処にいるのー?」
    その声はよく知ったものだった。
    「……ルナ!?なんでルナが……」
    「君を探してるみたいだね…」
    「ちょ、ちょっと俺行ってきます…!」
    まだだいぶ遠くに居るようだが、此処まで来られたら不味い。シンは慌てて、ルナマリアの方まで走って行った。
    「ルナ!」
    「あ!シンなんでこんな遠くまで来ちゃってるのよ!」
    「いや……その、ちょっと走りたくて……?」
    「ジムじゃ駄目だったの?折角の地球だから分からなくもないけど……まあいいわ、それより大変なことになったの!」
    「大変なこと?」
    「私達、これからジブラルタルにまで行くみたい。スエズの残留軍を支援せよ、って指令がプラントから来たんですって」
    「ええ!?なんで!?」
    「知らないわよ!とにかく、それでシンを探しにきたの。戻るわよ」

  • 111126/02/12(木) 23:32:21

    「あ……あー!休んでた場所にタオル置いてきちゃってた!取ってくるからルナは先に戻ってて!」
    「ちょっとシン……もう、なんで忘れ物するかな」
    一目散に駆けてくシンにやれやれと肩を竦め、ルナマリアは先に戻っていった。

    「……スエズの支援?ミネルバが?」
    何度も往復してゼーハーと息を乱したシンから話を聞いて、アスランは考え込んだ。
    「最近、ユーラシア西側が地球軍に反発して争いが起きている、という話は聞いたが…」
    「地球軍が武力制圧してるって所でしょ……まあ、住民が反抗するのも当たり前だよね」
    「…つまり、そこを解放して行け、という事だろう」
    「どういう魂胆だろうね。プラントに領土的野心はないんじゃないの?」
    「俺にだって……はあ…何がなんだか分かりませんよ……でも、どうせ地球軍と戦ってるんだし、良くないですか?」
    そこに困ってる人がいるんだし、というシンの言い分自体は間違いではない。だが議長の考えが読めない。どうすべきか頭を悩ませていると、キラが携帯していた無線にアークエンジェルから通信が入る。
    『キラ、聞こえる?』
    「ミリィ……どうしたの?」
    『いまターミナルを経由して気になる連絡が入ったの。“梟を黄昏へ遣わす女神の進む先、美しき海辺の街で待つ”って。差出人は不明』
    「……ふくろう?」
    内容を悟られないように暗号や暗喩を用いることは珍しくないが、これはまったく分からない。キラが首を傾げていると、シンがそれって、と声を上げた。
    「それ、ミネルバのことじゃないですか?女神ミネルバは梟を従えてるから……白仮面先生の本におんなじような表現があって…」
    「……あの人はもっと普通のやりとり出来ないの?」
    思わずキラは渋面を浮かべる。まさかとは思っていたが、白仮面、あまりにまんま過ぎる。直接的過ぎて逆に違うだろうと思っていたが、もしかするとそれが狙いなのかもしれない。
    「ミネルバの目的地はジブラルタル……海辺の街……ディオキアか」
    「そこにもザフトの基地があったね。なら、確かに無事に進めば自然とミネルバは立ち寄るだろうね」
    「…キラ」
    アスランは顔を上げると、キラの方を向いた。キラは顔を顰めて首を振る。

  • 112126/02/12(木) 23:34:21

    「駄目。何を言おうとしてるか分かるよ。だから絶対駄目」
    「だがやっと見付けた手掛かりだ。どうも議長の関心はミネルバにあるようだからな。この通信の意味はそういうことだろう」
    「いま自分がどういう状態か分かってる?僕がちょっと離れるだけで顔を真っ青にする癖に」
    「もう大丈夫だ。それに、俺はキラにただ守られるだけなのは嫌だ」
    キラの手を頬へ押し当てる。温かくて大好きな手だ。この感触と体温だけでアスランは充分に酔えるが、あの指先だけで思考を全て開かれる感覚を待ち望んでしまう。
    「今までキラにばかり頑張らせてしまった…俺も自分が出来ることをしたい」
    「前に勝手にカフェで働いて数ヶ月お出かけ禁止にされたの忘れたの」
    次は手足縛ってでも閉じ込めるよ、とアスランにとっては脅しにならないことをキラは言う。キラの手に顔を擦り寄せ、目を細める。
    「俺がそれを嫌だと感じると思うか。キラがしたいなら、何ヶ月だろうが何年だろうが、構わない。だが、今のままじゃ家にだって帰れない…俺は早くあの家で、あの感覚を取り戻してキラと過ごしたいんだ」
    自他ともに認める行動的なアスランが、それを差し出してもいいというのだから、それはキラへの最大級の愛だ。擦り寄っていた手のひらに、ちゅ、と唇をくっつける。
    「それに、キラがやけに気にしてる“彼”をどう様子を見て判断する気なんだ?上手く行けばイザーク達にも俺達の状況が…」
    「……もう!!」
    「むぐ」
    「ほんっとうに分からず屋!」
    両手で頬をぎゅうと潰される。そのままもにもにとキラの苛立ちのまま揉まれて、少し痛い。
    「アスランの心拍や血圧にちょっとでも異変があったら僕はカーペンタリア基地ごと制圧する事になるんだけどその辺りは分かって言ってるの?」
    「聞き捨てならないこと言わないでくれませんか!?」
    反射的にシンは叫んだ。話の中身は全く見えないが、此処にザフト軍人が居るのだから物騒な発言は控えて欲しい。
    「ていうかシン君はなんでずっと手で顔を覆ってるの?」
    「人の目の前であんな雰囲気出しといてそれ聞くんですか…」
    人目を気にしない妙に艶っぽいイチャつきは控えてほしい。シンは心からそう思うのだった。

  • 113二次元好きの匿名さん26/02/13(金) 06:53:44

    シンがんばれ、その旦那は本気だぞ…

  • 114二次元好きの匿名さん26/02/13(金) 15:41:49

    まあ今はアスランが考えてる手段が最適なのはそうなんだよな…
    (一歩間違えればフリーダムに襲われるけど)

  • 115126/02/13(金) 22:57:24

    ミネルバ、艦長室。
    タリアは深い溜息を吐いた。
    「……つまり、貴方はプラントとコンタクトが取りたい、ということ?」
    「はい」
    目の前に立つアスラン・ザラの扱いをどうすべきかという問題が急に転がり込んできたせいである。
    「私が地球軍に目を付けられている以上、オーブには留まれません。父や知り合いの居るプラントへ行くべきだと判断しました」
    「わざわざカーペンタリアまで来て?」
    「……グラディス艦長もご存知の事と思いますが、オーブも立場の危うい時です。今私の為にプラントへシャトルを飛ばせと我儘は言えません」
    「あの旦那さんは?」
    「キラはオーブ軍に籍を置く身なのです」
    「……なるほど、それで貴方だけでも…ってことなのかしら」
    一通り事情を聞いて、タリアはひとまず言い分を受け入れた。いきなりカーペンタリア基地にやってきて、タリアへの面会を希望してきた時は何事かと思ったが。
    「しかし無謀ね。今は民間人の貴方が軍の基地に来るなんて」
    「ザフトには友人が居ますので、連絡さえ取れればなんとかなると思いまして」
    「そう。なんにせよ、いいわ。連絡を繋いであげましょう」
    「ありがとうございます」
    「部屋を貸すわ。そこで待っていなさい。案内はシンにさせます」
    促されて艦長室を出ると、そこには人混みが出来ていた。扉のすぐ横にシンが待っていたので、アスランの腕を引いてその場をずんずん進み、あてがわれた部屋まで。
    「アンタいったい何考えてんですか!?」
    アスランを部屋に押し込むと、シンは開口一番に怒鳴った。
    「俺が帰ってから何がどうなってこうなってんですか?!」
    「簡単に言うと、潜入捜査…というところだな」
    「はあ!?」
    「まあ座れ。ちゃんと話す」
    寝具にアスランが腰掛け、シンは椅子の方へと座らされる。
    「まず、俺達はディオキアまで行かなければならなくなった…が、ただ行けばいいって訳じゃない。今行っても地球軍の支配下だからな」
    「だから俺達が行くことになって……あっ」
    「そうだ、今回のミネルバの作戦は必ず成功して貰わなくてはならない。……あの人がディオキアを指定した辺り、この作戦が成功すること自体に問題はないんだろうしな」
    「え?後半よく聞こえなかったんですけど……」
    「此方の話だ。まあ、だから…それなら色々と探りがてら、俺がミネルバに搭乗させて貰えたらそれが一番良いと思ったんだ」

