2位も消え、CSも風前…。和田阪神の執念は及ばず、延長サヨナラ負けでヤクルトに目の前胴上げを許した。8回表に代打関本の一打で追いつく熱戦も、11回裏に4番手能見が雄平にサヨナラV決定打を浴びた。勝率5割となり、4位広島とは0・5ゲーム差。4日の直接対決(甲子園)がCSをかけた最後の大一番となった。

 屈辱のコントラストだ。延長11回裏。ヤクルト雄平が一塁線を破った瞬間、優勝を祝う紙テープがグラウンドに投げ入れられる。輪を作るV戦士たちに目を向けることはできない。和田豊監督(53)は紅潮した表情のまま、球場から姿を消した。

 「力尽きたというか、執念がもう1つ足りなかった。その差なんだろうな…」

 9月30日に今季限りでの退任が発表されてから最初の試合。情熱を体現した。1点を追う2回1死三塁。梅野が放った地面スレスレのライナーを一塁畠山がキャッチ。飛び出した三塁走者江越も封殺されると、ベンチから飛び出した。

 一塁塁審柳田は両手を広げワンバウンド捕球とジャッジしていた。江越はそれを確認してスタートを切っていた。「ちょっと、おかしいんじゃないか」。審判4人が協議した時間も含めれば、10分超に及んだ猛抗議。最後は完全捕球のアウトをコールしていた名幸球審の判定が採用されたが、左翼席からは自然と「和田コール」が沸き起こった。

 8回2死から3連打で試合を振り出しに戻した。10回2死二塁では11回に打席が回る左翼マートンを伊藤隼にスイッチ。自らマウンドにも向かった。勝利への執念を貫いたが、失策絡みでサヨナラ負け。胴上げ阻止の誓いを守れなかった。

 「それは勝負ごとだから。あと1歩及ばなかった」

 30年前、吉田義男監督が宙に舞った神宮球場で、胴上げを許した。2位が消滅し、4位広島にも0・5ゲーム差まで迫られた。

 「いずれにしても、そこで決まる。もう1回、そこで最後の勝負をする」

 10月4日のシーズン最終戦は広島との直接対決。せめて3位だけは死守しなければ、虎党に示しがつかない。【佐井陽介】

 ◆公認野球規則9・04(C) 一つのプレーに対して、2人以上の審判員が裁定を下し、しかもその裁定が食い違っていた場合には、球審は審判員を集めて協議し(監督、プレーヤーをまじえず、審判員だけで)、その結果、通常球審(または、このような場合には球審に代わって解決にあたるようにリーグ会長から選任された審判員)が、最適の位置から見たのはどの審判員であったか、またどの審判員の裁定が正しかったかなどを参酌して、どの裁定をとるかを決定する。(以下略)

 ▼阪神は今季の2位が消滅し、CSの甲子園での開催権を逃した。阪神のCS進出決定は最短で4日の広島戦。3日の広島の勝敗にかかわらず、4日に阪神が広島戦○なら進出。3日に広島が△か●なら、4日に阪神が広島に△でもCSが決まる。