シンエヴァの碇ゲンドウの独白セリフ書き起こし
シン・エヴァンゲリオン劇場版の 02:04:05 〜 02:11:31 の碇ゲンドウのセリフを書き起こしました。
シンジ「僕と同じだったんだ、父さん」
ゲンドウ「あぁそうだ。ヘッドフォンが、外界と私を断ち切ってくれる。無関心を装い、他人のノイズから私を守ってくれた。だが、ユイと出会い、私には必要がなくなった」
ユイ「名前、決めてくれた?」
ゲンドウ「男だったらシンジ、女だったらユイと名付ける」
ユイ「シンジ、レイ、ふふ」
(赤子の産声)
ゲンドウ「親の愛情を知らない私が親になる。やはりこの世界は、不安定で不完全で理不尽だ。世の中は、他人の言葉通りに受け取ってもうまくいかない。その時々は人は違うことをいう。どっちが本当で、どっちに合わせていいか分からない。多分どちらも、その人には本当なんだろう。その時の気持ちが違うだけだ。私は、人とのつながりを恐れた。人で溢れる世界を嫌った。幼い頃から孤独が日常だった。だから寂しいと感じることもない。だが、世間にはそれを良しとしない人間もいる。他の家に行くのが苦手だった。興味のないクラスメイトや親戚の家に連れて行かれて、その生活の情報や実行を、押し付けられるのが嫌だった。他人といるのが苦痛だった。私は常にひとりでいたかったのだ。子供の頃から、好きなものが二つあった。一つは知識だ。一方的に得るだけの知識は、私の心の飢えを満たしてくれた。知識に気遣いは不要だ。時間のある限り、私の中に好きなだけ与えることができたからだ。もう一つはピアノだ。調律された音は、鍵盤の正しい音を返してくれる。そこに嘘はない。裏切りも失望もない。私を粛々と、音の流れに変換してくれる。そのシステムが好きだった。ひとりが好きだった。私も他人も、誰も傷つくことがない。ひとりが楽だった。だが、ユイと出会い、私は生きていることが楽しいと感じることを知った。ユイだけが、ありのままの私を受け入れてくれた。ユイを失ったとき、私は、私ひとりで生きる自信がなくなっていた。初めて、孤独の苦しさを知った。ユイを失うことに耐えることができなかった。ただ、ユイの胸で泣きたかった。ただ、ユイのそばにいることで、自分を変えたかった。ただ、その願いを叶えたかった。私は、私の弱さゆえに、ユイに会えないのか、シンジ」
幼いシンジ「その弱さを認めないからだと思よ」
シンジ「ずっとわかっていたんだろう? 父さん」
(中略)
ゲンドウ「他人の死と思いを受け取れるとは、大人になったな、シンジ。ユイを再構成するためのマテリアルとして、シンジが必要か、否なのか、最後までわからなかった。願いを叶えるには、報いが伴う。子供は私への罰だと感じていた。子供に会わない、関わらないことが、私の贖罪だと思い込んでいた。その方が子供のためにもなると信じていた」
(ゲンドウ、幼いシンジを抱きしめる)
ゲンドウ「すまなかった、シンジ。そうか、そこにいたのか、ユイ」


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