【異聞声明録】企画書
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【異聞声明録】企画書

3行コンセプト

死者の声を復元する少女が、やがて自分の声が最初から石板に刻まれていたことに気づく。
プレイヤーは「誰かの声を復元している」つもりが、実は「自分の物語を復元していた」。
感情の選択がそのまま世界を書き換えていく、音声演出重視のミステリーADV。

基本情報

項目
内容
タイトル(仮)
異聞声明録(いぶんせいめいろく)
ジャンル
ADV / 音声復元パズル
エンジン
Unity(2D)
操作
マウス・タッチ対応
ボリューム
中〜長編(チャプター制)
ターゲット
性別問わずストーリー重視のプレイヤー
雰囲気
シリアス・ファンタジー

世界観

かつて人々は「感情を乗せた声」で世界を編み上げていた。 しかし支配者「沈黙府」はその力を恐れ、文明ごと封印した。
現代、封印された地下遺跡の調査機関に属する復元士・ゼフィアは、 死者の声が刻まれた石板を解析・復元する仕事に就いている。
石板に記録されているのはただの会話ではなく、世界を動かした呪術的な音声。 ゼフィアが声を復元することは、封印された力を現代に解き放つ行為でもある。

主人公

ゼフィア(Xefir)

封印された地下遺跡の調査機関に属する若い復元士。 彼女だけが石板の音声を「聴ける」特異体質を持つが、その理由を自分では知らない。
無口で感情表現が乏しいが、石板越しに死者と向き合うことで少しずつ変化していく。

ヴェイン(Vain)

復元が進むにつれ浮かび上がる人物。沈黙府に処刑された青年。
ゼフィアの声優が演じ、音声はピッチ変換・ノイズ処理による加工で男声として表現する。

優先度設計

ゲームシステム < シナリオ ≦ 演出(絵) < 演出(音声)

コアコンセプト

聴くために解き、選ぶことで物語を作り、後から振り返って初めて意味がわかる

シナリオ構造

全体フロー

プロローグ「最初の声」  ↓ Chapter 1「断片の街」  ↓ Chapter 2「声の罪」  ↓ Chapter 3「共鳴」  ↓ 【大分岐ポイント:沈黙か、共鳴か】  ├─ 強制ED①「還らぬ声」  ├─ 強制ED②「消えた問い」  └─ Chapter 4「封印の名前」     ↓   Chapter 5「終章 異聞の声」     ├─ ED A「声は還る」(救済)     ├─ ED B「声は繰り返す」(哀愁)     ├─ ED C「声は刻まれる」(苦い勝利)     └─ ED D「声は断たれる」(悲劇)

プロローグ「最初の声」

初めて石板に触れたゼフィアが、ノイズの中に一瞬だけ鮮明な「声」を聴く。 その声はなぜか自分に語りかけているように聞こえた。 機関の上司に命じられ、封印都市の遺跡調査へ赴任。
ここから物語が始まる。

Chapter 1「断片の街」

遺跡に眠る無数の石板。最初の復元対象は市井の人々の日常会話。
正解なし系の選択肢が中心で、プレイヤーは「復元とはどういう行為か」を体験しながら 世界観に慣れていく。石板の人物・ヴェインの声が印象的に残る。
解釈値の蓄積スタート。

Chapter 2「声の罪」

復元が進むにつれ、封印都市が滅んだ経緯が見え始める。 沈黙府が過去にも存在し、声の力を持つ者を粛清していた歴史が明らかに。
ヴェインの声の断片が増え、彼が処刑された人物だとわかる。
正解あり系の選択肢が初登場。ゼフィアの上司が沈黙府と繋がっている示唆が入る。

Chapter 3「共鳴」

ヴェインの声の復元が大詰めを迎える。 ゼフィアは石板が自分の声に反応していることに気づき、機関の記録を独自調査し始める。 ゼフィア自身の出生記録が封印されていることを発見する。

大分岐ポイント「沈黙か、共鳴か」

Chapter 3末尾で解釈値の累計が判定される。
断罪寄りが強い場合 → 強制ED①「還らぬ声」
真相に最も近づいたが世界を変えられなかった結末
曖昧・保留が多い場合 → 強制ED②「消えた問い」
何も選ばないことも選択だったという結末
どちらかに振り切れている場合 → Chapter 4へ進む

Chapter 4「封印の名前」

ゼフィア自身の声が、かつてヴェインによって石板に刻まれていた真実が明かされる。
ゼフィアは封印都市の最後の生き残りの子孫であり、声の力の継承者。 沈黙府がゼフィアを管理・回収するために調査機関に置いていたことが判明。
ヴェインとゼフィアの「過去と現在の対話」が最大の演出山場。 支配者との直接対立が始まる。

