冒頭のショート動画集の最後に、冬季五輪にあわせたスキー関係の挑戦をふたつ紹介。チョモランマの無酸素登頂からドローンのアドバイスを受けつつスキーのみでの下山や、日本の小林陵侑がスキージャンプの世界記録を越える挑戦を見せる。
小林の挑戦は、スキーゲレンデに設営した専用のジャンプ台で291mの最長不倒距離をたたきだしたが、番組の片隅に非公式という注意書きがあった。検索すると当時はそれなりに詳細に日本でも報道されていたようだが。
スキージャンプ・小林陵侑、驚異の“飛距離291m”で世界新記録達成 チャレンジ動画は半日で再生数680万回超 | オリコンニュース(ORICON NEWS)
「美しすぎる○○&美しすぎる○○」は、米国でクイーンビーから転落したようなショーガールの女性ふたりが銀行強盗に加担した事件と、韓国前大統領夫人の疑惑を紹介。
ジョージア州の銀行で、サングラスをかけた美女が銀行窓口で脅迫するメモをさしだして、まんまと大金をせしめていった。そのサングラスごしにもわかる監視カメラに映った美貌で注目されたという。これは高校でテニスやチアリーダーで成功し、美貌で人気者でもあった女性たちが、卒業後に転落するようにショービジネスで働きはじめ、さっそく高収入をえられたが散財して資金繰りに苦しくなったところ、狂言強盗にさそわれた事件だった。窓口もグルだったため安易な行動でも強盗に成功したわけだが。あまりにも愚鈍すぎて、変装はサングラスをかけただけで顔はほとんどまる見えで、最初は別の銀行に行って窓口の仲間がいないことで間違いにようやく気づき、強盗成功後はおとなしくするよう指示されていたのにブランド品を買いあさって足がつく始末。保護観察10年や拘禁2年と、強盗事件にしては軽い刑罰ですんだのはマヌケすぎたおかげか。
一方で韓国大統領夫人の疑惑は、2024年12月の戒厳令の9日後に公開された『ファーストレディ~Voice of Seoul』のダイジェスト。大統領に指図する姿もたびたび映るファーストレディの問題を追ったドキュメンタリ。
美貌が注目されたとはいえ整形疑惑は個人の自由ではないかと思ったものの、過去の経歴詐称や新興宗教とのむすびつき、ブランド品を受けとる収賄疑惑に、高速道路のルート変更で親族への利益誘導など、国政にかかわる問題が多い。ドキュメンタリの後日談として、今年1月に収賄疑惑で有罪になったことも紹介された。日本で自国の政権について同じようなドキュメンタリが同じスピード感で公開できるだろうか、ということも思った。
「オジサンすぎる小学生」は、フィリピンのルソン島で炭焼きをしていた40歳の男が、学をつけるため小学校に入って仕事と両立させようとする奮闘を紹介。
賃金をちょろまかされていた男は、学がないから騙されていたと考えて小学校に入りなおす。通学に使うリュックは、中学にかよっている息子のおさがり。授業では自分の名前を書くのも初めてで、nとuを書き間違えるほど。動詞とは何かという概念もわからない。
とはいえ動詞にあわせた動作は問題なくおこなえるし、学校でも子供たちの人気者になる。仕事を優先してたびたび学校を休むし、6年生になって算数に苦戦してテストは0点だったりもするが、それでも卒業しようと奮闘する。
しかし生活は苦しいままで、住民があつまる歌の大会でギターの弾き語りをおこない、優勝して800円ほどの賞金をもらっても生活できるわけではない。歌のうまさを利用して家族総出で街へ出て人々の前で歌い、ようやくクリスマスを祝えるだけのおひねりをえたりする。
そして学をつける大切さを知ったからこそ、息子を高校へ行かせることを選択し、そのために自身の卒業は直前で断念。炭焼きの仕事もやめて建設業に従事して小学校を建てる……
人間模様として面白くも、学ぶことの大切さや、それを社会が支える必要性が浮かびあがってくる良質なドキュメンタリだった。オチもふくめて『ドキュメンタリーで見るせかい』*1で好まれそうだと思ったら、実際にアジアンドキュメンタリーズが日本初配信した作品だった。
www.youtube.com
「やりすぎな動物救出番組 オペレイティブズ」は、各国の元海兵隊員らが集まって、違法に飼育されている海洋生物を救出するため、法をおかしている活動によりそう番組を紹介。
日本で捕鯨船と戦って有罪判決を受けたような男もいるチームを、まるでヒーローのように演出。今回は狭い場所でイルカを飼育し、ショーをおこなっている場所に侵入し、盗んで保護しようとする。
インドネシアではイルカを捕獲して飼育することは違法だが、保護したならば飼育できるので、捕獲したものを保護したと称してショーに使っているという。そこで客として見に行き、保護用とは思えない小さなプールでイルカが飼われ、壁にぶつかったりして傷ついていることを確認する。ここでイルカの飼育環境が実際に過酷だということを強調していたが、そもそも現在はイルカの飼育やショーそのものが虐待と考えられていることは指摘されない。虐待のなかでも過酷で違法性があるものをオペレイティブズが対象にしているという視点がないと、このような番組が成立することが日本の観客には理解できないだろう。おそらく番組を普通に視聴している地域では、以前に紹介*2された犯罪者にドッキリをしかける番組のような位置づけで受容されているのではないだろうか。
ともかく警備が厳重なホテルなどはあきらめて、離島の小さなプールにいるイルカ一頭だけを盗……救出することが決定される。餌をとれて野生に帰れるようになるまで保護する大きな池のある孤島も用意して、さっそく担架をもって乗りこむ。
しかしプールにいるイルカは呼んでも近寄らず、プールに担架を入れて乗せようとしても逃げ出す。水から出せば肌を乾燥させて傷つけかねないのに強行する。それでも予定より数分すぎたものの三十数分で車に運びこんで「保護」に成功した。
チームのマヌケな局面を抽出した編集をされていたが、そもそも海兵隊にいられなくなった連中のチームではないのかというスタジオの指摘は鋭い。