宣戦布告
村正×エミヤのつもりですが士弓っぽいです。
おじいちゃんの絆会話ネタがありますのでネタバレ嫌いな方はご注意を。
サーヴァントが来た時期はまんまうちのカルデアの話ですw
おじいちゃんのアルターエゴ時代の記録の有無は独自解釈です。
口調が掴みきれていないのでおかしな部分があったらすみません;
今回のマスターは♂
■初めまして、村正おじいちゃんの実装にテンションが上がり過ぎて数年ぶりに作品投稿をしているのでドキドキです。フェイトは新参者なので解釈違いもあると思いますが、やんわり突っ込んでいただけると勉強して直します!
実装時期のお正月ネタなので一月中に上げる!という目標がひとまず果たせて良かったです。
そしてこのCPは何表記が正しんでしょうか;
誤字脱字は見つけたらそっと直していきます;
2022/05/06 ルビ部分を()表記から修正しました。
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「あけましておめでとうエミヤ」
「おめでとうマスター…こんな朝早くに起きているなんて珍しいな。」
食堂の時計が指す時間は8を少し回った所にある。普段のマスターならこの針が11の所に来ないと顔を見せないというのに。
「うん‥まぁ今日は特別…だから?」
「何で疑問系なんだ」
えへへ。と笑うマスターの後ろから微かに聞き覚えのある声がした。
「あぁ、ごめん 紹介するね。今朝来てくれたサーヴァント、セイバーの」
「千子村正、鍛冶師だ。」
マスターの背後からひょっこり現れた赤銅色の髪に一瞬ビクッと身体が揺れる
いや、マスターから下総国の記録もオリュンポスの記録も見せてもらった。だから
いつかカルデアにも来るだろう覚悟はしていたはずなのに。
いざ目の前に現れると…
「…エミヤ?」
「…あぁ、すまない。初めまして、クラスアーチャーのエミヤだ。戦闘時以外は大体ここにいる」
「そうか。マスターからアンタの飯は美味いって聞いてる。楽しみだ」
「そうだエミヤ!おじいちゃんのレベル上げたいから午後からの周回付き合ってくれる?」
その言葉に首を傾げるエミヤ。
「アルジュナは…?」
アーチャー有利の時は大体彼が付き添っていたはずだが
「アルジュナもカルナもサンタのカルナも去年来たばっかだから…ジュナオやインド組が一緒にお祝いしたいって!」
「なるほど。最初の正月はゆっくりさせたいと言う訳か。」
ふむ と納得しているとマスターがしゅんと項垂れた。
「あ、エミヤも去年の夏に来たばっかりだから初めてのお正月なのに…ごめんね?」
「別に構わないよ。…10時にはブーディカが交代できてくれるから、今のうちに朝食を食べておくといい。」
キッチンのシフト表を確認して振り返るとキラキラした瞳でマスターがメニューを見ている。
「あ、ならこのお正月セットのエミヤのやつがいい〜♪」
「わかった。…村正は召喚されたばかりだが…食べれそうか?」
「あぁ、マスターと同じものを頼む。」
「了解した。混んでないから出来たら持っていこう…好きな席で待っていてくれ」
「は〜い」
いい返事をしてマスターがカウンターから離れようとした時、入口から人影が現れる。
「おっと、ワリー」
「あ、クー・フーリンあけましておめでとう」
「おうマスター、おめでとうさん。こんな時間に珍しいな」
エミヤと同じ事を言われて渋い顔になる。
「うぐぅ…オショウガツダカラネ…」
「ははは、なんだそりゃ…っと、こっちの赤髪は…」
「今日来てくれたセイバーの村正おじいちゃんだよ!」
「ムラマサ……あぁ、例の鍛冶師の…」
「千子村正だ、よろしく。」
「おう、よろしくな!」
ニカッと笑ってクー・フーリンはカウンターに行ってしまった。
「………。」
一瞬値踏みされたような視線を感じたが…
何だってんだ
それに…エミヤって弓兵も儂を見て一瞬驚いていたな……この依代の関係者か?