Chapter 5「終章 異聞の声」(フラクタル分岐)

エンディング
条件
内容
ED A 「声は還る」
共感ルート・解釈精度高
封印が解け、声が世界に満ちる。 ヴェインの最後の言葉が完全に復元され届く。 (救済)
ED B 「声は繰り返す」
共感ルート・解釈に迷い残る
声は解放されるが、ヴェインの言葉の一部は 永遠に復元できないまま残る。 (哀愁)
ED C 「声は刻まれる」
断罪ルート・証拠完全
沈黙府を打倒し、記録を世界に公開。 絆より使命を選んだゼフィアの、孤独な幕引き。 (苦い勝利)
ED D 「声は断たれる」
断罪ルート・証拠不完全
真実を暴こうとしたが、証拠が不完全。 ゼフィアの声も失われ何も証明できないまま終わる。 (悲劇)

システム仕様

画面構成と遷移

タイトル画面(チャプター選択・ギャラリー・ログ・設定)  ↓ ADVパート(会話・移動・フラグ管理)  ↓ パズルパート(音声復元)  ↓ 感情選択肢  ↓ 音声演出 → ADVへ戻る

パズルパート:音声復元システム

1枚の石板を複数フェーズで復元する。最低2〜3フェーズ、内容量によって変動。
パズルタイプ
内容
正解
並べ替え
ノイズ混じりの音声断片をドラッグで正しい順に並べる
✅ あり
補完選択
欠けた部分に複数の候補から断片を選ぶ
✅ あり
感情解釈
意味は通るが解釈が異なる断片から選ぶ
🌀 なし
各フェーズの最後は必ず感情解釈タイプで締め、解釈値を蓄積する。

復元演出フロー

パズル完了  ↓ 画面暗転・石板エフェクト  ↓ ノイズが引いていく音響演出  ↓ 復元された音声が再生(ボイス本番)  ↓ ゼフィアの一言リアクション(ボイス)  ↓ ADVパートへ

解釈値システム

解釈値は「共感」「断罪」「曖昧」の3軸で各石板ごとに記録。 チャプター終了時に累計を集計し、大分岐ポイント・終章分岐で参照する。
重要: プレイヤーには数値を直接見せず、ゼフィアの台詞・様子の変化で間接的に伝える。

正解あり / なしの使い分け

タイプ
使用場面
効果
✅ 正解あり
推理パート・真相に近い石板
間違えると強制EDへの道が開く緊張感
🌀 正解なし
人物の感情・関係性に関わる石板
プレイヤーの解釈が世界を作る体験
「重要な事実」には正解を、「人の心」には正解を設けない。

ボイス仕様

1人2役設計(ゼフィア / ヴェイン)

場面
ゼフィア
ヴェイン
ADVパート
通常ボイス
パズル中の断片
ピッチ低下+ノイズ・残響エフェクト
復元完了直後
リアクションボイス
ノイズ減衰→加工ボイスが鮮明化
特定ED
通常ボイス
加工が外れ生声(または限りなく近い音)が流れる
実装方針: UnityのAudio Mixerスナップショット切り替えで段階的な加工変化を表現する。

UI・メタ機能

音声ギャラリー

復元済みの音声をいつでも聴き直せる
石板ごとにサムネイル+タイトルで一覧表示
感情解釈の選択内容によって複数バージョンが解放される(周回動機)

選択ログ

どのフェーズでどの選択肢を選んだか時系列で確認可能
フラグへの影響はED後のリザルト画面で初めて開示(プレイ中は非公開)

パズル再挑戦モード

クリア済みの石板を単体で再プレイ可能
スコア制(正解精度・クリアタイムで評価)
スコア
解放されるおまけ
S評価
制作裏話・設定資料
全石板S
声優コメンタリー付き音声版
特定条件
「ヴェインの加工前ボイス断片」が解放される

セーブ・ロード設計

チャプター開始時にオートセーブ
手動セーブはADVパート中いつでも可能
パズル中はセーブ不可(フェーズ単位で中断データのみ保持)
周回時は解釈値をリセットした新規データで進む(ギャラリー・ログは引き継ぎ)

