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韓国の過剰反応が逆にPRとなる「竹島カレー」

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
広島県県庁の食堂のメニュー「竹島カレー」(徐坰徳教授のSNSから)

 今日、2月22日は「竹島の日」である。

 竹島が帰属している島根県では毎年、この日に韓国が実効支配している「独島」(トット)、即ち「竹島」が歴史的に日本の固有の領土であることを国内のみならず、国外、特に韓国にアピールするため様々な行事やイベントを行っている。

 今年は「竹島の日」が2005年に制定されてから20年目の節目の年にあたることから島根県では県民大会をはじめ特別展示会の開催や「竹島の日条例制定20年誌」の発刊、さらには県内のケーブルテレビ(最大15局)などを使って広報活動に力を入れている。

 元徴用工や元慰安婦など「過去史の問題」でこじれていた日韓関係は尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権になってから著しく好転し、政治、経済、文化、観光分野での交流、往来は急増、活発化しているが、領土問題だけは昔も今も変わりなく、対立したままだ。それでも「竹島の日」への韓国の反発は例年に比べて今年は静かな印象だ。

 外交部の代弁人が18日の定例会見で記者に聞かれ、韓国の立場についてコメントしたのと、島根県と島の帰属を競っている慶尚北道議会が20日に議長名による抗議声明を出したこと、いつものように「独島郷友会」と「独島財団」の会員らがソウル市内の駐韓日本大使館前に集まって抗議集会を開いたぐらいだ。

「独島は我が領土」の横断幕を掲げた駐韓日本大使館前での抗議集会(韓国「ニュース1」からキャプチャー)
「独島は我が領土」の横断幕を掲げた駐韓日本大使館前での抗議集会(韓国「ニュース1」からキャプチャー)

 

 以前は慶尚北道以外でも、例えば京畿道・高陽市が独島広報館の前で集会を開いたり、教育庁が済州道で独島に対する理解と愛国心を高めるため教育博物館に「独島体験館」を設置したり、嶺南大学の独島研究所が韓国海洋水産開発院と共催で学術会議などを開催したりしていたが、今回はそうした動きは報じられていない。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾裁判に追われていることもあって政界の反応も鈍い。

 大統領選挙真っ只中の2年前にはフェイスブックを通じて日本の領有権主張は「歴史歪曲に基づいた厳然たる挑発である」と抗議していた李在明(イ・ジェミョン)代表は今年は、尹大統領の罷免後の大統領選挙に余念がないのか、音無しの構えだ。

 「聯合ニュース」や「KBS」「MBC」などの他に新興のインターネット媒体が韓国の抗議活動を一応は伝えているが、大手紙の扱いは小さく、社説で取り上げたところは1紙もない。

 以前に比べて関心が薄れたのかと思いきや、意外なことに熱く反応していた。島根県庁の地下食堂に出されている「竹島カレー」のことだ。

 島根県が毎年開催している「竹島の日」の行事よりもカレーに反応したのは日本では「反日」で知られている徐坰徳(ソ・ギョンドク)聖信女子大学教授が自身のSNSに「カレーにしたからといって、自国の領土になると思っているのか」と写真付きで載せたというより紹介したからである。

 「竹島カレー」は国民や県民に竹島が日本の固有の領土であることをPRするため県庁が随分前から地下の食堂のメニューに加えていたようだが、興味深いことに「東亜日報」「京郷新聞」「ソウル新聞」「国民日報」「韓国経済」「ヘラルド経済」など韓国紙がこぞって「独島の形をしたカレーが登場」とか「竹島カレーがまた登場」との見出しを付け取り上げていた。

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ありがとうございます。
ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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