次世代スターの不在
さらに、声優業界は一つの大きな課題を抱えている。声優には常に“次のスター”が登場していたはずだった。
1980年代には神谷明や古谷徹、1990年代には林原めぐみや緑川光。2000年代は堀江由衣や田村ゆかり、水樹奈々、宮野真守。2010年代に入ると花澤香菜や水瀬いのり──だが、ここ数年「次世代スターが見当たらない」といった声が増えている。
その理由の一つが、若手声優が“挑戦できる場”が少ないということだろう。登竜門だった深夜アニメの主役ポジションも、既に名の知られた中堅~ベテラン声優で埋まるケースが増えている。
「キャスティング時にプロフィールが真っ白な人と、ある程度作品に出ている人であれば、それは後者を選びますよね。何より、新人の先輩にあたる中堅から大御所の方も20分前にはスタジオに入られているほど、非常に仕事に真摯な方が多い。
そして常になにか新しい表現ができないかと向上心を持って研究されている。こうした中に新人が割って入るのはハードルが高いと思います」
実際、40~50代のベテラン声優たちもキャリアのピークを維持している。神谷浩史、杉田智和、石田彰、沢城みゆき、坂本真綾…みな第一線で活躍し続けているスターばかりだ。