  • 116126/02/13(金) 22:59:29

    「搭乗って……アンタを乗せてディオキアまで?」
    「ユニウスセブンで少し見掛けたかもしれないが、俺にはイザークという友人がいる。アイツとコンタクトが取れれば……まあ確実に怒鳴られるだろうが、便宜を図ってくれるだろうと思ってな」
    「……キラさんよく許しましたね」
    「かなり不服そうだったが現状それしか手がないからな……でも約束事はいっぱいさせられたぞ。GPSは常にONだとか、キラが攫いに来たらその時は大人しく着いてくるように、とかな」
    それ認めちゃうんだ、とか、なんかちょっと嬉しそうだな、と思ったがこの夫夫にそんなツッコミは無意味だとシンは悟りつつあった。
    「後はまあ、これがあるから」
    「……時計?ですか?」
    「これで互いの身体数値を常に送り合っている。異常があればすぐ分かる……今のキラの心拍はちょっと早い。俺を心配してそわそわしてるのかもな」
    「…………ソウデアリマスカ」
    「誰にも言うなよ。取り上げられたら困る」
    「言えませんよ怖いですから」
    怖い?と首を傾げるアスランからさりげなくシンは目を逸らした。
    「でも搭乗するって言ったって、アンタどうするんですか?ただ見てるだけ?」
    「そう責めるな…復隊は簡単じゃないし機体だってないんだ。……ジャスティスは出せないしな」
    「そんなもの出したら大問題ですよ」
    「分かっている。まあそれが、俺達が自分達ではディオキアに行けず地球軍とも戦えない理由だからな」
    仮にフリーダムとジャスティスとアークエンジェルで地球軍を追い払えたとして、その後が色々と大変過ぎるのだ。先の大戦の英雄として扱われているものがザフトに肩入れしていると思われても困る。下手な戦闘行為は避けるべきなのだ。
    もし向こうから襲ってきたなら、話は別だが。
    「本当に議長を疑ってるんですね」
    「別にどうしても犯人にしたい訳じゃない。違うならそれでいい。その場合は別の犯人が居るというだけだからな」
    なんにせよ真実を知りたい。アスランは自分が動くことで何か起きないかと考えていたが……

    それはすぐ判明した。
    アスランがカーペンタリアに現れたと聞いた議長から即座にミネルバへ連絡が入り……基地へ、ZGMF-X23Sセイバーが送り届けられたのだった。
    アスランの、復隊許可と共に。

  • 117二次元好きの匿名さん26/02/14(土) 06:59:40

    議長仕事早いなあ
    あとこれしか方法がないとはいえ無茶をするアスランにイザーク達の説教が待ってそう

  • 118二次元好きの匿名さん26/02/14(土) 16:27:21

    保守

  • 119126/02/14(土) 22:45:45

    【今はただ静かにやすらかに】
    これは二年間の間にあったバレンタインの話。

    二月十四日。
    それはあの悲劇が起きた瞬間から、日の持つ意味が大きく変わってしまった日。
    店先に並ぶものはチョコレートよりも花束やキャンドルなどの追悼を意味するものが増えた。
    そしてアスランもまた、街で買った花束を抱え、自宅のある島の砂浜に立っていた。見上げた空には、一面の星。そのどれか一つが、母の眠る地だ。
    「今年も墓参りには行けそうにありません」
    プラントに出入りする手続きが面倒かつ複雑な案件で、またプラントでも今日という日は式典が開かれているだろうから波風は立てたくない。さっきパトリックとは少し話した。父もまた、最愛の人を失った悲しみを胸中に満たしているのだ。悲しみを共有出来るだけ、父との関係も良くなったと思う。
    「でも、今年もラクスが歌ってくれました。歌の良し悪しが分からない俺でも、彼女の歌は好きです。キラのきょうだいであるカガリもウズミさんと一緒にオーブで追悼の言葉を発しています。悲しみに眼が眩んで、見るべきものを見なかった俺は馬鹿です」
    懺悔のように、ただ海へ向かって呟く。
    「だからもう、俺は大切なものを見失いません」
    手首に巻いたブレスレットは、レノアの形見。そこにまだ母の温もりを探す。後ろから砂浜を踏み締める足音がして、アスランの隣に並んだ。
    「お話、終わった?」
    「ああ…ちゃんと言うべきことは言った」
    「そっか。じゃあ、僕も一緒に祈るよ」
    手を繋いで、目を閉じた。
    ふと思い出したのは、母と暮らしていた月の頃。まだ、バレンタインを無邪気に過ごしていた日々のことだった。

    「アスラン、またそんなにチョコ貰ったんだ…」
    学校から家への帰り道、アスランの手にした紙袋にはみっちりとチョコレートが詰まっていた。下駄箱、机、手渡し…ありとあらゆる手段で今日一日掛けて渡されたものたちだ。
    「キラも貰っただろ?」
    「僕は仲の良い子からちょっと貰っただけだもん。アスランのは、多すぎるよ」
    「なんだよ。前までは俺が貰った分もいっぱい食べれる!なんて喜んでた癖に」
    「だって、年々アスランが貰うやつ、いわゆる本命感が主張するようになったっていうか…なんか嫌なんだもん」
    むすっとしたキラは、繋いだ手をぶんぶん揺らす。アスランがチョコを受け取るたびに、キラの心は不機嫌な色に染まっていった。

  • 120126/02/14(土) 22:47:05

    アスランだって、キラが貰えば良い気はしなくて、胸の奥がちくりと痛むのを疑問に思っていた。
    「そんなチョコ一つで僕からアスランを奪おうだなんてさ」
    「奪うって…誰もそんな深く考えてはないよ……こういうのって、ただ騒いで楽しみたいだけだ」
    自分を本気で好きなわけではない。だって彼女達はアスランのことなんて何も知らないのだ。
    此の世でアスランを理解しているのは、キラだけだ。
    「早く帰ろ」
    「……うん」
    繋いだ指先がすり、と肌をなぞってこくんと唾を飲んだ。最近キラと共鳴しているとき、ふわふわしてぼうっとして、そのまま熱くて気持ちのいい事をしてしまう。体温が上がって紙袋の中のチョコさえ溶け出しそうだ。
    「ねえアスラン、僕にチョコ頂戴」
    「いきなり言われたって用意してない」
    「じゃあ来年!僕にだけチョコ渡して」
    「はいはい、分かった分かった」
    こんなキラの我儘には慣れっこで、アスランは対して気負わず了承した。
    すぐに、別れが訪れるとは知らずに。
    来年、その日に母を失うとも知らずに。

    「昔さ、この日は母さんがよくチョコをお菓子を作ってくれて、アスランを迎えに来るレノアさんの手には高くて綺麗なチョコレートの箱があったよね」
    愛する息子と親友家族へ、多忙なレノアなりに精一杯の想いだったのかもしれない。あの時は聞かなかったが、母も父にこっそりチョコを贈って居たのだろうか。
    今度会えたら、勇気を出して父に聞いてみよう。アスランは、抱えていた花束を海へ流した。地平線の果てに消えるまで眺める。冷たい風が二人の髪を揺らし、波を立てた。
    「家に戻ろうか。あったかいお茶でも淹れよう」
    「そうだな…風邪でも引いたら困る」
    「僕は風邪引いたことないの知ってるでしょ。アスランはたまーに変なタイミングで熱出すよね」
    明かりの灯る家にキラが居ること。昔から変わらないアスランの幸せ。今のアスランには、あの頃分からなかったことが分かるようになって、それをレノアに聞いてもらいたかった。全てを花束と共に母へ。

    (俺はキラと結婚して、とても幸せです、母上。安心してください)
    今のアスランには、まだ無理だけれど。いつか、キラと過ごす時間の中で、笑って過ごせるようになったら。
    『アスラン、僕にチョコ頂戴』
    あの無邪気なキラの笑顔の為に、あの日交わした約束が果たせる日が来ることを、願っている。

