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やりすぎボイスビデオ♥/Novel by gg

やりすぎボイスビデオ♥

4,948 character(s)9 mins


※非公開ブックマークにご協力いただき、ありがとうございます。引き続き遵守くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

※全て創作物であることをご理解くださいました上でお読みください。
 

・一月ってことは正月ってコトなんだよね?(ちがうよ)
 
・今年も宜しくお願い申し上げます!
 
・🐶🐰/🥟🐥/🐿️🦊の、そこはかとなく品のないギャグです。
 
 
 
 
 
・R18まとめはどうした?→本当にすみません赦してくださいほんとにすみません

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「イェーイヒョンニムたち見てますか? あなた達の可愛いヒョン達、いやこれは意味わかんないか……えーと、あっ、ネコチャン! ネコチャンたちは僕の隣で寝てます〜」
「イェーイ、見てるかバカ犬〜」
「イ、イェーイ? ヒョンジナ見てる〜?」
「とまあそういうことなので、日頃の行いを反省してもやもやしてください!」


 軽やかに暗転。耐えきれなくて一時停止。どうやら音声だけが残る映像は、あと三十分ほどあるようだ。
 成人男性、しかも体格と見目が麗しい三人がこんな小さな画面ひとつに釘付けにされている光景は側から見れば中々に、いや相応にシュールだろう。世界を股にかけるアイドル様たちが世界を股にかけるアイドル様たちに弄ばれている、世にも珍しい映像ではあるのだが。

 グラスの氷が溶ける音で我に帰ったヒョンジンは、その途端に馬鹿でかい声を発して立ち上がった。別に意味はない。頭がショートしてしまった人間のする代表的な行動であるので。


「あ゛!? な゛に゛!? 何いまの!?」
「おっ、おちおちおちつけよジナ! 別にイエナがあんなNTRものAVの竿役男優みたいな言い方してても別に俺は全然興奮するっていうかいやなんかもう逆に興奮してきたわなんだあのしてやったり顔はそんな表情ほかの健全な男が見たら好きになっちゃうでしょうが全くあの子は自分がどれだけ人を狂わせる人間なのかまだまだ自覚が足りないよ俺が不健全な男子であったことを誇りに思って欲しいね」
「お前がおちつけよ。反省して〜とか言っても、どうせ僕らの悪口言ってるとかそーいうのなんじゃないの。ビビりすぎるのも良くないって」


 バカ真面目に焦る二人を鼻で笑ったスンミンが動画の続きを再生する。さすがにイミンホの恋人をやっているだけあって、そして自分自身の巻き込まれ型トンデモ体質のせいでぶち当たった修羅場を潜り抜けてきただけあって、この程度で騒ぐほど彼の神経は細くないのである。


『お゛ッ、♡ あ、ぁ゛っ、いえなぁ゛っ♡』
『あーリノヒョン、ここ……(※彼らはマッサージをしています)』
『は、ァ゛っ♡ 俺もう無理だから、っ♡ も、や゛ぇ……っ♡』
『何言ってるのヒョン。まだこれ(ツボ押し棒)もあるんだよ』
『ヨンボガぁ、っ俺もうむりだってばぁ♡』


「おっけおっけわかったわかった全部理解した今すぐ凸しようあの人ほんとうに今度という今度は泣いても許さねーかんなマジで僕怒ってるかんな」
「ン落ち着けってスンミナ! スンミナまだ続きあるからコレ!」
「マッサージ! これ多分マッサージだからスンミナ落ち着けって!」
「あんなこと言わせてこんなことさせてそんなことになるまで絶対寝かせないからな……」


 ともすれば喘ぎ声に聞こえるリノの声で脳味噌の色々な回路が一瞬にしてスパークしてしまったスンミンは、いつなんのトラブルに巻き込まれた時に持ってきたものか古代兵器を取り出して部屋を出て行こうとする。なんだそのドクロ模様、おっそろしい。すわ歴戦の兵士かと疑わんばかりの怒気と覇気にあてられて逆に冷静になった親友二人は、その北京タワーほどもある脚にしがみついて止めるのに必死だ。アイドルの口から発せられたとは信じたくない卑猥な言葉の羅列に意識が遠のきつつあるヒョンジンは、しかし先ほどの音声に確かな笑い声を聞き取って確信していた。これは絶対に「やらせ」である。

