過激派の中核派の内紛で離脱状態にある矢嶋尋委員長の全学連が17日付で機関紙「全学連通信」を発行した。一方、中核派中央系の集会には、離脱しなかった全学連書記次長の姿が「全学連」ののぼりとともに確認されており、中核派全学連の分裂が確定的になった。
民青系は活動休止状態
機関紙の発行元は「全日本学生自治会総連合(矢嶋委員長)」となっている。イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻を「虐殺」と非難し、分裂に至った中核派中央の対応も批判している。
中核派全学連が分裂したことで、全学連を名乗る組織は、中核派中央▽矢嶋派▽革マル派▽革労協主流派▽革労協反主流派▽日本民主青年同盟(民青)―の6派となった。
このうち民青全学連は、中心的存在だった東京大教養学部学生自治会が平成24年に脱退して以降弱体化。28年に公式ツイッター(現X)で、革マル派全学連について「僕たち全日本学生自治会総連合とは同名ですが全く別の過激派団体です」などと注意喚起して以降、活動休止状態だ。
かつては反体制を主導
全学連は、昭和23年に全国の145大学の学生自治会で結成され、戦後の反体制運動を主導した。当初は共産党が強い影響力を持っていたものの、共産党が武装闘争を唯一とする戦術を自己批判すると、過激派が主流になった。
60年安保で国会に乱入するなど激しい活動を行った後、革共同の結成、革マル派と中核派の分裂など紆余曲折を経て、41年に三派全学連(中核派、社学同、社青同解放派)が誕生するが2年足らずで崩壊した。その後は主要各派が全学連を名乗っている。(渡辺浩)