「性犯罪の被害者の心理状態を理解しないもの」37歳消防士の男が21歳女子大学生に性的暴行 福岡高裁”泥酔状態ではなかった””証言は不自然”弁護側の主張を一蹴し控訴を棄却【判決詳報・後編】
2023年10月、北九州市内に住む21歳の女子大学生の自宅で泥酔した影響や恐怖により拒絶できない状態の女子大学生に性的暴行を加えた、北九州市消防局の消防士・田中貴志被告(37)の裁判。 【写真で見る】北九州市消防局の消防士・田中貴志被告(37)の控訴を棄却した福岡高裁 1審の福岡地裁小倉支部は懲役6年の判決を言い渡し、田中被告は”女子大学生は帰宅時に泥酔状態ではなかった””女子大学生の証言は不自然”として控訴していた。 2月13日の判決で福岡高裁は「女子大学生が帰宅時に泥酔状態であったと認定した原判決に論理則経験則違反はない」としたうえで「性犯罪の被害者の心理状態を理解しないもので、当を得ないものといわざるを得ない」と厳しく指摘して控訴を棄却した。 ※この判決は前・後編で掲載しています。 【最初から…】バーで泥酔した21歳女子大学生を背負って自宅まで送り性交した37歳消防士の男 1審の懲役6年判決を不服として控訴 2審の争点は…【判決詳報・前編】 ■弁護側の主張”女子大学生は帰宅時に泥酔状態ではなかった””女子大学生の証言は不自然” 北九州市消防局の消防士・田中貴志被告(37)は1審の懲役6年判決を不服として2025年9月26日付で控訴した。 弁護側は控訴趣意書において 「女子大学生は、アルコールの影響及び驚愕・恐怖により同意しない意思を全うすることが困難な状態にあったとは認められないのに、これらを認めて不同意性交等罪が成立するとした原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実の誤認がある」 と主張した。 具体的には (1)女子大学生は帰宅時に泥酔状態ではなかった (2)女子大学生の証言は不自然 というものだ。 ■弁護側”女子大学生が帰宅時に泥酔状態であったことには合理的な疑いが残る”主張 控訴審で弁護側は ”バーの経営者が述べた『店内で寝ていた女子大学生が1度か2度は自力でトイレに行っていた』との事実を原判決が認定していない” ”女子大学生は、遅くとも午前2時頃にソファに移動してからは一切アルコールを摂取していないから、女子大学生の体内のアルコールは分解される一方であったはずであり、女子大学生が一人でトイレに行っていたことからすれば、遅くとも犯行の時点ではアルコールによる影響は相当程度低下していたことが強く推認される” と主張した。 また、弁護側は ”女子大学生は防犯カメラの映像上、田中被告に背負われながら脱力しているが、その後、女子大学生が自室に戻って自力でトイレに行き、吐こうとしていたことなどから考えて、女子大学生は、田中被告に背負われた状態で激しい吐き気を催してしまい、脱力していた可能性がある” と述べた。 以上からすれば、 ”女子大学生が帰宅時に泥酔状態であったことには合理的な疑いが残る” というのが弁護側の主張だった。
【関連記事】
- 【最初から…】バーで泥酔した21歳女子大学生を背負って自宅まで送り性交した37歳消防士の男 1審の懲役6年判決を不服として控訴 2審の争点は…【判決詳報・前編】
- ▼【懲役30年求刑】「女性として見るように…」教え子の女子児童8人への性的虐待事件 道場経営・永末哲也被告(62)法廷で語られた支配構造と犯行動機【裁判詳報・前編】
- ▼10代半ばの娘2人に性的暴行を加えた父親 姉は妊娠・出産、妹は中絶手術 ”娘らが望んでいた”父親の主張を裁判所が「荒唐無稽」と一蹴【判決詳報】
- ▼「財布がなくなった」女子高校生の相談にゲームセンターの店長がとった”とっさの判断”「靴をみました」
- ▼飲み会途中に公園で休憩していた20代女性に性的暴行加えた19歳の男 裁判の争点は「性交類似行為があったのか」と「自首が成立するのか」 裁判所「人格を顧みない執拗かつ粗暴な犯行」自首の成立も認めず【判決詳報】