  • 121二次元好きの匿名さん26/02/15(日) 06:47:49

    バレンタインはまだ複雑だよなあ…
    でもレノアさんに幸せだって報告できて良かった…

  • 122二次元好きの匿名さん26/02/15(日) 15:35:38

    その頃のパトリックの様子も想像するとつれぇ…

  • 123126/02/15(日) 23:08:28

    『いきなりのことで驚いたかもしれないが、君の立場を思うとザフト所属にすることが一番の御守りでないかと思ってね』
    モニター先で、デュランダルはそう言った。アスランの目の前には、懐かしい赤服とFAITHのバッジ。
    「それで私が復隊をして、どうしろと仰るのですか」
    『ミネルバの現状は聞いただろう?彼等は皆優秀なクルーだが、そこに君のような経験豊富な軍人が居てくれたらという、まあ私の我儘だがね』
    「買い被りすぎです。私は長らく民間人をしていた身です」
    『アスランの腕が鈍っていないことは、この間見させて貰ったばかりさ。それに君の助言でミネルバはもう助けられている』
    「……あの機体は、私に?」
    『この戦争を終わらせたい、どうにかしたいという気持ちに置いて、君と私達に違いはあるのかな』
    「いいえ。その点に相違はありません」
    『こんな状況だからね。君にはいざというとき、力のある存在で居て欲しい。あの機体はその為のものだよ。あくまでFAITH権限は、君を通常の指揮系統に組み込みたくなかったからだ。君は君の信念に従ってくれればいい』
    「私は……議長と幾つかお話すべきことがあります。プラントに居る“例の彼女”の事など…」
    『私も君とじっくり話がしたいと思っている。タイミングを見て、私も地球へ降りられたらと考えているんだ』
    アスランは少し逡巡するように視線を彷徨わせ、それから一呼吸整えて敬礼した。
    「分かりました。デュランダル議長のご配慮に感謝します。ザフト復隊及びミネルバへの搭乗、謹んで拝命致します」

    一時的な仮住まいだった部屋は、そのままアスランの私室になった。
    「……しかし、こうもとんとん拍子に事が進むとは思わなかった」
    新品の赤服はまだ糊が効いていて、パリッとしている。一応前に着ていた物もクローゼットの奥辺りにまだ眠っていたなとぼんやり思い出した。
    「復隊して戦闘に出れるなら、ただの客でいるより動きやすいのはそうだが…その辺はイザークにどうにかしてもらう予定だったんだがな…」

  • 124126/02/15(日) 23:10:44

    「納得いかないのは此方ですよ」
    出戻りでFAITHなんてアリなのかとシンはちょっと不服そうにアスランを見た。これにはアスランも肩を竦めるしかない。
    「文句は俺に言うなよ。全部議長の計らいなんだからな」
    「議長が犯人とまでは思いませんけど、何考えてるんだ…とは思いますよ、俺だって」
    「好意的に捉えるなら、俺への気遣い。またはミネルバにちょうどいい戦力が転がってきたから活用しようという辺りだろう」
    「アンタはそう思ってないんでしょ」
    「まあ、この用意の早さだとな……別の企みがあるのではと考えてしまう」
    襟元を正し、FAITHのバッジを付ける。実際、FAITHはアスランに一度は与えられたものなので、かつての立場にそのまま復帰したという形になる。
    アカデミーの頃から散々聞いた“アスラン・ザラ”の姿がそこにあって、シンはそわそわと落ち着かない気持ちになった。
    「君も俺が戦わないことに不満気だっただろう。これで戦場に出れるんだから我慢してくれ」
    「……はい」
    「しかし、問題はキラだ……俺が何故最初からザフトに戻らなかったかというと、キラの側に居るためだからな……結局こうなってしまったことをなんて言うか…」
    心苦しさでアスランの心はすっかり憂鬱だ。これが最善とはいえ、側に居るという約束を違えるようで気が沈む。
    「頼むので即奇襲なんてことは止めてください……ていうか、本当にキラさんって何者なんですか?」
    「……まあこうなった以上、教えておくべきか」
    キラのありとあらゆるパーソナルはトップシークレット扱いだが、フリーダムのパイロット=キラ、だけなら教えても良いかもしれない。シンは既に自分達にかなり協力してくれているし、今後フリーダムに乗ったキラと関わることがないとも言えない。
    「俺が先の大戦でジャスティスに乗っていたのは知っているな」
    「当たり前です」
    「ジャスティスには兄弟機のフリーダムがいることも、知っているだろう」
    「だから当たり前……っえ?」
    「つまりはそういうことだ。俺のパートナーは私生活も戦場も変わらず一人だけだよ」
    さてキラに連絡しなくてはとウォッチの操作を始めたアスランの横で、シンの驚愕の声がつんざめいた。

  • 125126/02/15(日) 23:13:11

    ・ザフトに復隊することになってしまった

    >反対。戻ってきて

    ・あの場で断ったら怪しまれると思ってもう受けてしまった。すまない。

    >そうなると思ってたから嫌だったのに!

    ・無事にディオキアまで着いたら後は様子見て必ず退役する

    >こんなすぐ復隊させてくるなんてもう黒でしょ

    ・だがなんの証拠にもならない…目的も見えない

    >僕のところに居てくれないの?

    ・その言い方はずるいぞ

    >基地から出たら通信できるかも分からないのに

    ・だからこそ早く力を取り戻したいんだ。何か手掛かりが見つかるかもしれない。頼む、キラ。

    >ミネルバが発進したら後方から追尾する。僕がもう駄目と判断したら攫う。最低条件だよ

    ・了解

    ・あと他の人に近付かないように。結婚指輪は常に見せ付けて。アスランの僕のだって忘れないで


    ウォッチのメール機能でそんなやり取りをしながら、あまりのまだるっこしさにキラは早くも苛々していた。本当ならタイムラグゼロで言葉も思考も明け渡せるのに!と。

    「やっぱりやだ!フリーダム乗る!」

    「だーめーだー!!」

    カガリはキラをがっしり羽交い締めにした。本気で振りほどこうとされたら力負けしてしまうが、そこまでしないだろう。

    「心配なのは私達も同じだが、アスランの意思や努力も汲んでやらないとだろ!」

    「そうですわ、キラ。私だって出来ることなら戻ってきて欲しいですが、ザフト基地へ乗り込むのはいけません」

    そしたら本格的にザフトまで敵に回してしまいますわ、という言葉にキラは暴れるのを止めた。

    「分かってるよ…僕だって、アスランが連合なんかに墜とされたりしないのは分かってる…シン君も協力してくれてるから一人って訳じゃないのも…だから何時ものアスランならちょっとだけなら我慢した。でも今のアスランは…」

    ずっと自分の横にくっついて離れなかったアスランの顔色の悪さを思い出す。

    「心配なんだよ…僕達、三年ぶりに再会してからはもう長く離れたことなんてないんだ…」

    自分も含めて、どうなっちゃうか分からない。自覚している以上のお互いへの依存と愛情がどろどろと溢れ出す、そんな存在の重さを再確認する日々が始まろうとしていた。

  • 126二次元好きの匿名さん26/02/16(月) 08:37:59

    まあフリーダムのパイロットを知れば驚くよね…

    読んでる途中でこれ、キラが飛び出そうとして周りから止められてそうだなあ…と思ったら案の定カガリに羽交い締めされてて笑った

  • 127二次元好きの匿名さん26/02/16(月) 16:40:37

    全く議長め、人妻に手を出すとは何と非道な!!!(言い方ぁ!!!)
    大丈夫だキラ、いざとなったらセイバーだるまにしてコクピット部分だけ持ち帰ればいいのさ!
    ミネルバの人たち全員「あ、心配性な旦那が嫁を迎えに来たんだなあ」としか思わんさ!

