「竹島の日」記念式典への閣僚派遣見送り政務官派遣…韓国は昨年同様の抗議、両国関係に配慮か
政府は22日、松江市で開かれた島根県など主催の「竹島の日」記念式典に、政府代表として古川直季・内閣府政務官を出席させた。政務官出席は14年連続で、高市首相が就任前に言及した閣僚派遣は見送った。竹島を不法占拠する韓国に抗議の意を示しつつ、抑制的な対応にとどめ、引き続き日韓の連携強化を目指す。
古川氏は式典で「竹島は歴史的にも国際法上も、明らかに我が国固有の領土だ。外交努力で平和的に紛争を解決する」と訴えた。自民党三役で初めて参加した有村総務会長は、日韓関係の重要性を強調した上で、「領土・主権を守る意思を明確にし、粘り強く着実に取り組みたい」と語った。
首相は昨年9月、自民総裁選中の討論番組で「堂々と大臣が出て行ったらいい。(韓国の)顔色をうかがう必要はない」と語っていた。今回、例年通りの政務官出席にとどめたことで「良好な日韓関係に配慮」(政府高官)しながらも、党三役の初派遣で「国内向けにアピール」(党幹部)し、折り合いをつけた。
首相を支持する保守層は、不法占拠が続く現状に不満を強めている。一方、韓国内で竹島は独島(トクト)と呼ばれ、植民地支配後に「奪還」した島として象徴的意味を持つ。「一度火がつけば収拾がつかなくなる敏感な問題」(日本外務省関係者)だけに、式典への対応が注目された。
首相は先月、李在明(イジェミョン)大統領を地元の奈良に迎え、関係強化を確認したばかり。日中関係が冷え込み、トランプ米政権とも関税や防衛費で難題を抱える中、戦略的重要性を増す韓国との連携を今後も進める方針だ。
韓国外交省は政務官派遣に抗議する報道官声明を発表し、金相勲(キムサンフン)アジア太平洋局長が在韓日本大使館の松尾裕敬総括公使を呼んで抗議した。ただ、抗議内容は昨年とほぼ同じだった。日本の対応とバランスを取った形で、両国関係に配慮したとみられる。