イスラエルが占領するヨルダン川西岸で、ユダヤ人入植者によるパレスチナ人への犯罪が2025年、前年から2割以上増えたことが、イスラエル軍などの統計で分かった。
銃撃や放火などの重犯罪は5割以上増えたという。入植者の暴力が拡大し、過激化していることが浮き彫りになった。
軍などによると、入植者による25年の犯罪は867件。重犯罪は、23年が54件▽24年が83件で、25年は128件に上った。計300人の過激な入植者が主に関与したとみられるという。ただ、摘発された入植者はほとんどいないとみられる。
一方、イスラエルの平和団体「ピースナウ」によると、入植者が西岸でパレスチナ人を監視するために作る前哨地(アウトポスト)は25年に86カ所設置された。
前哨地は、プレハブなど簡素な建物で構成される入植地の「卵」だ。イスラエルの国内法でも違法とされ、軍によって撤去されることもある。だが、居住し続けることで、やがて正式な入植地として「合法化」される。
ジュネーブ条約で占領地への移住は禁止され、入植地は国際法違反とされる。ただ、一部の右派のユダヤ人は、西岸を「神に約束されたユダヤ人の土地」とみなし、入植地建設を推し進めている。
23年10月にパレスチナ自治区ガザ地区で戦闘が始まると、西岸の一部入植者は過激化し、パレスチナ人の「戦略的な追放」を始めた。これまでに45のパレスチナ人集落が消滅し、約4000人が家を追われた。【エルサレム松岡大地】
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