    二人の読心が早く治ることを祈る所存

  • 128126/02/16(月) 23:13:59

    受領した機体、セイバーの様子を見るため格納庫へ向かうアスラン。
    (まだ機体があったとはな…ということは全部で五機の開発をしていたのか)
    新技術によって作られたセカンドステージ。条約によりNJCが禁止された為バッテリー駆動方式だがデュートリオンビーム送電システムにより長時間の稼働が可能になっている。
    (フリーダムやジャスティスは条約違反に当て嵌まるからな…キラが戦闘にならなければいいが)
    その核エンジンを自宅の電力供給に利用していたなど、改めて考えるととんでもない話である。アスランも初めて知った時は流石に声を失った。が、兵器として利用されるよりずっと良いかと無理やり納得させた。あの二機によってかなり快適な暮らしを送れたのだから、その恩恵を受けているアスランに文句など言えよう筈がないのだった。
    (……あの家に帰りたい。その為にも、早く真実を明らかにしなければ)
    手首のウォッチに表示されているキラの心拍を確認して心を宥める。
    (しかし、セイバーとはまた大層な名前だな。ジャスティスといい……俺への皮肉かとさえ思う)
    毎度受領する機体の名前がどうも重い。ジャスティスに乗った時の状況を思い出して気まで重くなってくる。キラを守りたいあまり自爆までしてキラにもラクスにもカガリにも怒られた。そういえば、その時に吹っ飛んだイージスの頭をキラが回収していたことも物凄く驚いて……
    「ちょっと、無視しないでくださいよ」
    昇降リフトに乗ったところで、後ろからルナマリアが追いかけて来た。どうやら横を素通りしてしまったらしい。
    「え……ああ、悪い。そんなつもりはなかったけど…ちょっと色々とあったんでボーっとしてただけだ」
    「まあ無理もないですけどね、いきなり復隊しろーって言われたんじゃ。でもちょっと嬉しいです。赤服姿が見られて」
    前にも言いましたけど、貴方は私達にとって英雄ですから、とルナマリアは笑う。本当にそんな柄ではないと思いつつ、アスランはコックピットの中で調整を始めた。
    「それで、何か用か?」
    「用っていうか、普通気になりますよ。復隊のことも、それ以外のことも。あとこの機体も!」
    ここで本人に絡みにいけるのがルナマリアの強みである。遠巻きにあれこれ言われるよりアスランとしても幾分楽だった。
    「座ってみたいか?」
    「いいんですか!?」
    「ああ、どうぞ。でも動かすなよ」
    「分かってますよ」

  • 129126/02/16(月) 23:16:11

    コックピットを出てルナマリアを座らせてやる。まあ最新鋭の機体に興味があるのはパイロットとして当然だろう。
    「でも本当に驚きました。復隊もですけど、シンとだいぶ仲良さそうで」
    「仲が良い…かは分からないが、まあ彼には世話になっている」
    「ちょっとだけ事情は聞きましたけど、地球軍のせいで旦那さんと離れることになるなんて災難でしたね」
    「…ああ」
    「前は結局聞けませんでしたけど、旦那さんとの馴れ初めとかって聞いてもいいですか?」
    「別に構わないが、馴れ初めと言われても……キラとは幼馴染だから、もうずっと前からの付き合いになる」
    「幼馴染!?じゃあラクス様と婚約した時は…?」
    「彼女はあくまで婚姻統制で決められた婚約者だし、そもそもお互い恋愛意識はなかったからな。むしろ俺とキラを応援してくれていた」
    「うわ〜凄い!なんか少女漫画みたいですね」
    メイリンとか喜びそう、という言葉でそういえば姉妹なんだったかと思い出した。この艦に乗るからには人員の把握をしなければ。キラが気にしてる彼とも接点を持ちたいものだが、パイロットなら自然と話す機会もありそうだ。元より人付き合いが苦手な自覚があるので、下手に接触するより成り行きに任せる方が良いだろう。
    (しかしキラとの馴れ初め…か)
    月に越すことになって、そこで初めて会ったときのキラは、カリダの後ろに隠れてちらりとアスランを見ているだけだった。とても大人しそうな子だと思った。母から仲良くしてあげてね、と言われていたアスランは、挨拶と共に自分から手を差し出した。
    キラがおずおずとその手を取って、世界が煌めきに満ちた時から、二人の運命は始まったのだ。
    (……キラのことばかりだな、俺は。もう寂しがっているなんて笑われてしまう)
    ルナマリアの話に受け答えはしつつもぼうっとウォッチを眺めていると、下を歩くシンを見付けた。向こうもアスランに気付き、そしてコックピットにルナマリアが居るのも見えたらしい。
    「何やってんですか!」
    「セイバーの調整に来たんだが…先に見学会になってしまった。シンも来るか?」
    「俺は別に……いや、やっぱ行きます」
    機体が気になる気持ち半分、この人放っておくとキラが怖い気持ち半分で、シンは降りてきたリフトに飛び乗った。

    そうして、ミネルバの準備が終わる頃…ネオ・ロアノーク率いる艦隊もまた、待ち伏せの体勢を整えつつあるのだった。

  • 130二次元好きの匿名さん26/02/17(火) 07:47:22

    インド洋戦あたりはそんなに大きく変わることはなさそうだけど基地建設のシーンはシンとアスランの関係がかなり良好だから変化ありそう

  • 131二次元好きの匿名さん26/02/17(火) 17:23:21

    ほしゅ

  • 132126/02/17(火) 23:05:01

    ボズゴルフ級、ニーラゴンゴと共にカーペンタリアを発進したミネルバ。
    アスランはキラに発進した旨を送り、念の為自分もパイロットスーツに着替えておいた。作戦行動中はいざという時のために一人は常に発進待機しているものだが、それがたまたまシンだった為に付き合うことにしたのだ。
    「別にいいんですよ、部屋に居ても」
    「俺を含めたらパイロットは四人だろう。なら二対二で分けたら丁度いい」
    「まあ別にいいですけど…ていうか、今も着いてきてるんですよね……キラさん」
    「俺がミネルバに居る限りはそうだろうな」
    「あの人がフリーダムのパイロットだなんて…どうしてそんなことになったんですか?フリーダムって、ザフトから強奪された機体ですよね」
    「……その辺を話し出すと、途方もなく長くなる。機密もあるし、キラの許可無しに勝手に話せないことも多いしな……気になるならディオキアで合流したら聞けばいい。どんなドキュメンタリーより聴き応えがあることは保証してやるぞ」
    「怖くなってきたんでいいです」
    思わず本音が洩れたシンだった。興味がないといえば嘘にはなるが、なんだか世界の秘密を知るような畏れがあった。
    「ていうか、潜入捜査とか言ってた割にはちゃんと働く気あるんですね」
    「この艦の搭乗員となった以上、責任があるからな。クルーの命を背負うんだ。向かう先がどんな戦場だとしても出撃したら最後まで戦うさ」
    「……なんかあの人がアンタに過保護な理由ちょっと分かったかも」
    ちょっとやそっとじゃどうともならない程の生命力がありそうなのに、急に自分の知らないところでふらっと死にそうな感じが凄くするとシンは思った。もし此処にキラが居たら、僕の苦労を分かってくれる?とシンの肩を叩いていたかもしれない。
    『コンディションレッド発令。コンディションレッド発令。パイロットは搭乗機にて待機せよ』
    二人の会話の最中、アラームとメイリンのアナウンスが入った。軍人らしく、彼等は直ぐに反応した。
    「俺は艦長と少し話す。シンは先に行け」
    「分かってますよ!」
    駆けていくシンを背に、アスランはブリッジへ通信を繋いだ。

  • 133126/02/17(火) 23:10:16

    「グラディス艦長。地球軍ですか?」
    『ええ。どうやらまた待ち伏せされたようだわ。毎度毎度人気者は辛いわね。既に回避は不可能よ。本艦は戦闘に入ります。貴方は?私には貴方への命令権はないわ』
    「私も出ます」
    『いいの?』
    「確かに指揮下にはないかもしれませんが、今は私もこの艦の搭乗員です。私も残念ながらこの戦闘は不可避と考えます」
    『なら発進後のモビルスーツの指揮をお任せしたいわ。いい?』
    「解りました」
    通信を切り、アスランもセイバーへ。コックピットの中で、今自分の心音は通常より速いだろうと思った。それを見たキラはどうしているだろうか。自分も出ると喚いてカガリ辺りに取り押さえられているかもしれない。
    (止められて我慢してくれている間に此方の戦闘が終わるといいがな)
    アスランもこれがセイバー初搭乗かつ初戦闘になる。可変機の経験はあれど、まだこの機体の癖も把握していない。戦いながら掴むしかないだろう、
    「シン、いいか」
    『なんです?』
    「発進後の戦闘指揮は俺が執ることになった」
    『ええ?』
    今まで指揮下での戦闘などしたことがなければ抵抗もあるだろうことは分かったが、アスランはどう言うべきか悩み……キラの言葉を思い出した。