「おじいちゃん?」
「おぉ、わりぃ…ぼーっとしてた。」
席についてこっちを見ているマスターの前に座る。
「だだっ広い所なのに何でここに?」
広い食堂でマスターが選んだのは左少し奥のテーブルだ。
「ここからだと厨房がよく見えるんだよねーほら」
そう言ってさされた指の先を辿ると、確かに厨房がよく見えた。
先程の青髪…クー・フーリンがカウンターから何やらエミヤに話しかけているようだ。
料理をしながら適当に相槌を返すエミヤは…なんだか楽しそうで…
「………」
なんでか…
「…おじいちゃん???」
「あの二人…仲がいいのか?」
思ったより低い声が出てびっくりする。
マスターは気にせずうーん…と厨房を見ている。
「エミヤとクー?…そうだね、エミヤは王様とクーとは一緒に組まさないでくれ!って言うけど、仲はそこまで悪くないんじゃないかな。」
「……そうか」
「??」
なんでか、胸がモヤモヤする…。
――――――――――
「よし、お弁当も持ったし、フレンドの王様も来たし!張り切って行こ〜!」
「…………最悪だ。」
テンション高めのマスターと真逆のエミヤが項垂れる。
「せめて清少納言かナポレオンにしないか…」
「今居るフレンドさんギルばっかりだよー 諦めて。」
そう言って村正の元に駆けていくマスターを見送る。
「正月早々暇な雑種共め」
「君もここに居る時点で同類だろう…」
「うちの暇な雑種含めて『共』と言ったのだ贋作者!」
「それは失礼した。」
マスターが礼装を選んでいる間、手持ち無沙汰なギルガメッシュが横にやって来た。
「アイツが千子村正か…」
「あぁ。」
「うちの雑種が『おじいちゃんとアビゲイルちゃん、どっちで爆死すればいいの?!』と、嘆いておったわ。」
「爆死決定なのか…」
「運のない女だからな。」
ククッと笑うと不意に耳元に近付く。
「?」
「依代は……あの小僧か?」
ギルガメッシュの真剣な声でエミヤの瞳が揺らぐ。
「だと思うが…正直わからない。今日来た所だし、礼装のリミテッド/ゼロオーバーともまた違う感じを受ける…」
「………そうか。」
ふと顔を上げたギルガメッシュがまたククッと小さく笑う。
「??」
「まぁ、直にわかる。」
エミヤから一歩離れた時にマスターが駆けて来た。
「お待たせ〜、おじいちゃんの準備完了だよ〜って、二人距離近くない??」
「……そんな事無い。」
もう一歩距離をとるエミヤを見てまたククッと笑った王様が髪をかきあげる。
「では、サクッと集めてサクッと聖杯でも捧げておけ。」
「怖、何時間集める気だ…」「王様カッコイイ〜♪」
歩き始める三人を少し遅れた位置で見つめていた金銅の瞳が少し揺れた。
――――――――――
「ちったぁ成仏していきなぁ!」
村正の宝具【無元の剣製】を見た時、時が止まったように感じた。
無数の日本刀…それが彼に集まって、一本の刀になる。
純粋にその光景が、その刀が、美しいと思った。
「結構集まったね、これだけ有れば最終再臨まで行けるかな?」
「そうだなぁ…一度カルデアに戻るか?」
「お弁当も食べちゃったし、リンゴは当分見たくない位食べたし、あと一回行ったら帰ろう。」
「了解した。」
集めた種火を見ていた村正とエミヤがマスターから離れる。
「……そう言やぁ、おめぇさんの宝具 まだ見てねぇな?」
「っ、……そう、だったかな?」
「あの金ピカの王様のは何回か見たが…」
「戦闘で宝具を二回も撃てば十分だろう?」
「………なんか撃てない理由でもあんのかい?」
真剣な眼差しでじっと射抜かれる。
「理 由 …?」
「あぁ。」
「………」
あぁ………止めてくれ、その色で見られると…、
「……ま、いいけどよぉ」
「……………、」
頭を掻きながらエミヤから離れていく
「ん?エミヤ、おじいちゃんと見つめ合っちゃってどうしたの?」
「み、いや、…何でもない、行こうマスター…」
村正の後を追いかけるエミヤとマスターを弧を描いた赤い瞳が見つめる。
「コレは 面白い事になりそうだ」
――――――――――
「この一振りで仕事納めだ!」
村正の一振が最後の敵を仕留め、金色の粒子が傷口から溢れていく…
「最後まで使わなかったなぁ?」
「……敵一体に使う宝具じゃない、魔力の節約だよ。」
「物は言いようよのぉ…」
ニヤニヤしている金ピカの王様を横目に干将と莫耶を消しながらこちらに帰ってくる村正を見やる。
「!」
その時、村正の背後の影が蠢いたのを鷹の目は見逃さなかった。
「後ろッ、村正っ!!!」
「!?」
咄嗟に構えた村正の刀を敵が弾き飛ばす。
「おじいちゃん!!!」
もう一度干将・莫耶を投影してもこの距離では間に合わないっ!
