日本初の女性首相誕生と韓国初の女性大統領誕生の類似点
日本の新首相に自民党の高市早苗総裁が選出された。
日本国初の女性総理の誕生ということもあって韓国でも大々的に伝えられているが、韓国は日本よりも一足先に女性大統領を誕生させている。今から12年前の2013年2月に第18代大統領に朴槿恵(パク・クネ)氏(当時61歳)を選出している。先進国の日本よりも、逸早い女性リーダーの誕生であった。
日本では父親が日韓条約を締結した朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領であることから李明博(イ・ミョンパク)前大統領の竹島上陸でこじれた日韓関係の修復を期待する声が高まっていた。実際に朴槿恵大統領も選挙公約では日本とは「協力の未来に向けて共に協議する」として、東アジアの平和と発展のための「東北アジア平和と協力構想」を推進するとのビジョンを明かしていた。
高市首相も政権発足後の記者会見で「日韓関係を未来志向的に安定的に発展させたい」と発言していた。また「日韓関係の重要性は一段と高まっている」として「李在明(イ・ジェミョン)大統領とは意思疎通をはかっていく」意向も表明していた。
日韓関係に関する基本姿勢は高市首相も朴槿恵大統領も全く同じである。それにもかかわらず朴槿恵大統領の時は就任早々に躓いた。タイミング悪く、大統領就任式の3日前の2月22日の「竹島の日」の島根県の行事に日本政府が政務官を派遣したからである。
それでも朴大統領は麻生太郎副総理の大統領就任式出席を拒まなかった。ところが、朴大統領が「両国の指導者が慎重な発言と行動を通じ、信頼を持続的に構築していくことが重要である」と麻生副総理に念を押したにもかかわらず2か月後、麻生副総理が靖国に参拝したことで朴大統領はメンツを潰され、完全にプッツンしてしまった。
高市首相は昨日の記者会見で「韓国の海苔が好きだし、韓国の化粧品を使うし、韓国のドラマをよく見る」と、韓国に受けの良い言葉を口にしていたが、日韓の争いはキムチが好きとか、嫌いで起きるのではない。歴史問題と領土問題がすべてだ。
当時、朴大統領は日本との関係改善や日韓首脳会談の条件として①竹島の日の行事を政府主催行事に格上げしない②河野談話を撤回しない③村山談話を継承する④二度と靖国に参拝しない➄領土問題を国際司法裁判所に提訴しないことを突き付けていた
これに対して安倍晋三首相は国会答弁で河野・村山談話を「継承する」と約束したもののそれでも朴大統領は「首脳会談開催には慰安婦問題で日本が誠意を示すことが先決、前提である」として、安倍首相との首脳会談には応じようとしなかった。
業を煮やした安倍首相はこの問題は1965年の日韓条約(請求権協定)で解決されたとの認識に立ち「政治問題化、外交問題化すべきではない」と「外交懸案化」している朴大統領にくぎを刺した。
それでも朴大統領は「元慰安婦などの問題が解決しない状態では、首脳会談はしない方がましだ。首脳会談をしても得るものがない」と繰り返し、頑として応じようとはしなかった。2013年12月には訪韓したバイデン米副大統領に対して「もし安倍首相と会談して結果を出せなかったら状況は今よりもっと悪くなる」と慰安婦問題が解決されない限り安倍総理と会談する意思がないことを鮮明にしていた。
事態を打開するため2014年10月に訪韓した日韓議員連盟の額賀福志郎会長(当時)との会談でも朴大統領は「過去に首脳会談を行った後、むしろ関係が後退した経験を教訓とし、十分な準備をして会談を成功させるような真摯な努力が優先されるべきだ」と述べた上で「従軍慰安婦の問題で日本が誠意を示し、環境を整えることが重要」であると強調し、「前提条件を付けるべきではない」とする安倍総理の無条件開催を拒否していた。
安倍首相よりも二つ年上だった朴大統領は原則の人と言われていたが、日本に折れなかったのはそれだけが理由ではない。国内の突き上げを恐れたからだ。
高市首相は議員時代に靖国参拝だけでなく、「竹島の日」の島根県主催の行事には「堂々と大臣が出ていったらいい。(韓国の)顔色をうかがう必要はない」と、政務官ではなく、格上の閣僚の出席を主張していた。また、村山談話についても「勝手に謝っては困る」と批判していた。慰安婦問題でも徴用工問題でも韓国の反発を買う発言を繰り返していた。
仮にこうした姿勢が日本の保守層に受け入れられ、総理の座を手にしたとするならば、今は自制していても総選挙が近づけば、あるいは日韓の懸案が再浮上した場合、保守層の支持を取り付けるため再び強硬発言に転じる可能性は多分にある。
そうなれば、「反日」を封印している李大統領もやまびこではないが、強硬には強硬で応えることになるだろう。これが最悪の日韓関係と言われた、安倍晋三―文在寅(ムン・ジェイン)政権下の教訓であることを高市首相も李大統領も忘れるべきではない。