    『いーい、アスラン。僕は能力があってもなくてもアスランの言いたいことなんて全部分かるけど、他の人はそうじゃないんだよ。敵の中に一人で行くようなものなんだから特に気を付けること!シン君しか味方が居ないんだからね!言葉に迷ったらそのまま気持ちを素直に言うんだよ。アスランは難しく考えたら却ってドツボに嵌るんだから。ていうかもう僕も着いてけば良くない?そもそもアスランが行かなければいいと思う、うん、やっぱり止めよう!』
    『キーラー……そんなにしがみつかれたら動けない』
    『動けなくしてるんだよ』

    最後までアスランを行かせまいとしてた姿を思い出して、アスランは少し口元を緩めた。
    「……シンの腕は信用しているが戦いにはチームワークや連携が必要だ。この艦を守る為にも必要な指示は聞いてくれ。いいな?」
    『…了解です』
    果たしてこれであっていたのかどうかは分からないが、ひとまずシンからは了承の返事はきた。ウィンダムの数は三十、カオスも居るという。復隊後早々にかなりの激戦だ。
    「アスラン・ザラ、セイバー発進する!」
    ジャスティスより目立つ赤の機体が、空へと飛び立った。

  • 134126/02/17(火) 23:11:54

    建設中の基地については……

    dice1d4=3 (3)


    1.本編通りにシンが制圧してしまった

    2.制圧しようとしたがアスランの指示で堪えた

    3.先にアスランが気付いて対処した

    4.種割れ×2の活躍で早々に基地の地球軍が逃げた(民間人を避難させる為にシンが暴れる必要がなかった)

  • 135二次元好きの匿名さん26/02/18(水) 07:19:24

    基地はアスランが先に見つけたか

  • 136二次元好きの匿名さん26/02/18(水) 15:43:32

    本編ほどじゃなくても多少ぶつかることはあるかな?と思ったけどやはりここのダイス神は比較的穏やかに進むことを望んでるようで良かった…

    まあまだまだ気は抜けないけど…

  • 137126/02/18(水) 23:36:29

    下に行くほど平穏だったので大分良い結果です。

    ウィンダムの大群と交戦するアスラン達。
    「シン、ミネルバから離れすぎないでくれ。相手に乗せられるなよ」
    『分かってますよ!』
    母艦を落とされたらその時点で終わりだ。レイとルナマリアが水中戦をしている事もあり、シンとアスランで着実に落としていくしかない。
    (あのウィンダム、隊長機か?厄介だな…)
    実力の飛び抜けている機体が一機居るが、地球軍の数は確実に目減りしていく。
    (しかしこの大軍は一体何処から…ん?)
    アスランは、ふと木々の隙間に建物らしきものを見つける。まさか、と様子を見てみると、建設中の基地だった。
    セイバーに気付き地球軍が戦車を持ち出して応戦してくるが、逃げる人々の中に民間人らしき姿を確認した。
    アスランは戦車や砲台のみを破壊し、降伏勧告を繰り返した。地球軍の戦艦が引いていった事もあり、基地も直ぐに降伏した。最も、逃げれる軍人は殆ど逃げたようだったが。
    ミネルバに帰投したアスランがセイバーから降りるとシンの駆け寄ってきた。
    「アスランさん!……いや、隊長…の方がいいのか?」
    「別に何でも構わないが……それよりすまなかったな。離れるなと言った俺が持ち場を預けてしまった」
    「ほんとですよ!と言いたいとこですけど、良いです。地球軍の基地を落としたんでしょ」
    「ああ。まさかカーペンタリア基地の近くにあんなものを造っていたとはな」
    「働かされていた人達が、凄い喜んでましたよ」
    「そうか」
    「…嬉しくないんですか?」
    「俺はただ基地を制圧しただけの軍人だ。ヒーローでもなんでもない」
    セイバーを見上げ、その名を否定するように呟く。
    「でもあの基地のせいで苦しんでた人が助かったんですよ。撃たれた人だって…」
    「人を救いたいというシンの気持ちは分かる。だが力の使い方だけは間違えるなよ」
    「力の……使い方…」
    「力を持つ者ならその力を自覚しなければならないんだ」
    「……」
    「これは自戒だがな……行くぞ、シン。早く着替えたい」
    「あ、ちょっと!」
    ロッカールームへと向かうアスランの背を、シンは慌てて追い掛けた。

  • 138126/02/18(水) 23:41:58

    戦闘後ともなれば、腹が減る。危機を乗り越えたクルーらは食事の時間を取っていた。赤服に着替え終えたアスランとシンが食堂に入ると、ルナマリアが二人に気付いて手を振った。
    「シン!アスランさん…隊長も、此方来て一緒に食べませんか?」
    席には、ルナマリアの他にメイリンとレイが座っていた。シンはともかく俺もいいのかと思ったアスランはふとレイと目が合う。
    「俺は構いませんが」
    「……じゃあ、お邪魔するよ」
    空いている席へと腰を下ろす。隣にシンも座り、恐らく自分が居なければこれが大体何時ものメンバーなのだろうと思う。
    「今日はカレーか。インド洋だからカレーってこと?」
    「たまたまでしょ、多分」
    「まあ美味しいからなんでもいいけど」
    そんなシンとルナマリアの会話を皮切りに、どんなカレーが好きか具材は何がいいかと他愛のない話が始まった。アスランはBGMのようにそれを聞きながらスプーンを口に運ぶ。
    「隊長はどんなカレーがお好きなんですか?ポークかチキンか、甘口と辛口どっちが良いとか…」
    ルナマリアに話を振られ、アスランは殆ど反射的に答えた。
    「キラの作るカレーが一番好きだが」
    「……いやそうじゃないだろ。具材で答えてくださいよ」
    力ないシンの突っ込みがかろうじてテーブルに響いた。
    「あ、いや……どの具材がいいとか拘りがないんだ。キラの作るカレーも毎回中身は変わるし…」
    とにかく、キラが作るものが好きなのだ。と言い切るアスラン。普通に街で買ってきた豚肉等の場合もあるし、釣りや素潜りで捕れた魚介なこともあるし、畑にいつの間にかひょこりと生えてる茸の時もある。
    「いや畑に生えてる茸って大丈夫なやつなんですか?」
    「それが毎回、食べられるものだけ生えるんだ。島に松なんかないのに松茸が生えたり…」
    「例の妖精の畑ってやつですか」
    「最初は俺も懐疑的だったが、キラが呑気にこれも贈り物かもね〜なんて笑うから段々どうでも良くなってきてな」
    これまた会話が出来ているのもシンだけで、他のメンバーは情報の処理に忙しかった。
    (島??島で暮らしてるの?)
    (妖精ってなんなの?意外とメルヘンな人なのかなぁ)
    (キラ・ヤマトが料理をするのか。意外だな)
    ホーク姉妹は純粋に混乱し、レイだけは少し視点が違ったが。今までキラが作ってくれたものを思い出すアスランは、段々と声のトーンが下がり浮かない顔になっていった。

  • 139126/02/18(水) 23:46:13

    そして食べ掛けのカレー皿を眺めて力なく呟く。
    「キラのご飯が食べたい…」
    戦闘中や何かしらの仕事をしているときは気も紛れるが、こうして日常に戻ると途端に精神に影響をきたす。キラが側に居ない、繋がってないことによる気力の低下である。これに慌てたのがシンやホーク姉妹だ。
    「や、やっぱり寂しいですよね!」
    「ここのカレーも、美味しいですから!」
    「泣かないでくださいよ!?後が怖いんで!」
    三者三様の反応を見せる中、レイも口を開いた。
    「時に夫夫が別居することも珍しくないでしょう。そう気にすることはありませんよ」
    「……別居……」
    そうか、これは別居なのか……とアスランの肩が完全にがくりと落ちた。
    「レイーー!?」
    シンが口をぱくぱくさせるのを尻目に、クルーゼのお気に入りを弄ってみたレイは涼やかな顔でカレーを食べ進めるのだった。多分、こういう悪ノリはラウもする、と思いながら。