各チャプター石板数・フェーズ数設計

設計前提

ADVパート目安:15〜20分 パズル1フェーズ目安:4〜6分 感情解釈フェーズ:各石板の最終フェーズに必ず1回

チャプター別詳細

チャプター
目安時間
石板数
フェーズ構成
特記
プロローグ
〜20分
1枚
2フェーズ
チュートリアル。 並べ替えのみ・難易度最低
Chapter 1
〜30分
1枚
3フェーズ
並べ替え×2→感情解釈。 正解なし系のみ
Chapter 2
〜30分
1枚
3フェーズ
補完選択が初登場。 正解あり系1つ混入
Chapter 3
30〜60分
2枚
3+4フェーズ
前半石板で助走、後半石板で山場。 正解あり比率増加
Chapter 4
30〜60分
2枚
3+4フェーズ
2枚目がゼフィア自身の声の石板。 演出最重要
Chapter 5
30〜60分
1枚
5フェーズ
ヴェインの最後の言葉を段階的に復元。 全タイプ総動員

難易度のバランス調整

プロローグ  └─ 断片2個を並べるだけ・ノイズ薄め Chapter 1  └─ 断片3〜4個・ノイズ中程度・感情解釈は2择 Chapter 2  └─ 補完選択登場・候補3择・正解あり初登場で緊張感 Chapter 3(前半石板)  └─ 断片5個・候補4择・混合タイプ登場 Chapter 3(後半石板)・Chapter 4(前半)  └─ ノイズ強め・断片の順序にフェイクあり・感情解釈は3择 Chapter 4(後半石板:ゼフィアの声)  └─ 特殊:断片がゼフィア自身の声なので「聴き覚えがある」演出と連動 Chapter 5  └─ 全フェーズで全タイプ混合・最終フェーズは選択肢なし   (ヴェインの最後の言葉は「ただ聴く」だけの演出)

総数まとめ

石板合計:8枚 フェーズ合計:25フェーズ(感情解釈は計 8回) 推定総プレイ時間:3〜4時間(周回除く)

主人公“ゼフィア”のビジュアル設計

デザインコンセプト

「整然とした外殼に、滲み出る熱」
表面は無機質でクールな研究者。でも服の細部や髪の非対称さに、抑えきれない内側の豊かさがほんのり漏れ出ているデザイン。

体格・シルエット

細身・長身寄り。年齢感は16〜18歳の少女体型だが、動作は落ち着いていて年齢より老けて見える。重心が低く、静止時に「佇んでいる」印象を出す。

髪型

レイヤード+左右非対称。片側が短く、もう片側が長い。整えられているようで少し乱れた印象。「自分の見た目に無頓着だが、なぜかそれが絵になる」タイプ。

カラー

部位
方向性
アッシュグレー 光の当たり方で白にも銀にも見える
アッシュブルーグレー 感情が動いたとき微妙に色が深まる印象
やや白め 日光を浴びていない遺跡作業者感

氷装・意匠

ベース: 丈の長いローブ系コート。くすんだ濃紺〜炭色。研究者・修道士的な清廉さ。
アクセント(復元士の道具感):
耳や手首に小型の音響計測器具を思わせるパーツ
ベルトや留め具に古びた真銅・金属感
ローブの裾や覆に細かい刍印模様(石板の文字を模した文様)
左右非対称の意匠:
利き手側(右)の袖がやや短く、器具にアクセスしやすい作りになっている
片側だけに肩当て的なパーツ

「内側の豊かさ」が滲み出る箇所

「無機質に見えるのに温かみを感じる」余白を各所に仕込む。
ローブの裏地だけ、くすんだ暖色(深い赤茶など)
手首のパーツに、誰かから贈られたような小さなチャーム
髪の乱れ方が「崩そうとしているわけではなく、ただ気にしていない」感じ

ボイス収録ディレクション方針

基本方針

「加工は後で。まず人間の声を録る」
ヴェインの声は収録時に加工を意識させず、自然な感情表現を最優先で引き出す。ピッチ変換・ノイズ処理はポスト作業で行う。声優には完成形のイメージより感情の核を伝えることに集中する。

キャラクター別ディレクション指針

ゼフィア
場面
演技指示の方向性
日常・調査パート
抑制気味・感情の起伏を小さく。 「感じているが出さない」温度感
パズル中のリアクション
短く・鋭く。 石板に引き込まれていく没入感
真実発覚後
揺れを残す。震えや間を大切に。 「完璧な芸居」より「本当に動揺している人間」
ED別
A(救済):静かな解放感 B(哀愁):何かを飲み込んだ余韻 C(孤独な勝利):乾いた強さ D(悲劇):声が消えていくような弱さ
ヴェイン(加工前素材として)
収録方針
詳細
演技スタイル
素の演技を全力で。「石板の声」ではなく 「生きていた人間の声」として演じてもらう
感情の揺れ
テイクを重ねて「少し崩れた瞬間」を積極的に採用。 完璧に整ったテイクより感情が滲み出た瞬間を優先
間・ブレス
カットしない。 ヴェインの息遣いが加工後も残ることで 「生命感」が生まれる
ED別トーン
共感:穏やかな諺念と感情 断罪:覚悟と怒りの混在 最後の言葉(Ch.5)は全EDで別テイク収録

