2026-02-23

居酒屋出会ったおじさんたち

俺は慶應義塾大学経済学部卒業なんだけどさ

大学3年から4年になる春休み普通時代からの仲良い同級生旅行に行ったんだよ

そのうちの一人が鳥井家の御曹司でさ、アメリカ大学留学に行くからその壮行会としてサントリーが持ってる保養施設にね

そこで地元居酒屋に入った

常連っぽいおじさん達がいて、一緒に世間話してたんだよね

そんで常連の中でも兄貴分みたいな人がいてさ

周りが「この人はうちの町の工務店親方からさ!」みたいな感じで持ち上げる

本人もすごい苦労話をする訳よ

それを俺らは「へーすごいですね!大変でしたね!」って聞いてた

気分良くしたおじさんが語り出すわけ

「『辛抱』は辛いを抱く!『辛』に1本棒を足せば『幸』になる。幸せになるには辛抱しなきゃな!」とか「人生には困難がいっぱいあるだろ?それを乗り越えていくためにご先祖様たちは『有り難う』って言葉を作ったんだ!」とか言うわけよ

俺らはもう失笑

だってそれ、少年院社会クズ相手に講演して小銭稼ぎしてる芸人がよく言ってるやつじゃんって

テレビとかYouTubeでも一時期やってたやんって

それをさも自分言葉のように語る

周りのおじさんとか居酒屋マスター女将さんまで「〇〇ちゃんは違うねー!」「〇〇ちゃんの言うことは深いねー!」って煽てる

本当に共感性羞恥死ぬかと思った

このおじさんってどんなもんなんだろうと思ってさ

ちょうど店のテレビドミニカニュースが流れてたから俺はおじさんに指差して言ったわけよ

ドミニカの人って黒人なんですね!」って

そしたらおじさん笑いながら言うわけよ

「そりゃアフリカの人は黒人さんだろーが!」って

ああそうか

この人はドミニカカリブ海にあって、カリブ海がどこにあって、なぜカリブ海の島に黒人がいるのかということを理解してないんだ

一生このままここで煽てられて人生終わるんだって

俺はもうなんか悲しくなっちゃった

地元お酒と魚料理がやけに美味しいのも余計悲しくさせる

この人たちはこんなに美味しいものを食べて育ってるけど、この世界のことを何も知らずに自分たちが馬鹿にされてることも死ぬんだなって

あのおじさんたちは今も元気にしてるだろうか

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