    時を同じくして、アークエンジェル。ミネルバの強襲を知ったキラがフリーダム発進未遂を起こした以外は平和なものである。食堂でカレーを作るキラの所へカガリがやってくる。
    「お、美味そうだな」
    今日はチキンカレーのようだ。やり場のない思いを料理にぶつけたらしいキラは、カレーをぐるぐると混ぜ…ぐす、と眼を潤ませた。
    「どうした!?タマネギが沁みたか!?」
    「……たい…」
    「痛いのか!スパイスでも目に入ったのか!?」
    「……アスランに食べてもらって美味しいって言って貰いたい…」
    「……あー…」
    アスラン、アスランと繰り返すキラ。完全にアスラン不足による禁断症状を起こしている。
    「よしよし、お姉ちゃんがハグしてやるから」
    「優しい妹がいて嬉しいよ…」
    こんな状況でも譲らないのが流石ですわ、と少し離れたところで様子を伺っていたラクスは思った。
    「二年間、僕の作った料理でアスランの胃袋を満たしてきたのに、今頃何処の誰とも知れぬ人の料理なんか食べてるんだ…」
    「相変わらず重いなぁ…仕方ないけどな、こんな状況じゃ」
    「もう攫ってきていい?」
    「もうすぐマハムール基地に着いちゃうんだよなあ、ミネルバ…」
    その日のカレーは、両方の艦のどちらも少ししょっぱかったらしい。

  • 140二次元好きの匿名さん26/02/19(木) 07:15:47

    ミネルバ組とアスランがわいわいやってるのええな…

    あとアスランには申し訳ないけどレイが少し楽しそうにしてるの見ると涙が…
    シンには胃薬プレゼントするね

  • 141二次元好きの匿名さん26/02/19(木) 16:41:32

    確かに寂しいよなアスラン……(涙)あとキラは落ち着いてもろて

  • 142二次元好きの匿名さん26/02/19(木) 16:42:09

    ほしゅ

  • 143126/02/19(木) 23:23:56

    夜間は、戦闘でもなければ戦艦も静かなものだ。とはいっても当然夜間シフトはあるので、起きている人は当然居る。

    アスランは充てがわれた私室で、シーツに横たわり何度も寝返りを打っていた。

    (……眠れない)

    軍人は休息のオン・オフが重要で、常ならアスランも休める時はすぐ休めるようにしている。睡眠が深い性質なので今まではあまり睡眠不足に悩まされたことはない。しかし、今は状況が違う。キラと出会ってからこれまで常にキラの感覚を無意識に感じていたというのに、今はそれがない。アスランにとって、十八にして初めての“独りの夜”なのだ。ミネルバに来てから睡眠が浅く、今夜に至ってはもうまったく眠れない。せめて身体だけでも休めようと眼を閉じ続けても、寂寥が胸の奥から全身を支配して苛まれる。腕に付けたウォッチで、キラの身体数値を確認する。心拍数が表示されていると安心する。

    (……データは睡眠を示している。キラは眠れているようだな…少し眠りは浅いが…)

    向こうにはカガリやラクス、馴染みのあるアークエンジェルのメンバーもいる。キラが眠れているなら、と安堵する気持ちと沸き上がる寂しさ。

    (……キラ…)

    離れて思い知る。自分がいかにキラの存在に生かされていたのか。あの声、あの眼、あの手、あの体温…腹の奥の奥からどうしようもない熱が灯る。抱き締めたい、抱き締めてほしい。今すぐこの頬を撫でていつものように優しくキスしてほしい。

    アスラン、と柔らかに名前を呼んで欲しい。

    「……っ、ん」

    たった一人で熱を発散させるのがこんなに虚しいなど、アスランは知らなかった。今夜までは。

  • 144126/02/19(木) 23:25:38

    どうせ眠れないならと、アスランは一人甲板に出た。夜風で火照りと孤独を流す。明日の朝にはマハムール基地へ着く。そうすればまたすぐ戦闘になる。アスランがザフトへ戻ってからの議長の動きは手早く、シーゲルの睨みもあってか“あのラクス”も軍本部でのライブ以降は表立って活動はしていないようだ。それが何時まで続くかは分からないが。だがこうして体感してみると、議長はまるでこの艦を英雄にしたいかのように思えてならない。シンのような若く想いの強い人間が議長を慕うのは分からなくもないが、だからこそ気にかかる。ディオキアで待つ、かつての自分の隊長は、一体何を考えているのだろう。はあ、と吐息を空へと逃がしたとき、コツコツと靴の音がした。そちらを向くと、レイが歩いてくるのが見えた。
    「眠れないんですか、隊長」
    「レイ……君はどうしてこんな場所へ?」
    「私は喉が渇いたのでドリンクを取りに行くついでに、外を見たくなっただけです。此処は来たことがないので」
    「そうか…この辺りは俺も初めてだ」
    同じ海でも場所によって顔が変わる。最も、アスランとしては重要なのは場所よりも其処に誰が居るかなのだが。
    「そんなに寂しいのですか?伴侶と離れて」
    「……そりゃ寂しいさ」
    直球に問われ、アスランは苦笑した。会ったばかりのザフトの後輩らの前でも隠せないくらいアスランはミネルバに居ながらも心はずっとキラに惹かれている。
    手摺に凭れて、レイに向き直る。
    「君にはないのか?そういう、誰かと離れて寂しいということは」
    レイは少しだけ眼を見開き、すぐにそれを瞬きで掻き消した。
    「まあ、人間なので多少は」
    「レイは俺なんかより大人だな」
    自分でも情けないとは思うが、それだけキラを愛しているということなのだからもう一生この状態だろう。薬指の指輪はアメジスト。その内側にはキラの名前がある。輪っか一つでこれだけ満たされるのだから、結婚指輪というものの効力は凄まじい。

  • 145126/02/19(木) 23:27:26

    「せめて声が聞けたらいいんだが」
    それがこんなに難しいことだと知らなかった。世の中の恋人達は、よく耐えられているものだと感心する。ただ空を見上げるアスランに、レイは何かを探るように其処に居た。
    「……俺にも一人、連絡のつかない家族が居ますが、頼りくらい寄越せと思わなくもありません」
    「そうなのか…連絡が取れないというのは大変だな」
    「まあそうそうどうにかなる人ではありませんが」
    「それでも心配だろう、家族なら」
    行方不明……とは違うのかもしれないが、何処に居るかも分からないのでは気を揉んで仕方ないだろう。アスランはレイの事を何も知らないが、ただキラが気にしている少年というだけではなく、たった今アスランから見て後輩であり部下である一個人として認識した。
    「……人の心配するよりご自分の事を心配されたらどうです。隊長の貴方が寝不足で禄に指揮も出来ないのでは話になりません」
    「手厳しいな。だが、その通りだな」
    もう少ししたら戻るよ、とアスランは告げる。隊長等と呼ばれているが、キラが居ないだけで脆くなる自分の弱さを痛感する。何らかの薬が打たれたらしい首筋の傷があった場所に触れる。もうとっくに治ったのだが、なんだか少し熱を持っているような感じがあった。
    「羊でも数えてみては如何です」
    「ははっ、羊か……いいかもしれないな、可愛くて」
    アスランの脳内ではもこもこ羊のキラがぴょんぴょん飛び跳ねている。一匹、二匹と数を増し、すっかりアスランを取り囲むだろう。
    「では、私はこれで」
    「ああ。おやすみ」
    「……失礼します」
    敬礼をして、レイは去っていく。その後ろ姿に何処か既視感を覚えたが、その正体には辿り着かずアスランもまた部屋へ戻っていった。
    少しは、眠れそうだ。

    アスランが漸く眠りに落ちた頃。アスランのウォッチはキラが睡眠から覚醒したことを示していた。
    「……また起きちゃった。アスランが居ないとあんまり寝れないや…」
    もう一度ふわふわのアスラン羊を数え直さないと。キラは布団を頭まで被って無理矢理逃げていった眠りの端っこを探した。

  • 146二次元好きの匿名さん26/02/20(金) 06:51:55

    レイよ…その連絡をよこなさい家族とやらは自由気ままに楽しんでるから君も好きなように生きるのだ…
    寿命も伸びるぞ!