 明らかにからかいを交えた煽り。隠せていない笑い声。そんなものが分かっているのだから何も慌てることなどない。そうだぞ俺たちはアイドルだ。ステージの上に立って、どんなに苦しくても余裕の表情ができるのだからこんなふざけた音声を受け流すのなんて朝飯前だ。


『あ゛ッ、イエナらめっ♡ そんな強く(筋肉の)奥の方されたら、っ♡ きもち、ィ゛ッ♡ からぁッ♡』
『でもヨンボギヒョンのここ(ハムストリング)、すごく硬いから……ね、もうちょっとさせてよ。ここ(ふくらはぎ)も好きだもんね?』
『〜〜〜〜っ! 好きぃっ♡ すきらから、っもっとやしゃしくして、イエナぁ゛っ♡』
『ふふ、ヨンボガかわいいねえ。じゃあもう少し強く……』


「えちおねイエニが仕事を頑張った俺を労るためにスーツを着たまま足でシてくれる場面で合ってる? なあそうだよな? 合ってるって言ってくれ」
「むしろよわよわえちえちリクスが部活の先輩(俺)にいいように絆されて丸め込まれてマッサージと称して本番までされる流れだろこれは! イエナ頼むヒョンとそこ変わってくれ!」
「やーば、親友二人がついにぶっ壊れちゃった助けてチャニヒョン。いやだめだなあの人までぶっ壊れて戻らなくなっちゃう」


 ここにいない三人から言わせて貰えば「ちょ(笑)まじウケんだけど(笑)朝飯前(笑)こっちのセリフ(笑)てかそのちんちんどーすんの(笑)」である。特に金浦の純粋少年リノが言いそうではあるが意外と負けず嫌いなヨンボガも言わないことはないだろうし(ヒョンジンが相手なら)、釜山ナムジャのヤンジョンインにとっては煽りにすらなっていない。だって事実を陳列しただけなので。ここで事実陳列罪なんて一ミリも面白くないことを吐かした瞬間に格下げが決定し、「興味深いお話をありがとうございました。それじゃあ僕は向こうに行ってもいいですか?」なんて軽蔑の視線を向けられておしまいだ。なんせ彼はチーム内で一番と言っていいほど笑いに厳しいので。
 
 恋人であると同時に煽れるチャンスがあれば存分に煽っておきたい。大切な人に対して抱く感情としては珍しいのかも知れなかった。だがしかし彼らは選ばれた存在であるゆえに、一般からはかけ離れた感性を持ち合わせている部分もある。今回だってそれが表に出ただけのこと。理解らせたいのはお互い様なのだ。

 例え抱かれている側だとしても「抱かせてやっている(L.Mさん)」「その気になればいつでも逆転できる(L.Yさん)」「むしろケツで抱いている(Y.Jさん)」と言って憚らない程度の男前加減とスーパー無敵ギャル(♂)を兼ね備えている自慢の彼氏様たちに小馬鹿される風景だけで一敗(と書いて勃起と読む)した三人は、怒りでまた大きくなった息子にため息をついた(二敗)。見下げられても興奮すんのかい……なんて、我がことながらどこに出しても恥ずかしい性癖である。
 げんなりする攻め様(爆笑)達は、とてもではないがキラキラのアイドルには見えなかった。


『よくもやってくれたね、イエナ♡』
『ほらこっち来て。そう、ヒョンの言うことよく聞けていい子だね』
『ぅ、あ゛……ヒョンニム、たち♡』
『ほら、耳も大好きだもんね。ぽしょぽしょって話されるの……はは、かわいい♡』
『あ゛、っやだ、リノヒョンやめ、っあ゛!? ヨンボギヒョン、ヒョンん゛ッ♡ やめへっ♡』
『さっきいっぱいシてくれたもんね。お返しだよ♡』


 まあ、げんなりなんて一瞬で吹き飛ばされる風の前の塵より軽いものであるからして。風流に言えば儚い感情、俗に言うならちんこまたデカくなった! そういうことであった。流れるような三敗。
 股を基点に身体も頭も十分に茹ってきた三人は、各々で脅迫的なセリフを思い浮かべながら腰を上げた。深いふかい、それはもうマリアナ海溝なんて目じゃないほどのため息をつきながら。額にはビッキビキの青筋を浮かべ、そのスジの人でもちょっと怖いなと思う(かもしれない)目をして見えない物を見ようとまでしていた。

