スカイツリー閉じ込め、救出までの5時間超 一時「強行突破」案浮上
東京スカイツリー(634メートル、東京都墨田区)で22日夜、エレベーターが急停止し、乗っていた20人が閉じ込められた。消防や警察による救助が完了したのは、日付も変わった23日午前2時過ぎ。5時間半超にわたる救出劇を振り返る。
運営する東武タワースカイツリーによると、トラブルがあったのは22日午後8時15分ごろ。4階と、地上350メートルの天望デッキをつなぐエレベーター「春」「夏」「秋」「冬」の4基のうち「秋」と「冬」の2基が警報とともに緊急停止。ほかの2基も、安全確認のため1時間ほど停止した。
携帯トイレ、水は備え付け
「秋」は誰も乗せていなかったが、「冬」は地上約30メートルの地点で、子ども2人を含む男女20人を乗せたまま停止。原因は不明だが、エレベーター内にあるインターホンは使えない状態だったため、外部との連絡は携帯電話で行われたという。エレベーター内には緊急用の携帯トイレや水は備え付けられていたという。
一方、天望デッキと地上450メートルの天望回廊にはこのころ、計約1200人が残され、一時、4基すべてが動かなくなったため足止めとなった。一部エレベーターの運転再開とともに順次降りることができたが、「酸欠状態だった」と口にする客もいたという。
事態が動いたのは「冬」の閉じ込めから4時間近くが経ち、日付も変わったころ。乗客の体調を考慮し、警察や消防は「強行突破やむなし」という意見に傾いていた。具体的にはカッターなどでエレベーターをこじ開け、脇にある非常用階段に接続して乗客を逃す、という算段だった。
スカイツリーとの協議では
ただ、最終的にこの方法は見送られた。スカイツリーとの協議で、「冬」の横に別のエレベーターを横付けし、緊急用のドアを開けて橋を渡すという方法が採用された。エレベーター同士の距離は1.5メートル。地上30メートルの避難となるため、救助隊が横付けするエレベーターに乗り込んで誘導することになった。
その救助隊が、「冬」の真横に到着したのは23日午前1時44分。慎重に1人、また1人と橋を渡らせた。全員の移動が完了したのが1時55分。エレベーターから5階に降りて救助が完了したのは2時2分だった。
体調不良を訴えた客はいなかったが、スカイツリー側が用意したタクシーに乗り込み、足早に帰路についた。20人全員がスカイツリーを後にしたのは、発生から6時間あまりが経った、午前2時35分だった。
なぜ救助にここまで時間がかかったのか。
「安全を第一に」
スカイツリーの担当者は取材に「(エレベーターを横付けするのに)現場の安全を確認しながら動かせるかどうか、という点に非常に時間がかかった」と説明。「安全を第一に、お客様に万が一のことがあってはいけないということも考えながら、救助の方法を検討していた」と話した。
発生当初、SNS上では「強風でエレベーターが動かない」といった投稿もみられたが、エレベーターが緊急停止した原因はまだ明らかにされていない。
東武タワースカイツリーは、23日を臨時休業とし、エレベーターの点検を行う。24日の営業は、23日午後5時ごろに公式ホームページで発表する予定。
東京スカイツリーは高さ634メートルの電波塔。東武鉄道や東芝エレベータのホームページなどによると、エレベーターでは地上350メートルの天望デッキまで50秒で運べるという。
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