「がまんは美徳」と腹痛を耐え死にかけた男の結末――「たかが」と侮ってはいけない命に関わる腹イタの正体。昔と今では違う“治療の新常識”
1泊2日の予定で実家に帰省したところ、そのまま近くの病院に1週間も入院することになってしまった男性。たかが“腹イタ”のはずが緊急手術を受けることになった、その理由とは――。 ■よくある軽い腹痛のはずが… 「おなかが痛くなることは、ときどきあったんです。でも、軽い腹痛なんて誰にでもよくあることだし、まさかあんな大変な目に遭うなんて、思いもしませんでした」 そう話すのは、カメラマンの樋口祐也さん(40代、仮名)だ。当時は20代後半。普段は都内で妻と2人暮らしをしているが、その日は郊外にある実家に用があり、1人で帰省していた。
「夕方、実家に着いた頃には、すでに右の脇腹に鈍い痛みがあったんです。だけど、いつものことだから、そのうち治るだろうと高をくくっていました」 本連載では、「『これくらい平気』だと思っていたら、実は大変な病気だった」「こんなバカな行動で、病気になってしまった」という体験談を募集しています(プライバシーには配慮いたします)。取材にご協力いただける方は、こちらのフォームからご応募ください。 当時の樋口さんは、上司であるカメラマンのサポートをするアシスタント。撮影前の準備から、撮影後の写真の整理まで、こまごました業務をこなさなければならない。働き方の意識が変わってきた今と違い、当時は徹夜も珍しくなかった。
心身ともに常に多大な負荷のかかる状態だったという樋口さん。「おなかはそんなに強くないほうなのに、ストレスを感じると暴飲暴食してしまう。翌日におなかを壊すのは日常茶飯事だった」と振り返る。 さて、夕方に始まった腹痛は、夕食を食べたあとも治まらない。 妻に電話をかけて腹痛が治らない旨を伝えたが、日頃の樋口さんのおなかの調子を知っている妻からは、「また? 一晩寝たら治るんじゃない?」と軽くあしらわれる始末。本人も「やっぱりそうなんだろうな」と妙に納得し、深く考えないまま床に就いた。