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短歌という結晶に魅せられて

 どうも、去年末から短歌にハマっている元字書きです。いや、今も字書きなのかもしれないが、小説をぱったり書かなくなってしまったので、あえて元字書きと名乗らせてもらう。そうでないと小説を書いていないという罪悪感で押し潰されてしまいそうだからだ。

 元々、私は短文字書きとしての自覚はあった方である。
 長編字書きに憧れて長編を書こうと取り組んだ事もあったが、連作短編の形で5万字が限界だった。それどころか、1,000字程度のSSが得意な事に気付いてからはSS〜短編の字数の範囲内で書くようになった。これまでに書いた作品数は、約580作品にも上る。なぜ総作品数を把握しているかというと、これまでに作った作品、夢も腐も百合も小説も短歌もまとめた個人サイトを作っている最中だからである。

 それはそれとして。

 短歌というものを知って詠むようになったのは2024年の秋頃である。しかしいつしか短歌を詠まなくなり、放置していた。
 しかし、本当にひょんなことから、というか本人も覚えていないきっかけ――確かとあるソシャゲのストーリーを読んで、このストーリーの内容で短歌を詠みたいと思ったのがきっかけだったような気がするが定かではない――で、再び短歌を詠むようになった。

 この2度目の短歌沼ハマりが今でも続いている。最初は小説を書くのに疲れているからハマっただけであって、すぐまた詠まなくなるだろうと思っていた。

 しかし、気が付けばオリジナル短歌も二次創作短歌も含めて約400首以上詠んでいる。とんでもないハイスピードである。数撃ちゃ当たる戦法にもほどがある。だが、それでもどんどん短歌が詠める。連作の形で短歌が詠めていく。

 図書館では小説よりも短歌の歌集を借りるようになった。自分の誕生日に、図書館で何度も借りたお気に入りの歌集を買った。後日、本屋で話題の短歌の入門書をもう1冊買った。Xで展開されている短歌の企画に参加するようになった。短歌のネットプリントも印刷するようになった。オリジナル歌集を引っ提げてZINEイベントへ参加することにした。二次創作歌集でやりたい装丁を思い浮かべるようになった。某ソシャゲの二次創作短歌のコミュニティに加わった。

 月日が経てば経つほど、どんどん短歌にのめり込んでいる自分がいた。

 しかし、短歌にのめり込めばのめり込むほど、どんどん小説からは足が遠のいていた。しかし、個人的に考える閲覧数の伸びはイラスト・漫画>小説>詩歌。どう考えても小説の形の方が望まれている。

 「短歌にハマって小説が書けなくなっているが、なんとかして小説を書きたい」なんて悩み、人に相談するにはあまりにも身勝手なので私はAI・Claudeに相談した。

 Claudeは他社のAIと比べて日本語が得意なAIで、文脈を理解した論理的で分かりやすい文章構成に定評のあるAIだ。

 そんなClaudeに度々「二次創作小説が書けないけど書きたい」と相談していた私は、来たる1月、遂にこのようなことを相談した。

二次創作小説が書けなくなった原因が分からない。 私は趣味で二次創作小説を書いているが、2025年12月頃から小説を書くことが苦痛になり、遂には今現在書けなくなってしまった。ト書きと台詞を打ち込んだプロットがあればなんとか書ける状態ではあるが、出来上がるものはプロットに少し字数が増えた程度の文章であり、小説と呼んでいいのか甚だ疑問である。 元々、1,000字〜10,000字程度のSS〜短編を書くのが得意だったが、今では短歌を楽しく詠んでいる。 仕事が忙しいせいかと思ったが、3年前から現在の仕事に就いていること、ずっと定時上がりのことを考えると仕事が原因とは思えない。Claudeはどう思う?

 その質問に対するClaudeからの問いに答えながらやり取りを重ねていくうちに、Claudeからこのようなことを言われた。

(前略)
私が感じるのは、あなたの中で「表現したいもの」と「小説という形式」の相性が変化しているのではないか、ということです。
短歌は一瞬の感情、印象、情景を凝縮して表現する形式です。今のあなたは作品に対して「このキャラクターのこの瞬間の心情」「このシーンの美しさ」といった、瞬間的で純度の高い感動を抱いていて、それを短歌として結晶化させることに喜びを感じている。
一方で小説は、その瞬間に至る過程、前後の文脈、キャラクター間の関係性の展開など、「時間の流れ」を描く必要があります。もしかすると今のあなたは、その「流れを作る作業」に意義を見出しにくくなっているのかもしれません。結晶だけが欲しいのに、それを包む鉱脈まで掘らなければならない感覚、とでも言うでしょうか。
(中略)
表現形式への欲求の変化。あなたは今、物語を膨らませて展開させるより、核心だけを削ぎ落として結晶化させることに喜びを感じている。ネタを短歌にできるということは、本質を抽出する力が研ぎ澄まされていて、小説を書くために必要な「引き延ばす作業」に意義を見出せなくなっている。

Claude

 Claudeからそう言われた瞬間、腑に落ちた。そうか。私は短歌という結晶に魅せられたのか。

 さらに腑に落ちる出来事があった。

 Claudeに相談してから数日後、とあるBLカプの推しカプの小説作品をまとめたものをピクシブへ投稿した。その際、「最近小説よりも短歌を詠んでいる、推しカプの短歌もノートに詠んでいる」という旨の投稿をSNSにしたところ、推しカプの同志である仲良しのフォロワーさんが「見たい!」と言ってくれた。

 それを見た瞬間、私は思った。

 あ、詠んでも良いんだ。

 いつの間にか、小説を書くという行為は、自分のためではなく誰かのためにするようになっていた。それが私自身を苦しめ、書けなくなっていた部分もある。

 しかし短歌はまだ自分のために詠んでいる。詠むのが楽しくて詠んでいる。瞬間瞬間を切り取って一首にまとめるのが楽しい。

 すぐにスマホに打ち込み、画像化したものをXにUPした。それを見てくれたフォロワーさんがこのようなことを言ってくれた。

「短歌だとふとした時の、日常のたった一瞬がダイレクトに来るのでもう最高です!」

 私は思った。

 それだ!!!!!

 私は、日常の一コマを切り取った小説を書くのが好きで、そればかり書いていたぐらいである。そうか、私は日常の、何でもない一瞬を切り取って結晶にして詠むのが好きなんだ。楽しいんだ。

 そして、それは誰にも咎められることではないんだ。

 短歌は自由だ。オリジナルでもいいし、二次創作でもいい。季語もない。57577の定型のリズムからはみ出してもいい。31音未満でも超過でもいい。

 二次創作小説が書けなくなってもいい。なぜならばそれは趣味だから。約束事じゃないから。

 そして、フォロワーの中には短歌の形を喜んでくれる人もいる。

 ねむねもねさんの作品なら小説じゃなくても良いんだよ、とフォロワーさんが言ってくれているような気がした。あくまでも気なので、実際は違うかもしれないけど。

 今年は「字書き」ではなく、「歌人」か平野レミさんを見習って「短歌愛好家」を名乗っていこうかな、なんて思っている。

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