 ──即ち、激しい怒り。いわゆる激怒。怒髪天を突くとは正にこのこと。ここまでおちょくられて初めてメロスの気持ちがわかった、とは後に三人が語ったことである。


✴︎

 集合しゅーごー、とかけられた声音から弟猫二人はある程度の温度を察していた。それは兄の絶対命令であり楽しいお誘い、何かと好き勝手してくる恋人たちへの仕返しの色をしていたのだ。本当にこんな物でと半信半疑ではあったものの、見返したビデオはそれなりに良い音声になっていたと思う。枕を共にする夜は決まって無理を強行するカレピたちにお灸を据えてやる一手になればと内心でほくそ笑んで、アイエンは送信ボタンを押下した。

 そして、今とても後悔している。思ったよりこうかばつぐんだったのか、天才作曲家ぶんの一人であり愛しのクォッカワラビーから恐ろしい文言のラブレターが送られてきたのである。時を同じくして携帯を見たサンシャインことヨンボギもまた同じような顔をしてこちらを見ている。首謀者であるネコチャンは携帯の電源を落としているのか、床に寝転んで余裕の欠伸をかましていた。
 それを見て思う。なんでそんなに余裕なんだと。言っちゃあ悪いけどアンタの彼氏が一番やばいと思うやで、あんな独占欲の煮凝りからの愛を受け続けて感覚器官バグってんのとちゃいますか、なんて使ったことのない地方弁が飛び出してくる程度には心配だ。基本的に穏やかなヒョンジンとドーパミンが落ち着いているときのハンはまだ常識が通用するけれど、スンミンに至ってはその土台が既に自分とは異なる物質で構築されている気がしてならない。

 ゆえに、スンリの二人には手出ししないと決めているのだ。それはもう絶対的に。しかし今回は自分にまで危機が迫っているからして、口を挟まないわけにはいかなかった。というか、既に嫌な予感がひしひしと近づいてきている。自分には不思議な力も啓示を受け取る感覚器官もないけれど、先ほどの連絡から逆算するにこのままでは三人とも恐ろしい目に遭わされるはずだ。

 ──これ、思った以上にまずい状況なんじゃないか?


「ヒョン、逃げた方が良くないですか」
「え、大丈夫じゃない? なあに、そんなに怖い連絡きたの? 今頃あいつら顔真っ赤にしてそーワラ」
「ちょっとやりすぎちゃったかな。でも結構楽しかったね! またやろ──いやっ、結構やばいかも!? 今から三人でこっちくるって!」
「えーはっや。じゃあ仕方ない、俺たちもどっかに避難して──」


 そこから先のことはあまり思いだしたくない。焦ったフィリックスの知らせから一秒もしないうちにインターホンが鳴らされ、出ないとわかると何やら不気味な呪文が聞こえる。恐ろしさに視線を固定されて、ホラー映画よろしくゆっくりと回る鍵穴を凝視していた。絶望的に軽やかな音を立てての開錠、当然のように差し込まれる細く美しい指。セキュリティなど存在していないかのように振る舞う三人の六つの目玉は、それぞれに狂気を宿しながら望まぬ迎えが来たことを子猫たちに理解させた。
 脱兎ならぬ脱猫。一人はキッチン一人はカーテンの裏、最後の一人はテーブル下へと身を隠したが、ブチギレたカレピたちには何の効力ももたない。それどころか、この期に及んで小賢しいことをするなと新たな怒りを生んでしまったことは正に悲劇と言えるだろう。


「リークス、一緒にかえろ。話したいことあるからさ」
「ジョンイナいるよね? ちょっとお前に言っときたいことあるんだけど」
「…………で、困ったボス猫ちゃんはどこ──なあんだ、おとなしく待ってるじゃん」


 哀れな子猫たち──いや今回に関しては割と自業自得感が否めないので、どっちが悪いとかはないけれど。というかむしろ、(その理由はあるにせよ)突然煽られまくった方に軍配が上がるまであるかもしれないので必死に抵抗する受け様たちを見ても不思議と心は傷まなかったりする。
 無体を働く方が悪いのは確かだが、その狂気を止めるのもまた当事者の一人であるネコチャンたちのお役目だ。なんせ彼らは彼らを一番に信じ尊敬し可愛がり──つまり愛しているのだから。愛している人の言葉しか聞かないのはこの世の摂理である。



 いつの間にか陽は落ちて、暖かな一日が終わっていく。三者三様の絶望を嘲笑うかのように始まる夜は、どこまでも透き通る藍の色をしていた。

キャンディナイトキラーズ



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