敵の攻撃が村正自身も吹き飛ばし、マスターに向かって走り出す。
「チッ…!くそっ、」
受身をとるが、勢いがあり過ぎて転がった先の木に体を強かに打ち付ける村正
「ガッ、」
「村正っ!」
駆け寄って抱え起こすと、力強く胸ぐらを掴まれる。
「何やってんだっ!宝具でトドメをささねぇか!!」
「だが、」
「ウダウダ言ってんな!マスターがどうなってもいいってぇのかっ!?早くっ!!」
「っ、」
抱えている逆の手をギュッと握る。
「I am the bone of my sword. 」
エミヤの詠唱を聞いた瞬間、村正の金銅の瞳が強く煌めいた。
「Steel is my body, and fire is my blood.
I have created over a thousand blades.
Unknown to Death.
Nor known to Life.」
「「Have withstood pain to create many weapons.」」
「?!」
いつの間にか抱えていた村正がじっとエミヤを見ている。
混乱して黙ってしまったエミヤの詠唱を引き継ぐように、村正は迷いなく言葉を紡ぐ。
「I have no regrets.This is the only path.」
「ーーそれは…」
「My whole life was
"unlimited blade works"」
エミヤを見つめたまま 敵に向けて村正の手が振り下ろされ、無数の剣が突き刺さる。
「ノールック?!凄っ!てか、後半おじいちゃんが言ってなかった!?えっ?!なんで?!」
後ろで興奮気味のマスターの声が聞こえるがそれ所では無い
あの詠唱は私のモノではない… その詠唱は……
呆然としているエミヤの頬に手が添えられる。
「ッ?!」
「あぁ…やっと会えた」
ふわりと笑ったその顔は 見覚えがあり過ぎて
「 し ろう…?」
思わず呟いた名前に金銅の瞳がトロリと蕩けた。
「俺の アーチャー…」
グッと引き寄せられると唇に温かな感触がした。
「ちょ!王様何?!何で目隠しするの?!」
「お前には刺激が強かろう」
「なんの事ぉおお?!」
マスターの絶叫も右から左、エミヤは大胆になっていく舌に翻弄されて考えがうまく纏まらないでいた。
「んっ、し、ろぉ…」
「アーチャー…もっと…」
「ふざ、ける なっ…こんな所でっ、」
脇腹に滑り込んでくる手を何とか押しとどめる。
「アーチャー…ずっと、もう一度触れたかった…俺の選んだ道を、たどり着いた先を見て欲しかった……アンタに会えたら…今度こそ……」
そこまで言った村正が、腕の中で急に重くなる。
「っ?!……………気を失う程酷い怪我だったのか…本当、馬鹿者が…」
慌てて抱きとめたエミヤがため息をつく。
「おじいちゃん大丈夫?」
いつの間にか開放されたマスターが駆け寄る。
「今のレベルでくらっていい攻撃では無かったようだな。」
「そっか。ならこのままカルデアに帰ろう」
「あぁ…」
離れようとしてガクッと身体が傾く、見ると腕にしっかり村正の手が絡んでいた。
「………………」
「転送の準備するから エミヤ、おじいちゃんよろしくね!」
いい笑顔のマスターが離れていく。
押し付けていったな…アレは。
ため息を一つして抱えた姿勢のまま膝裏に手を差し入れ立ち上がる。ナーサリーが見たならば「お姫様抱っこだわ〜」っと、はしゃいでいたに違いない。相手はおじいちゃんだが。
「ククッ…コイツは間違いなくあの小僧だな」
隣に来たギルガメッシュがニヤニヤ笑いながら村正の頬をつつく。
「……そうだな」
「ま、我は瞳を見れば一発でわかったがなぁ?」
「瞳?」
「あぁ。あの頃の、お前に近付くものは殺してやると言わんばかりの嫉妬の瞳、お前に向ける憧憬の瞳…いや、情愛か?ま、コイツにはそれがあったからな。」
あの時、耳打ちする為に近付いた我を『ソイツに近付くな』と威嚇して睨んで来おった。
そしてその瞳は、あの小僧がよく向けてきたモノだ。
「そうか。………ん?愛??あの頃???」
キョトンとするエミヤに王様の顔が歪む。
「貴様、そう言えば…鈍感天然フラグクラッシャーだったな…」
「はぁ…??」
「まぁ、精々ケツに気を付けるがいい。雑種に面白い土産話もできたし我は帰る。」
「はぁ???」
ゲートを使い自分のカルデアに高笑いしながら帰って行く王様を見送る。
マスターは何やら手間取っているのかまだ帰ってこない。
『やっと会えた…』
「……俺のアーチャー ねぇ…」
気絶している村正の顔をまじまじと見る。
「お前のものになった記憶はないんだがな…」
少し近い位置にある赤銅の髪に軽くキスをした。