  • 147二次元好きの匿名さん26/02/20(金) 15:06:20

    キラアスが離れ離れになった原因許せねえ……

    聞いてるか?
    ザラ派セイラン一派議長さん達よお……

  • 148126/02/20(金) 23:08:43

    キラアスを見守る人々の話。

    アークエンジェル、天使湯(女湯)
    「やっぱり温泉はいいな」
    「そうですわね」
    カガリとラクスは湯の中で休息を取っていた。風呂場だけ見て、戦艦と思う人は居ないだろう。
    「この風呂、ちゃんとオーブで発掘された鉱石を使ってるんだぞ」
    「天然温泉ですわね。いい湯ですわ」
    「キラが温泉施設になんかしたせいで私は慰安に来ていることになっているようだが、まあ間違いでもないな」
    あの時いきなりフリーダムが来たのは驚いたが、あのまま結婚を強行させられずに済んだのは助かった。
    「……だが、本当に申し訳なくてな……アスランがザフトに戻る羽目になったのも私達が不甲斐なかったせいだ…あんな馬鹿は早くぶん殴っておけば良かった」
    まさかセイランがアスランを売り飛ばして自分達の地位を高めようとするとは思わなかった。
    「あまりご自分をお責めにならないでください。どの道プラントからも部隊が来た以上、何かしら動かなければならなかったのです」
    「そんなプラントの軍に、戻ったんだもんな……キラが不安なのも無理もない。私に出来ることがあるかは分からないが、オーブ代表の娘の私が一連の事をこの眼で見ることで何か役に立つことがあるかもしれない」
    「カガリさんが居てくださるだけできっとキラも気が楽ですわ。きょうだいですもの」
    「ならいいがな……ラクスは大丈夫なのか、あの…彼女のこと」
    「ええ…父も動いておりますし……出来るなら、いつか、お会いしてみたいですわね」
    映像の先にいる、自分と同じ姿、同じ声の少女。デュランダルが彼女を舞台に立たせた理由も、探らなくてはならない。夜の天使湯で、二人は先のことと弟夫夫の未来を考えるのだった。

  • 149126/02/20(金) 23:11:15

    ジュール隊、ボルテールにて。

    「あの、大馬鹿者がっっっ!!」

    私室を飛び越え艦内に響き渡りそうなほどの怒号がイザークの腹の底から飛び出した。

    「ザフトに復隊だと!?俺達に相談もなくあの馬鹿は!!」

    アカデミーの頃から慣れっこなディアッカとニコルは怒号を耳を塞いでやり過ごす。

    「そう言ってやるなよ。アスランも連絡手段が無かったんだからさ」

    「それに一応僕達に連絡を繋ごうとした見たいですよ…横から議長にかっさらわれましたが」

    彼等の耳にアスランの話が入った頃には、もうミネルバはカーペンタリアを出ていた。復隊理由が地球軍に狙われているからだと知り、また本当はそれだけではないことをエザリアからパトリック、シーゲルと繋がり調査済みだ。

    「ザフトからも狙われているのにザフトに戻るなど……キラ・ヤマトはどうした」

    「話によると、大分荒れているようですよ、キラさん」

    「まあ、若手ばかりのミネルバなら、危険も少ないだろ。……向かう先は危険地域だけどな」

    スエズの支援とは難しい話だ。確かにアスランのようなパイロットがいれば、戦力としては申し分ないだろう。

    「議長は何を考えているのだ…まるで俺達とアスランを繋げさせたくないようではないか」

    「もし本当に議長が犯人で何か企んでるなら、そうなんじゃねえの?アスランからキラとの繋がりまで取り上げて、まるで孤立させたいみたいだしな」

    「しかしそんなことをする理由とはなんだ?戦争を止めたい、又は戦争に勝利したいとして、ラクス嬢の暗殺や影武者の用意、アスランの拉致未遂……筋が通ってるようでまるでチグハグだぞ」

    「そもそも、議長がやったっていう証拠はないんですよね……まったく別の人の可能性だってあります」

    「……で、それを調べたくてアスランはザフトに戻ったと」

    まあ無茶だよなあとディアッカも肩を竦める。二年前に散々二人のいちゃつきを見せられた身としては、離れてまでそうしたという時点で大分追い詰められているとしか思えないのだ。

  • 150126/02/20(金) 23:13:24

    「でも、シーゲル氏がプラント内で動いているからか、あの歌姫は今は活動してないようですね」
    「今は、な。リスクを承知で登用した筈なのだから、すんなり引き下がるとも思えないだろ」
    「歌姫が平和を唱え、ミネルバが戦績を上げれば議長の支持は増すからな」
    イザークは苛立ちを込めて深く吐息を吐いた。そもそもユニウスセブンの件がなければ、イザーク達は二人と久しぶりの再会をする予定だったのだ。
    平和ボケした幸せそうな面を拝んでやろうと思っていたら、それが奪われたのだ。アスランから。イザークの怒りは友を思うからこそだ。
    「心配ですよね、ユーラシアは最も火種になっている所です」
    「ふん、アイツが撃たれるとは思ってはない。仮にも一時は隊長だったのだからな」
    「今はミネルバの隊長らしいですけどね」
    FAITHとして復帰し、そのままパイロット達の指揮を預かっていると聞いた。大丈夫かと心配になるのは、アスランの不器用さを三人ともよく知っているからである。
    「しかし、俺達はどう動くべきかねぇ」
    ザフト軍人の自分達では表立ってアークエンジェルと繋がることも議長に逆らうことも、慎重にならなければならない。下手なことをすれば調査に明け暮れるシーゲル達の努力も無に帰してしまう。
    「……ジュール隊長にお願いがあるのですが、いいですか?」
    暫く考え込んでいたニコルが、イザークに部下として切り出した。
    「ミネルバが無事に任務を達成し、ディオキア基地に向かうと見越して、ご無理を承知で私をそこへ行かせる為の命令を出して頂けませんか」
    直接会うのがきっと一番ですと、ニコルはにっこりと笑った。

    友を傷付けられて許せないのは、穏やかなニコルとて同じなのだ。

  • 151二次元好きの匿名さん26/02/21(土) 07:31:15

    イザークのツン(デレ)ギレが炸裂してる…と思ったら最後…
    普段おっとりしてあまり怒らない人ほど怖いんよ…

  • 152二次元好きの匿名さん26/02/21(土) 17:02:40

    やっぱり父親ズの生存もだけど、ニコル生存って良いなあ‥

  • 1531 26/02/21(土) 23:22:52

    いつも保守ありがとうございます。

    ニコル生存は良いですよね。アスランとニコルの絡みを書くのはとても楽しいです。
    これからマハムール基地→ガルナハンですが、展開や台詞をアニメからだけじゃなくTHE EDGEからもちよっと拝借しようかと思ってます。物凄く今更なんですがスレ主は外伝作品に明るくないのでアニメ本編+THE EDGE、小説版、Recollectionくらいの知識しかないので、細かな設定違いはご容赦下さい。
    ちなみにキラアスが付けてる時計、リコレでアスランがザフトの秘密回線からの通信を受けてた謎ウォッチからアイデア貰ってます。あれ私が知らないだけで作中にあるアイテムなんでしょうか……公式からはちょっと外れた話とはいえそんなとんでもアイテムあるならバイタル共有くらいいいかなと開き直りました。GPSや心拍数で相手を確認したがる下りはスレ主の癖が1000%込められてます。

    明日は日付に合わせて番外編上げようと思ってるので本編の進行は月曜日になります…。

    あと、キラアス腕組み後方理解者仮面お兄さんという一度見たら忘れなそうな表現大好きでずっと気に入ってるんですが、そこに白仮面先生を異物混入させてすみません。あのレスして頂いた方のお陰でクルーゼの寿命は伸びたのかもしれない…。

  • 154二次元好きの匿名さん26/02/22(日) 07:05:08

    ニコルって能力もアスラン、イザークに続くレベルでキラとも仲良くなれるそうという確信もあるので色んな意味でポテンシャル高いキャラなんですよね

  • 155二次元好きの匿名さん26/02/22(日) 16:34:24

    『キラアス腕組み後方理解者仮面お兄さん』の名付け親ですと名前欄に書こうとしたら文字数で弾かれましたw

    その後の気ぶり度91を叩き出していたのもめちゃくちゃ面白かったです!
    白仮面先生という名前も好きですよ〜!