1人2役の連続性演出

このゲームの核心は「ゼフィアの声とヴェインの声が同じ人間から出ている」とプレイヤーが気づく瞬間にある。
収録時の工夫: ・ゼフィアとヴェインのセッションは同日に収録 ・特定シーン(Ch.4の対話)は台本を通しで読んでもらう ・「同じ声から生まれた二人」という文脈を収録前に共有する 加工時の工夫: ・ヴェインのピッチ変換はやりすぎない。わずかに「似ている」ラインを保つ ・EDの加工が外れる瞬間はゼフィアのトーンに近づくよう設計

収録時のNG指示

「石板っぽく」「幽霊っぽく」など加工後を想像した演技は不要
感情を抑えすぎて「棒読みに近い」状態は非NG(無口≠無感情)
ヴェインの台詞を「美しく整えすぎる」ことへの警戒

UIデザイン方針

コンセプトワード

「遺跡の中に漂う、光の残滹」
ベースは冷たく無機質な石・金属・暗闇。そこに声の復元が進むにつれて幻想的な光や粒子が滲み出てくるイメージ。UIそのものがゲームの進行とともに変化する。

カラーパレット方針

用途
方向性
ベース
混い黒・炭色・鐕びた鉄紺
アクセント(通常)
熻んだ金・古銅色
アクセント(声の復元時)
淡い蒼白・白銀の発光
感情解釈選択肢
共感:暖色寄り 断罪:冷色寄り 曖昧:無彩色

パズル画面:没入設計

余計な情報を彻底的に排除し、「石板と向き合っている」感覚を作る。
通常UI要素  → 画面端に半透明で縮小表示。觧れると浮き上がる スコア・進捗表示  → パズル中は非表示。フェーズ完了時のみ一瞬だけ表示 BGM・SE  → パズル中は環境音+微細ノイズのみ。復元完了で音楽が解放される演出
石板はUI要素ではなく「世界の一部」として画面中央に鄗座するデザイン。断片はUIパーツではなく「石の欠片」として物理感を持たせる。

アニメーション・トランジション方針

画面遷移
遷移
演出
ADV → パズル
暗転しながら石板が浮かび上がる。 光の粒子が集まって石板の輪郭が現れる
パズル → 復元演出
ノイズエフェクトが画面全体を覚い、 引いていくと音声再生が始まる
復元演出 → ADV
発光が静かに収束し、暗転してADVに戻る
チャプター開幕
タイトルテキストが石に刻まれるように1文字ずつ出現
強制ED突入
通常トランジションより暗く・重く・遅い。 BGMが途切れるような演出
細部アニメーション
選択肢ホバー時:文字がわずかに発光してノイズがかかる
断片ドラッグ中:断片の縁がぼんやり光る
感情解釈の選択確定時:選んだ断片が石板に「吸い込まれる」ように消える
ギャラリー画面:石板サムネイルが石棚に並んでいるようなレイアウト。未復元は暗く封印されたエフェクト

フォント方針

箇所
方針
ADV台詞
明朝系・細め。静諂さと格調を両立
UI汎用テキスト
サンセリフ系・やや細め。無機質感を補強
章タイトル・重要テキスト
独自フォントまたはエフェクト加工。刻まれた文字のような質感

CRIWARE使用有無

結論:基本はUnity標準で実装、プロトタイプで音質検証後に不満があればCRIWAREを導入

各機能の比較

機能
CRIWARE(ADX2)
Unity標準Audio Mixer
ピッチ変換品質
◎ 高品質・自然な変声
△ 品質に限界あり
リアルタイム加工変化
◎ パラメータ滑らかに制御可能
○ スナップショット切替で代替可能
ノイズ・残響DSP
◎ エフェクト豊富
○ 作り込み次第で可能
コスト
△ ライセンス費用あり
◎ 無料
学習コスト
△ 独自ワークフローの習得あり
◎ 追加不要

導入判断フロー

Unity標準でプロトタイプ実装  ↓ ヴェインの声の加工グラデーションを検証  ↓ 音質がOK → Unity標準で確定 音質が不満 → CRIWAREに移行