    やはりサイン会やってほしいところ…

  • 1561 26/02/22(日) 23:27:12

    【デキるアスランは今日も憂鬱?】


    メンデルでキラのコックピットに積まれていたあの薬達の事を覚えているだろうか。

    幼児化したり、媚薬だったり……猫になったり。そして、クライン派が回収して解析し、生産出来たらいつかキラに差し上げますわとラクスが言っていたことを…。

    これは、そんな試作品が巻き起こした事件である。



    デキるアスランは今日も憂鬱? | Writeningアスランは眉間に深く皺を寄せていた。キラが実家に帰省している間に家中の掃除をしようと朝から忙しなく動いていたら、キラのデスクの上に見覚えのある小瓶が置かれていたのだ。“Sugar”とだけ書かれたそれは…writening.net

    無駄に長くなってしまい4、5レスくらい使ってしまいそうなので此方で纏めて入れておきます。

    アスランがガチの猫化するので苦手な方が居ましたらすみません…

  • 157二次元好きの匿名さん26/02/23(月) 08:17:29

    ケモ耳と尻尾も大変萌えるけど完全猫化もいいなあ

    あと言葉がニャーニャーとなっても共鳴で通じる合えるのめちゃくちゃに便利という…

  • 158二次元好きの匿名さん26/02/23(月) 18:00:13

    ほしゅ

  • 1591 26/02/23(月) 23:31:43

    >>133ここでうっかりアスランの苗字をザラのままにしちゃったんですが、この際議長がザフトに登録ある旧姓のまま復隊させた…という設定にしておきます。



    無事にマハムール基地へと辿り着いたミネルバ。

    パイロット達は整備兵らと共に機体の確認をしていた。当然アスランも例外ではなく、格納庫へ顔を出してルナマリアにアドバイスを求められたりしつつ、自身もセイバーの整備ログを貰いに向かっていたが…。

    そこで、ヴィーノやヨウランが“ラクス・クライン”について盛り上がっているのを耳にする。

    (……あれはラクスではないとはいえ、やっぱり気分の良いものではないな)

    元々ラクスはアイドルなのだから、当然ファンが居て、邪な眼で見られることも多い。しかしそれをシスコン気味のアスランが仕方ないと流せる筈もなく、婚約者時代はネームバリューで黙らせていたのだが。

    「セイバーの整備ログは?」

    「あっ!……ええと、これです!」

    結局こうして釘を刺してしまうのだった。既に自分はキラと結婚しているため、何処まで効力があるかは分からないが。というか、議長も何を考えているのか。あんな見た目以外はラクスと似ても似つかない、ましてやあんな衣装まで着せて……とムッとしながらアスランは去っていく。

    「……怖かったなあ…」

    「でももう婚約者じゃないんだろ…?あの人結婚してるし…」

    アスランの圧にびくびくしていた二人の元へ、遠くでその様子を見てたシンがやってくる。

    「二人ともあんまりラクスさ……ラクス様のことで刺激しないほうが良いと思う」

    「うわっなんだよシン」

    「キラさんから…隊長の旦那さんから聞いたんだよ!隊長は家族としてラクス様のこと凄く大切にしてるから、怒らせたら右ストレートからの背負い投げだよって!」

    「「ヒェッ」」

    ある程度は過度に言っているのだろうが、怒らせたら怖いのは間違いない。何より一番怖いのは、アスランを傷付けたらフリーダムが飛んでくることなのだが…。

    「俺もマユに色目使う奴いたら許せないから、正直気持ちは分かる…」

    姉か妹かの違いはあれど、家族愛に差はない。特にシンはマユの怪我のこともあり、とても過保護になっている。ひええと身を寄せ合うヴィーノ達に気を付けるんだぞとシンは念を押した。

  • 1601 26/02/23(月) 23:33:51

    『入港完了。各員速やかに点検、チェック作業を開始のこと。以降、別命あるまで館内待機。ザラ隊長はブリッジへ』
    メイリンの艦内アナウンスを聞き、整備兵と話していたアスランはブリッジへ。タリア、アーサーらと共に司令官への挨拶に同行せよということらしい。胸に付けたFAITHのバッジがある限りアスランには義務がある。
    マハムール基地司令官ヨアヒム・ラドルへ、アスランは敬礼をする。
    「特務隊、アスラン・ヤマ……アスラン・ザラです」
    (いまヤマトって言いかけたわね)
    (しっかりしてるけどやっぱり寂しいのかなあ)
    タリアとアーサーからの視線を横に感じながらアスランは恥ずかしさに耐えた。幸いにして、ヨアヒムらはアスランの存在そのものに気を取られて気付かなかったようだ。
    「アスランって……クルーゼ隊の…?」
    ざわざわする兵士達に、また懐かしい肩書きだなと思いつつアスランは肯定した。
    「いや、失礼した。遠路お疲れ様です。しかし議長は今回の作戦に余程力を入れられて居るようですな。FAITHが三人とは」
    「……三人?」
    ミネルバにはアスラン、そしてタリアしかFAITHは居ないはずだと一同が疑問に思っていると、ヨアヒムの後ろからオレンジ髪の赤服の青年が現れた。
    「司令、今回の作戦への参加は命令ではなく私個人の意思です。議長から頂いた言葉は、ミネルバのFAITH達と共によりよい未来を目指してくれ……それだけですよ」
    青年はタリア達へ向き直って敬礼をする。
    「特務隊FAITH所属、ハイネ・ヴェステンフルスだ」
    彼はアスランと眼が合うと、気の良さそうな笑みを返してきた。ヨアヒムはタリアを案内する。

  • 1611 26/02/23(月) 23:35:57

    「まずは珈琲でも如何です?ご覧の通りの場所ですが豆だけは良いものが手に入りますんでね」
    「ええ。ありがとうございます」
    誘いを受けたタリアに続き、アスランも着いていく。ハイネがアスランの横へとやってきた。
    「アスラン・ザラ……復隊したって本当だったんだな」
    「はい。ええと……」
    「ああ、ハイネでいいぜ。堅苦しいのはナシでいこうぜ。よろしくな!」
    「……分かった。宜しく頼む」
    「ところで、さっき別の名前言いかけなかったか?」
    「結婚したからな。最近は旧姓を名乗ることがなかった」
    「ああ結婚ね……結婚!?」
    困惑するハイネを気にせずに今はまず作戦会議だとアスランはすたすた歩いていった。

    確かに珈琲は美味しかった。だが、会議の内容自体は非常に厳しい現状を確認したようなものだ。
    ミネルバがジブラルタルへ向かうためには、ガルナハン攻略が実質的に必要不可欠なのだ。
    「私達にそんな道作りをさせようだなんて、一体どこの狸が考えた作戦かしらね」
    タリアの小言も最もだと思わずアスランも内心で賛同してしまった。ちなみにアスランの場合は議長だけでなく、ディオキアを指定したクルーゼにも言葉の矢印は向けられている。アスランは机に表示された地図、砲台の裏の山にある閉鎖された坑道を示す。
    「…ミネルバ搭載の機体なら…この坑道を有効に使えると思いますが」
    「……なるほど。なら作戦の立案はお任せしましょう」
    渓谷突破の作戦は、復隊したアスラン・ザラのお手並み拝見…という形で任せられたようだ。
    (まあ……一番の功労者となるのは俺ではないがな)
    狭い坑道の時点で、“彼”への指示は決まっているようなものなのだった。

  • 162二次元好きの匿名さん26/02/24(火) 07:17:50

    ここでハイネが来たか!

  • 163二次元好きの匿名さん26/02/24(火) 16:11:17

    自然に名字をヤマトと言いそうになっててニヤニヤしてしまった

スレッドは2/25 02:11頃に落ちます

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